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モバイル広告効果測定の焦点はトラッキングからエンゲージメントへ、TUNEが見つめる日本市場の変化

 「この1年で日本に大きな変化が起きている」そう語るのは、2013年にSepteni Americaと提携し日本市場へ進出したTUNEのBryan Kim氏だ。コンシューマーのモバイルアプリ利用が定着しつつある今、日本市場およびモバイル広告の効果測定に起きている変化とは何か。

日本展開から2年、市場の変化とは

 モバイル広告効果測定の北米大手であるTUNE。同社が提供するモバイル広告効果測定プラットフォーム「TUNE Marketing Console」がSepteni Americaとの連携のもと日本展開を開始して2年余。日本市場ではどのような手応えが得られたのか。また欧米市場とのニーズの違いや課題はあるのか。

 また、HasOffers(ハズオファーズ)から社名をTUNEに、ソリューション名を「MobileAppTracking(以下、MAT)」から「TUNE Marketing Console(以下、TMC)」に変更した背景とは何か。TUNE社でアジア圏のエリア責任者を務めるBryan Kim氏、そしてSepteni Americaのセールスマネジャーとして実際に日本における顧客ニーズを熟知する丹羽正幸氏にお話を伺った。

TUNE Managing Director, APAC Bryan Kim氏(右)、Septeni America TMC / Sales Manager 丹羽正幸氏(左)
TUNE Managing Director, APAC Bryan Kim氏(右)
Septeni America TMC / Sales Manager 丹羽正幸氏(左)

モバイルwebからアプリへ、変わるモバイル活用

――昨年の日本市場進出の際にお話を聞かせていただきました(詳しくは、こちら)。この1年で日本市場および企業の反応はいかがですか?

Kim氏:最も強く感じるものは「大きな変化」ですね。技術面でも企業の心理面でも、あらゆる事象が大きく変わってきたと思います。例えば、技術面ではトラッキングにCookieを使用することがスタンダードでしたが、デバイスIDの方がより正確で詳細なデータを取れることが認識されるようになりました。これに伴い、デバイスIDを使用したTMCへの理解も急速に進んでいます。

丹羽氏:それは私も現場で強く感じています。Septeni Americaは2年前よりTUNE社とパートナー契約を結んでおり、私が当プロジェクトの営業を担当しています。開始から昨年まではお客様にツールの仕組みを説明し、価値をご理解いただくまでに時間を要していました。

 それがここ1年を経る中で少しずつ変化し、今ではモバイル広告効果測定の技術的トレンドや考え方がユーザー企業にも浸透してきたように感じます。実際に現在では国内で約100社のお客様にご利用いただいており、アプリの内容もゲームやEC、人材系、旅行サービスなど多岐にわたります。また、半年ほど前から問い合わせも急増しています。

Kim氏:こうした理解の促進には、コンシューマーの変化が追い風になっています。現在、スマートフォンをはじめとするモバイルの使い方は、モバイルWebからアプリへと移行しつつあります。必然的に広告の対象もアプリベースにならざるを得ず、Cookieでは要件を満たすことができなくなっているというわけです。これは世界的潮流であり、日本でも変わりません。そして多くの場合、企業側の変化は「仕方なく」ではなく、機を捉えようとする能動的かつ積極的なものだと感じます。

丹羽氏:企業側のマインドの変化は大きいと思います。TUNEとSepteni Americaは日本でのサービス開始当初から「データのオーナーシップ」など、日本では馴染みの薄かった広告効果測定エコシステムの考え方を紹介し啓蒙活動をしてきましたので、その影響もあるかもしれません。

――データのオーナーシップとは、中立的でバイアスのない第三者的な立場から信頼性の高いツールを活用することで、プロモーションの主導権を広告主がきちんと握るという考え方でよろしいですか?

Kim氏:はい。こうした考え方に呼応したお客様が、今年はさらに一歩進んで「具体的にどうすればいいのか」「どんな技術があるのか」などに関心を持たれています。層でいうと広告やマーケティングへの感度の高い企業を中心に意識が高まっています。いよいよTMC(Tune Marketing Console)が受け入れられる土壌が整ってきたと言えるでしょう。

プラットフォーマーTUNEが進めるエコシステムの構築

TUNE Managing Director, APAC Bryan Kim氏

――他に企業がモバイル広告効果測定を効果的に活用するための環境づくりにおいて、先駆者として取り組まれてきたことはありますか。

Kim氏:「データのオーナーシップ」もそうですが、私たちはコンシューマーを守りつつ、顧客企業が自らの事業活動にモバイル広告の効果測定を活用できるようなエコシステムの実現に邁進しています。例えば世界最大のマーケットである米国では、プライバシー対応や、子どもへの情報プロテクトといった様々な課題に対して、中立的な立場から調整を図り、標準化を行っています。

 米国だけでなく日本や欧州、各アジアマーケットでも同様の取り組みは欠かせません。特に米国ではプライバシーへのアプローチは訴訟になるほどのシビアな事項であり、企業は「チーフプライバシーオフィサー」などの役職を置いてコントロールしているくらいです。そうした企業の担当者や専門家などから成るアソシエーションのリーダーの一人として、私たちはプラットフォームづくりを牽引してきました。

丹羽氏:プラットフォーマーとしてのTUNEの活躍には目を見張るものがあります。その上で、先ほど申し上げたようなトラッキングのエコシステム転換時の啓蒙活動や、日本市場でのプラットフォーム整備に必要とされる細やかな部分のローカライズなどを、当社が支援できればと考えています。

ゴールを目指すためにはトラッキングだけでは足りない

Septeni America TMC / Sales Manager 丹羽正幸氏

――プラットフォーマーとしての決意が、主力サービスの名称を「MobileAppTracking(MAT)」から「TUNE Marketing Console(TMC)」へと変更し、リブランディングしたことへとつながるのでしょうか?

Kim氏:その通りです。単なる名称変更ではなく、測定の範囲をトラッキングからエンゲージメントまで広げ、モバイル広告効果測定における「プラットフォーム」を目指したものとご理解いただければと思います。トラッキングは重要ですが、それだけではない。その先にある真のゴールを目指すためのツールとしてご提供したいと考えています。

丹羽氏:ここで言う「エンゲージメント」は一般的な概念に従っていますが、あくまで「広告配信の目的達成」であり、顧客企業や業界、またはその時々によって異なるものです。例えば「購入」がエンゲージメントのゴールであったり、「会員登録」であったり、顧客企業により目的は異なります。私たちは「プラットフォーマー」としてそれらを計測、分析できる仕組みを提供しようと考えているわけです。

 ですから、今回の大きなアップデートではリネームだけでなく、マーケティングプラットフォームとして、大きく進化させました。具体的には、TMC内で下記の三つの機能を使ったソリューションが提供可能です。

  1. Attribution Analytics(旧Mobile App Tracking)
  2. App Store Analytics(旧Mobile Dev HQ)
  3. Cross Promotion(新機能)

 Attribution AnalyticsはMATの機能をそのまま引き継いだ機能で、いわゆるPaid User、アプリを有料で利用しているユーザーへのマーケティング支援が可能です。App Store Analyticsは、ASO(App Store Optimization)を支援する機能で、Organic User(自然流入ユーザー)へのマーケティング支援が可能です。Cross Promotionは、TMCを利用中のアプリ内でユーザーの相互送客を支援する機能です。Owned User(既存ユーザー)へのマーケティング支援が可能です。

 今回のアップデートにより、アプリマーケティングで重要とされる性質が全く異なる三種のユーザー層に対して、一つのプラットフォーム上で、各々に的確なソリューションを提供する事が可能となりました。顧客企業のエンゲージメントに対する計測要件は複雑化しており、それらに応える形で進化してきた結果と言えるでしょう。

Kim氏:私たちが提供するバリューは、透明性の高いトラッキングデータによって新たなコンシューマーのインサイトを捉えること。つまり、顧客企業に対してはデータや機会を提供することで広告の価値を最大化し、最終的なエンゲージメントへとつなげ、利益拡大へと貢献することです。また、業界に対しては中立的に透明性を担保しながら広告の成果を上げることで、広告の可能性を広げ、市場を活性化できると考えています。

 なお、モバイルAppsで重視される「リエンゲージメント」の獲得も、モバイル広告の新たな価値の一つです。広告主とメディアが的確に橋渡しされ、広告を配信する技術的な仕組みと結果を的確にトラッキングしたデータが連携して初めて価値が出る。その橋渡し役として重要な役割を担うのがTUNEであり、TMCであると認識しています。

高度化・複雑化するユーザーの要望に応えるために

――エンゲージメントの考え方や設定、技術的な操作や分析データの活用など、TMCを使いこなすためにユーザー側にも一定のリテラシーが求められるように感じます。ユーザー側からどのようなサポートを求められていますか。また、それに対してTUNEおよびSepteni Americaはどのように応えているのでしょうか。

丹羽氏:日本の状況からいうと、TMCを導入されて1年未満のお客様がほとんどです。活用を続ける中で要望が複雑化し始めた段階といえます。ですから、これからエンゲージメントの設定やクロスプロモーションの検証など、様々な要望やサポート要求などが出てくるのではないかと予想しています。

Kim氏:既に使いこなしているユーザーが多い欧米では、非常に高いレベルの要望が多いですね。私たちはプラットフォームとしての価値を享受いただくために、サポートや教育を通じて「どう使ってもらうか」という情報を提供しています。そこが他社とは異なるアドバンテージの一つです。とはいえ、顧客側の要件を熟知してこそという面もあるので、そこはSepteni Americaに期待しているところです。

丹羽氏:そこはお任せいただければと思います。具体的にはユーザー企業担当者様へのトレーニングから、セミナーやティーチングなど様々なサポート形態を用意しています。広告出稿主のみならず、メディア側にも情報提供を行うなど、より広告の効果を上げるための活動も行っています。

 TUNE側からは技術的なサポートだけなく、欧米でのモバイル広告に関する最新情報をオンタイムで提供してもらっていますので、それらの情報提供も可能です。また、マーケティング部門だけが日本にある外資系企業の日本国内向けプロモーションや、日本企業の海外向けプロモーション等、国内外での連携が必要な場合、TUNEを通じてシームレスにサポート可能なのはSepteni Americaの強みの一つだと思いますね。

2016年は日本市場へも強力にコミット

――今後の展開はどのようにお考えですか?

Kim氏:今後については、日本オフィス立ち上げを視野に入れており、Septeni Americaとの協業も含め、日本の広告主企業に対してより濃厚なアプローチが可能になる予定です。「日本のモバイル活用は特殊」という懸念の声もありますが、そこはプラットフォーマーとして柔軟に求められるものを提供する自信があります。世界でも屈指のモバイル広告市場を持つ日本だけに、当社としても期待はひとしおです。

 また、TUNEはシリーズBの出資を受けました。前段階のシリーズAが技術開発を主眼に置かれたものだとすると、シリーズBは事業としての成長を目したものです。経営戦略として、必然的に需要の高い日本にコミットしていくことになるでしょう。

丹羽氏:TUNEからの密接なサポートのもと、Septeni Americaは今後も企業に対して、より価値のあるソリューションとしてTMCを提供して参ります。日本市場へはもちろん、海外市場への展開も支援が可能です。ぜひ、この新たなプラットフォームの威力を実感いただきたいですね。

TUNE Managing Director, APAC Bryan Kim氏(右)、Septeni America TMC / Sales Manager 丹羽正幸氏(左)

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウマミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの製作などを経て独立。ビジネス系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/10/29 10:00 https://markezine.jp/article/detail/23141