日本展開から2年、市場の変化とは
モバイル広告効果測定の北米大手であるTUNE。同社が提供するモバイル広告効果測定プラットフォーム「TUNE Marketing Console」がSepteni Americaとの連携のもと日本展開を開始して2年余。日本市場ではどのような手応えが得られたのか。また欧米市場とのニーズの違いや課題はあるのか。
また、HasOffers(ハズオファーズ)から社名をTUNEに、ソリューション名を「MobileAppTracking(以下、MAT)」から「TUNE Marketing Console(以下、TMC)」に変更した背景とは何か。TUNE社でアジア圏のエリア責任者を務めるBryan Kim氏、そしてSepteni Americaのセールスマネジャーとして実際に日本における顧客ニーズを熟知する丹羽正幸氏にお話を伺った。
モバイルwebからアプリへ、変わるモバイル活用
――昨年の日本市場進出の際にお話を聞かせていただきました(詳しくは、こちら)。この1年で日本市場および企業の反応はいかがですか?
Kim氏:最も強く感じるものは「大きな変化」ですね。技術面でも企業の心理面でも、あらゆる事象が大きく変わってきたと思います。例えば、技術面ではトラッキングにCookieを使用することがスタンダードでしたが、デバイスIDの方がより正確で詳細なデータを取れることが認識されるようになりました。これに伴い、デバイスIDを使用したTMCへの理解も急速に進んでいます。
丹羽氏:それは私も現場で強く感じています。Septeni Americaは2年前よりTUNE社とパートナー契約を結んでおり、私が当プロジェクトの営業を担当しています。開始から昨年まではお客様にツールの仕組みを説明し、価値をご理解いただくまでに時間を要していました。
それがここ1年を経る中で少しずつ変化し、今ではモバイル広告効果測定の技術的トレンドや考え方がユーザー企業にも浸透してきたように感じます。実際に現在では国内で約100社のお客様にご利用いただいており、アプリの内容もゲームやEC、人材系、旅行サービスなど多岐にわたります。また、半年ほど前から問い合わせも急増しています。
Kim氏:こうした理解の促進には、コンシューマーの変化が追い風になっています。現在、スマートフォンをはじめとするモバイルの使い方は、モバイルWebからアプリへと移行しつつあります。必然的に広告の対象もアプリベースにならざるを得ず、Cookieでは要件を満たすことができなくなっているというわけです。これは世界的潮流であり、日本でも変わりません。そして多くの場合、企業側の変化は「仕方なく」ではなく、機を捉えようとする能動的かつ積極的なものだと感じます。
丹羽氏:企業側のマインドの変化は大きいと思います。TUNEとSepteni Americaは日本でのサービス開始当初から「データのオーナーシップ」など、日本では馴染みの薄かった広告効果測定エコシステムの考え方を紹介し啓蒙活動をしてきましたので、その影響もあるかもしれません。
――データのオーナーシップとは、中立的でバイアスのない第三者的な立場から信頼性の高いツールを活用することで、プロモーションの主導権を広告主がきちんと握るという考え方でよろしいですか?
Kim氏:はい。こうした考え方に呼応したお客様が、今年はさらに一歩進んで「具体的にどうすればいいのか」「どんな技術があるのか」などに関心を持たれています。層でいうと広告やマーケティングへの感度の高い企業を中心に意識が高まっています。いよいよTMC(Tune Marketing Console)が受け入れられる土壌が整ってきたと言えるでしょう。