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自然に視聴できるスマホ動画でより深いブランド体験を!ニューバランス鈴木氏が語るインリード広告の効果

 今年7月、ニューバランスはグローバルで展開する新しい“ブランドプラットフォーム”として「ALWAYS IN BETA」を発表。女性を主人公としたブランドムービーを公開し、オンライン動画広告としても活用した。今回は出稿先の媒体をスマートフォンのみに限定、中でもTeads社のインリード広告は視聴完了率とページ遷移とも高い数値が表れたという。ニューバランス ジャパンの鈴木健氏は「できるだけ自然に接触してもらうことが今回のテーマだった」と話す。

ブランドの価値観を現代の言葉で表したプラットフォーム「ALWAYS IN BETA」

MarkeZine編集部(以下MZ):今年、ニューバランスが発表した新しい“ブランドプラットフォーム”である「ALWAYS IN BETA」では、1本の象徴的な動画からコミュニケーションを開始しています。まず、このブランドプラットフォームの枠組みを教えていただけますか?

株式会社ニューバランス ジャパン マーケティング部 部長 鈴木健氏
株式会社ニューバランス ジャパン マーケティング部 部長 鈴木健氏

鈴木:「ALWAYS IN BETA」は、ニューバランスが大切にしている概念を、今の時代にフィットする形で言語化したものです。単発のキャンペーンのように一過性で終わるものではなく、今後私たちのすべての商品やサービスのコミュニケーションに影響を与える考え方という意味で、ブランドの“プラットフォーム”と位置付けています。

MZ:「ALWAYS IN BETA」には、どのような意味が込められているのでしょうか?

鈴木:「ニューバランスは常に進化する」という意味合いですね。BETAは、いわゆるβ版のベータです。我々は1906年に誕生してから100年以上も進化し続けてきたので、この考えはずっと根底に流れていますが、それをIT領域からこの20年ほどで一般へも広がったキーワードである「β」で表しました。グローバルの展開なので特定言語によらないことや、現代の言葉遣いで若いユーザー層へアピールする意図もあります。スポーツをするすべてのユーザーにとっては、昨日より今日、今日より明日と日々上達していくことが進化です。その気持ちにフィーチャーしたブランドとして、改めてメッセージを打ち出しました。

強制視聴ではないインリード広告でターゲットを誘引

MZ:特にどのようなターゲット像を描いているのでしょうか?

鈴木:大きくは2つあり、ひとつは先ほどお話しした、若いユーザー層です。日本で最も多くスポーツをしているのは、やはり部活動をしている中高生なので、彼らへのアプローチは変わらずに重要です。もうひとつは、最近特に業界で注目されている、20代後半~30代前半の女性層です。アメリカや日本などの成熟した国では、スポーツ競技人口そのものは減少傾向なのですが、逆に社会人になってから健康志向などによりライトに運動を楽しむ人たちは増えています。そんなユーザーがスポーツのスタイルやツールの使い方を進化させていて、中でも感度が高いのが30歳前後の女性なんです。

MZ:なるほど。新しいブランドプラットフォームのローンチ時に公開された動画「The Storm」でも、数々のアスリートの姿に触れてモチベーションを取り戻す主人公は若い女性でした。

鈴木:そこは、ターゲットを意識してのことですね。

MZ:今回は「The Storm」をテレビCMとオンラインの動画広告に活用され、特にスマートフォン広告にはプレミアム媒体のネットワークが強いTeads社のインリード広告を採用されています。この背景をうかがえますか?

鈴木:生活者のメディア環境が大きく変わる中、今回はそもそもグローバルで「動画を入り口にサイトへ誘引してブランドを体験してもらう」という指針がありました。なので、動画をきっかけとするコミュニケーションが前提になっています。いくつかの動画広告を活用しましたが、Teads社はインリード型で強制視聴ではなく、記事コンテンツの中できれいに広告を見せられる点が特徴的でした。

パーソナル性が高いスマートフォンは「自分の部屋」

鈴木:「The Storm」は、テレビCMとオンラインの動画広告に使ったのですが、実はオンラインの出稿先デバイスをスマートフォンのみに絞ったんです。

MZ:そうなんですね。どういった理由からでしょう?

鈴木:動画広告から我々のブランドサイトに遷移して、より深く「ALWAYS IN BETA」の世界観を体験していただくのが理想ですが、まずは動画に注目してもらう必要があります。そこで、ターゲットが普段通りオンラインで動く流れの中で、どれだけ自然に接触できるかが今回のテーマでした。

 単にターゲットとの親和性が高いからというより、ブランドの概念を感じてもらうにはパーソナルな領域でユーザーと出会いたいと考えたので、PCよりもさらにパーソナル性の高いスマートフォンに特化したのです。いくつかの動画広告のひとつにTeads社のインリード広告を採用したのも、プレミアム媒体の看板にひかれたのと同時に、ユーザーがどういう視聴態度のときに接触するかを具体的に想像できたからという理由が大きいですね。

MZ:あくまで“自然に”接触できるソリューションだったと。

鈴木:ええ。スマートフォンは、言ってみれば自分の部屋のようなものです。そこに入り込むには、コンテンツの質、ユーザーの視聴態度、そしてフォーマットの3つすべてを計算する必要があると思うんです。

視聴態度、コンテンツの質、フォーマットを統合して考える

MZ:「自分の部屋」ですか! 言われてみれば、そうですね。

鈴木:部屋の壁に、いきなり好みと違うポスターが貼られたらイヤですよね。見たくもない広告を強制的に見せられたくないのはPCでも同じですが、スマートフォンでは一層、自分の領域に侵入される感が強いと思います。うまくいけばパーソナルな部分を捉えて深いブランド体験につなげることもできるでしょうが、なかなか難しいものがあります。

MZ:そこをクリアするには、先ほど挙げられた3つを押さえるのが不可欠なんですね。

鈴木:そうですね。コンテンツの質については、公開前の調査から、この動画が女性やスポーツに興味がある人に響くだろうというのは分かっていました。ユーザーの視聴態度という意味では、Teads社のネットワークへの出稿なら、ユーザーは自分の好きなメディアを自分の意図でポジティブに読んでいるということがありますので、動画広告との親和性も高いと予測できました

 また、我々の考えとしては、やはり強制的に見せて無理に態度変容を、ということは意図していません。ですので、「開く・閉じる」の操作をしやすく、小さいスマートフォン画面上の占有率が高くないといったフォーマット特性も、Teads社を採用した理由でした。結果的に、他の動画広告より高い効果が表れていて、手応えを感じています。

視聴完了率13.7%、CTRも予想を上回る結果に

MZ:インリード広告は具体的にどのような効果がありましたか? 効果指標と合わせてお教えください。

鈴木:今回は購買などのアクションを促す目的ではなかったので、視聴完了率と、ブランドサイトへのページ遷移をKPIとして考えました。7月21日からの1カ月間、ターゲットの女性層に支持が高い6つの媒体に15秒の動画広告を出稿したところ、視聴完了率は13.7%、CTRは2.06%となりました。これらは、スマートフォン動画広告では期待以上に高いスコアでしたね。

 また、完全視聴者に対する追跡調査も行ったのですが、態度変容や購入意向の向上といった、いわゆるブランド指標が想像以上に上がっていました。これらの効果を見ても、狙い通り、ユーザーに自然に接触することができたのではないかと思っています。

MZ:なるほど。数値以外の面で何か成果を感じられていることはありますか?

鈴木:スマートフォンでの動画広告展開の可能性をより強く感じることができましたね。スマートフォンは画面サイズの制約など、動画に適さない点もありますが、購買やアプリの起動といった行動にはつなげやすい特性もあります。コミュニケーションの設計次第で、動画をきっかけに、ターゲットに次のアクションを起こしてもらうこともできそうです。だからこそ、スマホネイティブな環境をつくっていくのが非常に重要だと思っています。

スマホネイティブな環境を創造し、適切なコミュニケーションを設計する

MZ:「スマホネイティブな環境をつくる」とは、どういった意味合いでしょうか?

鈴木:スマートフォンならではの特性を活かしたコミュニケーションを、適切かつ柔軟に展開できるような環境をつくるというイメージです。まず考えるべきは、スマートフォンにはTPOがあることですね。いつ、どういう状況で接触するかによって、同じ広告でも印象がかなり異なってきます。それらを完全には解き明かせなくても、ある程度はユーザーのコンテキストを想像した配信も可能だと思います。Teads社のようなプレミアムネットワークなら、メディアとの良好な関係も活かして、TPOに合わせた配信なども近いうちに実現できるのではないでしょうか。また、スマートフォンはアプリメディアとしての性質も強いので、アプリでの広告配信もスマホネイティブな展開のひとつだと思います。

MZ:では、今後のブランド展開や広告に関する展望をお教えください。

鈴木:今回、あえてPCへは出稿せず、スマートフォンに絞ったことで、元々6割だったスマートフォンからのブランドサイトアクセスが8割にまで跳ね上がりました。この結果からしても、できるだけ自然な形で動画広告に接触してもらうことが重要であると改めて認識しています。

 生活者は、当然自分の好きなようにしか動かないので、そのリアルな気持ちを考えながら、適切にコミュニケーションを設計するのが今後の課題です。例えば、フォーマットひとつとっても、最近日本でも展開が始まった縦型の見せ方などもあります。メディアやオーディエンス選定だけでなく、フォーマットもすべて統合して考えながら、我々もどんどん新しい手法を探っていきたいと思います。

ユーザーに強制的に動画を見せずに、高い完全視聴率を叶えるインリード広告を提供するTeads社
お問い合わせ先はこちら:sales-jp@teads.tv
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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2016/01/14 15:26 https://markezine.jp/article/detail/23422