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重要なのは、素早く柔軟に動き続けること 顧客接点を最適化するアジャイルマーケティングとは

スピードと柔軟性で成果を出す“アジャイルマーケティング”

 ——Kenshooでは“アジャイルマーケティング”という言葉を提唱していますが、どういった意味がありますか。

 ひとつのコミュニケーションチャネルに固執せず、多岐に及ぶチャネルをまたぎながら、次から次に新しい仮説検証のサイクルを回し、新たな成功パターンを見つけていくというのが、“アジャイルマーケティング”の考え方です。このアジャイルマーケティングの思想は、昨今のマーケターに求められている“変化の激しい環境におけるパフォーマンスの最大化”という新たなミッションをクリアするための方策として、非常に有効なものです。

 例えば、強風吹き荒れる中で1本の棒にしがみついているだけでは、棒が折れてしまう危険性があります。そのため、強風に対して抵抗するのではなく、柔軟に向きを変えるしなやかさが必要です。

 これをデジタルマーケティングの領域で置き換えると、例えばリスティング広告を運用して効果が高いからといって他の施策を打たないと、クリック単価の高騰などの問題が発生し状況が変わることがあります。そうなる前に、ソーシャルやモバイルに関する施策も行うことで、柔軟な対応が可能になります。

 つまり、アジャイルの意味するところは、スピーディーかつフレキシブルに動き続けようということなのです。新しい成功パターンを見つけるためPDCAを回していくことが重要になっています。

 ——では、アジャイルマーケティングを実践する上で、マーケターに求められる役割を教えてください。

 人がすべき仕事というのは、あくせくと手作業を続けることではありません。自動化できるところは自動化し、人が担うべきは創造的かつ戦略的なプランニングです。競争相手や市場の変化にどう対応していくのかという意思決定にこそ、人的資源は投入されるべきではないでしょうか。

謙虚さを持って、アジアのテクノロジー発展に寄与する

 ——最後に、Kenshooの今後の展開について教えてください。

 弊社はこれまでアメリカにフォーカスしてきましたが、今後は日本・韓国・中国とアジアへのビジネスに注力していきたいと考えています。長期的には、メディアの門戸を広げていきたい。少数の強大なメディアが支配している現状から、Kenshooがアジャイルマーケティングの枠組みを作り、新興メディアにもチャンスを与えられるのではないかと思っています。また、それによって特定のメディアに依存せず、様々なコミュニケーションチャネルを超えてマーケターと消費者を適切につなぐことが、弊社の大きなミッションです。

 Kenshooはテクノロジーの会社ですが、アルゴリズムを作っているのは、あくまでも人です。人の情熱や強い意志を重んじながら、失敗と共に学びを重ねていく。それは、我々が大切にしている“謙虚さ”の表れでもあります。今日成功したものが明日も成功するとは限らない市場において、マーケターは常に向上していかなければなりません。弊社は謙虚に向上心を持って、テクノロジーの発展に寄与していきます。

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&Marketing Com...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2017/05/06 23:28 https://markezine.jp/article/detail/23530

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