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ブログから導く消費者の生の声!クチコミデータ有効活用への道

仲間由紀恵より、しずちゃんはカワイイ?~エッセンシャル「カワイイをつくる」キャンペーンを検証


ブログを用いたブランド調査の得意不得意

 さて、テキストマイニングソフト、ブログクチコミサーチを用いたブランド調査を簡単に説明した。最後にブログを用いたブランド調査の得意なところと不得意なところに関して述べる。

得意なこと

 企業や広告代理店がブランドイメージを訴求する手段にテレビがある。他にはラジオ、雑誌、新聞があり、インターネットがある。コマーシャルの中には、作品そのもののイメージがあり、タレントがあり、さらにキャッチフレーズがある。インターネットの中にはブログやSNSや動画サイトがある。他にも試供品を配ったり、商品にオマケを付けたりして、それぞれが認知度を上げるか、もしくはブランドイメージを訴求しようとしている。これらがどの程度、どれくらい消費者に訴求しているかを企業なり広告代理店は知りたい。

 ここまで読んできてわかったと思うが、ブログを用いたブランド調査はどの訴求手段が、どのように消費者に受け止められたのかを調べるのに向いている。

 驚くことも時々ある。それは、思いもよらない商品説明が消費者の間で勝手にキャッチフレーズとなり、ブランドイメージとなっていた場合や、思いもよらない場所で、その商品のイメージが訴求されていた場合などだ。

例えば、あるエクササイズ機器は、多くの場合、家庭よりもジムに置かれており、そこで「本格的なエクササイズ機器」として認知されていた。ブランドイメージとして企業がこれから訴求しようとしている言葉は、消費者がほとんど使用することのないテクニカルな言葉であることが見えたりもする。その場合、企業は訴求すべき言葉を変える必要があるかもしれない。それら様々なレポーティングによる発見から、これまでの戦略を見直したというクライアントの声も多数聞いている。

 もう1つ言うなら、ブログのもっとも得意とするのが、ブランドに対するネガティブなイメージを拾うことだ。ここ数年、「不二家」「白い恋人」「赤福」などの食品ブランドをはじめ、様々な企業が不祥事を起こしたり、あるいは言われの無い悪い噂を立てられたりしている。

 ある商品は自然をうたいながら化学合成による材料を使っていると言われ、ある商品はCMタレントのスキャンダルからイメージを落としたりしている。またある企業ブランドは、社員の個人情報漏洩や度重なる事故などからそのイメージを大きく落としている可能性がある。ブログはそれらネガティブなイメージを拾うのが得意だ。話題の大きさや、内容の変化などを知ることができる。

 例えば納豆ダイエットの話題を調べてみると、ピークの週の翌週には話題量が1/5となり、さらに翌週には1/20となっている(下記図)。しばらくは1/20程度の話題量が続くが、12週目には1/200程度となり、ほとんど語られなくなっている。


「人の噂も75日」というが、12週目は84日であり、昔の格言も的を射ているのかもしれない(75日を含む週はもとの話題量の約1/100)。ちなみに25週目から最近まではゼロか数千分の1程度の話題となっている。ブランドに何かネガティブな話題が発生した場合、過去の不祥事を洗い出し、どのような戦略を用いれば、ネガティブなイメージを最小限に食い止められるかを調べられるかもしれない。

また、自社の現状も把握できる。興味深いのは、この話題量のグラフ推移がベキ法則(Power Law)に従っているように見えることだ。読者によってはとても興味深い話と思うかもしれないが、今回は詳しく触れない。

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苦手なこと

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この記事の著者

磯部 拓(イソベタク)

1971年生まれ、博士号を取得後アテンション入社。現在は株式会社アテンション戦略企画部に所属し、マーケティングリサーチ、分析、レポーティングサービスを行う。また「恋愛専門ドットコムα版」の作家兼ディレクションを行い「...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2008/01/08 17:52 https://markezine.jp/article/detail/2371

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