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黒船Netflix上陸、忍び寄るYouTubeの影。「SVOD」の台頭で映像ビジネスは変わるのか

忍び寄る、YouTube Redの影

 今、このSVOD界に、静かに忍び寄るひとつの影があります。それこそが、他でもないYouTube。いまさら説明するまでもありませんが、YouTubeは世界最大手の動画配信サービス。合法でオリジナルなものだけでも、人生が何度あっても見きれないほどの動画がアップロードされています。

 そしてそのYouTubeを、広告なし、オフライン再生対応などで見られる定額制サービスが「YouTube Red」です(現在はアメリカのみでの提供)。昨年末より、このYouTube Redが独自コンテンツを提供するのではないかという噂がありましたが、ついに先日(米国時間2月3日)、正式発表されました。

 まずはオリジナル4本という実験的な出だしのようですが、動画配信サービスとして圧倒的な知名度を持つYouTubeの参入が、SVOD界隈に大きな影響力を及ぼすのは必定。特に定額利用に慣れていない日本の一般ユーザにとって、「YouTubeで映画やドラマが観られるようになった」というわかりやすさは、プロモーションの文脈としても大きな力を持っているといえます。

 可処分時間は有限です。NetflixをはじめとしたSVOD、それにニコニコ動画、レンタルビデオ、さらには地上波テレビの大きなライバルとして、昨今のYouTuber人気も相まり、このYouTube Redも大きな存在感を見せるのではないかと予想します。

映画ファンの期待‐世界中の映像作品が楽しめる時代に

 ここからは一映画ファンとしての視点ですが、SVODやTVODなど映像作品のデジタル配信の普及によって期待できることは、マニアック作品や廃盤などの配信です。世の中に映画は数多くありますが、映画館で上映されたものがすべてDVDやブルーレイになるわけではありません。

 興行的に失敗、または一般ウケしないものなど、DVDなどにパッケージ化しても収益が見込めない作品は、そのままほとんど日の目をみないのが現状でした。しかし、デジタル配信がフィジカルへのパッケージ化より安価であることを考えると、その敷居は低くなるでしょう。

 もっと言えば、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなどで製作され、日本に上陸しない映画は山のようにあります。それらを「観たい」と思うコア映画ファンは、パレートの法則でいうところの20であり、たとえESTでも観たいという人は多いのではないでしょうか。

 デジタル配信の技術、及び視聴方法の進化によって、気軽に世界中の映像作品が楽しめるようになり、娯楽の選択肢の幅が広がる世界が、今から待ち遠しいですね。

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この記事の著者

渡邊 徹則(ワタナベ テツノリ)

株式会社Version7代表取締役。Web・コンテンツ制作、分析、マーケティングなどを手掛ける。
執筆業では、主にソーシャル、EC、海外サービス、メディアなどが専門。
会社概要 - seven@ver7.jp - Twitter/Facebook @brigate7

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/03/03 10:00 https://markezine.jp/article/detail/23956

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