「ユーザー行動の活用」をオススメしたい
はじめまして。D2Cソリューションでサイト解析・ユーザーリサーチを担当しています、五十嵐です。企業のWEBサイトを中心としたデジタルソリューションの分析を担当しています。今回、「ユーザー行動」の活用についてお話したいと思います。
突然ですが最近の趣味は料理です(カレーを作ることにはまっています)。私が料理をしていてよく使うアイテムの1つにラップがあります。ラップを使うたびに「これはユーザー行動を活用したデザインになっているなあ」と思う、ありがたいデザインがあります。
ラップをよく使うアイテムとして紹介しましたが、実は私はラップの切り取りが苦手で、失敗して斜めに“ふにゃふにゃ”切れることがあるのです。その時に頼りにしているのが、握って親指をあてる部分にある「小窓」と「その中のイラスト」です。
小窓の真ん中にイラストが来ていれば、ラップに刃がきちんと当たっている理想的な状態。正しい握り方を自然にアドバイスするデザインです。しかし、実際に利用する時にはそのようなことは意識せず、手に取っています。これがなければ、私のように斜めにふにゃふにゃ切れてしまう人も多いでしょう。不器用さんの行動をよく見てくれているデザインだと思いませんか?
商品やサービスを利用するユーザーがとる行動には何らかの理由があり、そこには解決のヒントや新しい気づきが潜んでいます。このような「ユーザーの行動をマーケティング活動に生かしていこう」というのが今回のテーマです。
「もう一回使おう」と思ってもらうために必要なんです
企業は商品を購入してもらうため、様々なマーケティング施策に取り組んでいます。例えばWEBサイトもユーザーとの重要な接点になっています。WEBサイトはスマートフォンの普及により、いつでもどこでも使えるようになり多くのユーザーに利用されています。
しかし、ユーザーは自分が必要とする情報が見つからないと「使えないなあ」と他のサイトを閲覧します。また、許容できない冗長な操作をWEBサイトが求めると「めんどうだなあ」と別の手段を選びます。このようなユーザーの意思に反した事象が多い場合、WEBサイトを活用してマーケティング活動の目標を達成することは難しくなっていきます。
では、ユーザーがWEBサイトに訪問した目的を果たしやすいサイトを作るにはどうすれば良いでしょうか? その回答の一つが、ユーザー行動を分析し「ユーザーがどのような情報を必要としているのか」「操作をやめてしまったポイントはどこか」などを知り、次の施策に取り組み改善を続けることです。また、ユーザーが思い描いた通りに操作できれば、満足度が高まり「もう一度使ってみよう」という意識を作ってもらえます。
つまり、ユーザーを離脱させずに目的にたどり着かせ、さらに操作の満足度を高めることでサイトへの訪問・再訪問が多くなり、マーケティング活動の目標達成に近づくことができます。次のページからは、ユーザー行動を把握するための手法をご紹介します。
この連載は?
本連載はマーケティングにおけるデジタル活用情報を伝えるウェブメディア、「D2Cスマイル」の記事を、MarkeZine向けに再編集した出張版です。出典元はこちらです。