リダイレクトの仕組み
これは、「リダイレクト」と呼ばれる、ウェブ上では様々なところで利用されている、標準的な仕組みです。リダイレクトは、あるURLにアクセスしたときに、ウェブサーバが、「このURLの内容を知るには、こちらの別のURLにアクセスしてください」というメッセージをブラウザ(クライアント)に送信します。するとブラウザはそれを受けて、すぐに指示されたURLにアクセスし直します。
結果として、リダイレクト前のURLと、リダイレクト後のURL、どちらにアクセスしても、得られる結果は同じものになります。しかし、リダイレクトを使うと、ウェブサーバに2回アクセスが行くため、どちらのアクセスもサーバ側にログとして残ります。
これを利用して、RSSからのアクセス専用のリダイレクトURLを用意し、それをRSSの各記事のURLとして指定しておくことで、RSSを経由したアクセスだけを、ログの中から見つけることが簡単にできるようになるのです。

また、もう一つの方法として、クエリ文字列に特別なデータを埋め込む、という方法があります。これはたとえば、以下のように「ref=rss」のような(ページの表示には影響を与えない)クエリ文字列をRSS内で指定されるURLに設定しておくことで、そのURLから、アクセスをRSS由来であるか、そうでないかを区別することができます。
本来のURL : http://blog.example.com/20080101_foobar
RSSでの指定 : http://blog.example.com/20080101_foobar?ref=rss
ただし、この方法を使った場合、「お気に入り」や「SBM(ソーシャルブックマーク)」に、「ref=rss」というクエリ文字列が埋め込まれたままで登録されてしまう、という危険性があります。
その場合、「お気に入り」から再度アクセスをした場合や、SBM経由で他の人がアクセスした場合にも「ref=rss」がついた状態になってしまうため、この方法ではノイズが混入してしまう可能性はあります。
ただし、逆にクエリ文字列を使った方法では、JavaScriptを使ったアクセス解析でも、RSS由来のアクセスを区別できる、というメリットがあります。アクセスしたURLが異なるからです。前回解説したGoogle AnalyticsとJavaScriptを利用した解析により、RSS由来のアクセスだけを、特別なURLに書き換えて記録することもできるでしょう。一方で、リダイレクトを使った場合は、リファラー情報にもリダイレクト前のURLは残らず、JavaScriptでリダイレクトがあったかどうかを判別することができないため、ログを解析しなければならなくなってしまいます。
