2025年10月20日、企業広報戦略研究所(電通PRコンサルティング内)は、全国1万人を対象とした「第10回 魅力度ブランド調査」の結果を発表した。本調査は、生活者が企業のどのような活動や事実(ファクト)に魅力を感じ、どのように伝わっているかを解析することを目的に実施された。ここでは全体結果の概要を紹介する。
「人的魅力」が最も高く、「イシュー対応」「安定・透明性」「技術」が上位
今回の調査では、企業で魅力を感じた要素として「人的魅力」が全体の37.1%と最も高くなった。次いで「商品的魅力」(33.4%)、「社会的魅力」(29.5%)が続いた。
魅力領域別では、「イシュー対応」がトップに位置し、「安定・透明性」「技術」が続いた。「経営が安定している」や「生活に欠かせない商品・サービスを提供している」、「品質に信頼がおける商品・サービスを提供している」といった点が高評価を受けた。
魅力を感じた約7割が「何らかの行動」を起こす
企業に魅力を感じた人のうち約7割(67.7%)が何らかの行動を起こしている。最も多かった行動は「購入または利用した」(33.3%)。続いて「購入・利用を検討した」(29.8%)、「企業や商品・サービスのウェブサイトを閲覧した」(26.8%)となった。
「イシュー対応」「安定・透明性」「技術」は購入・投資・就職行動に共通
企業の魅力が購入・利用、投資、就職といった各行動に与える影響を分析すると、「イシュー対応」「安定・透明性」「技術」の3項目が全ての行動で共通して上位となった。投資や就職では「フロンティアスピリット」も重要視されている。また、行動ごとに個別の魅力要素として、購入では「ニーズ開発」、就職では「ダイバーシティ」が挙がった。
行動ごとに効果的な情報源が異なる
企業の魅力を感じて行動した際に影響を受けた情報源を分析すると、購入行動では「リアル」な接点(商品・サービス購入や社員・店員との交流など)が特に有効だった。投資行動では「メディアの番組や記事」が有効であり、就職行動では「オウンドメディア」や「ソーシャルメディア」が強く影響していた。
業界ごとに異なる「魅力」の特徴
業界ごとの魅力要素分析では、「鉄鋼・重機」「国産自動車・二輪車」など9業界で「人的魅力」が、「外食」「コンテンツビジネス&プラットフォーム・サービス」など6業界で「商品的魅力」がトップとなった。また、「安定・透明性」が金融などインフラ業界で重視される一方、「コストパフォーマンス」「安全・安心」なども業界ごとに特徴が見られた。
調査概要
調査対象:全国の20~69歳の男女1万名

調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年6月20日~7月8日
調査企業:20業界200社(以下画像)
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