デジタル化時代を勝ち抜くポイントは顧客と常につなった上で付加価値を提供すること
今や「デジタル化」とは、さまざまな業種、業態がテクノロジーを活用して、まったく別の分野に参入し、新しい付加価値を提供することを意味する。そんな混沌とした中、先行企業との差を縮めるために何が必要なのか。
この問いに対し、馬場氏は「勝ちの条件とは、顧客と常につながる環境を構築することです」と説明する。これまでは、生産/製造から顧客まで、それぞれの分野を得意とする企業でバリューチェーンが組まれていた。このバリューチェーンをスキップするのが、テクノロジーの力だ。
たとえば、コーヒーマシンのネスプレッソを提供するネスレは、日本市場をモデルケースとして新たに「ネスレ ウェルネス」という健康サービスを開始した。これは、コーヒーカプセルではなく健康飲料カプセルが届くサービスで、飲んだ後の体調変化に加え、普段の食生活や体重などのヘルスデータをネスレに送信し、より調子に合ったカプセルのレコメンドを受けて健康寿命を延ばすというもの。
馬場氏は「まずコーヒーで顧客とのダイレクトルートを作り、その上に“健康”という新たな付加価値を提供する。『エンドユーザーを握った者勝ち』で、デジタルで顧客とつながり、そこでどのような付加価値を提供するかという、デザイン思考が問われているのです」と語り、デジタル化時代を勝ち抜くポイントを明らかにした。
デジタル変革の5つのパターン
続いて登場したSAPジャパン SAP Hybris ソリューション事業本部 ソリューション エンジニアリング ディレクター 阿部匠氏は、馬場氏が明らかにした「Beyond Digitalization」をさらに深掘りする。
阿部氏は「デジタル化とは、マーケティングが便利になったり、お客様とつながったりという側面のほか、もっと大きな意味があります。それは、ビジネスモデルを変える/破壊するということで、つまりは業界を破壊する、またはビジネスモデル自体が変化することです」と語り、その変化には次の5つのパターンがあると紹介した。
- エコシステムを構築して戦う
- 資産の共有コミュニティによる新ビジネスモデル
- 商品・サービスのデジタル化
- ITビジネス基盤確立による新たな顧客接点の創造-
- 成果に基づくビジネス
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