テスティーは、 同社のスマートフォンアンケートアプリ「TesTee」ユーザーの10代、20代前半の男女を対象に、VRとARに関する調査を実施した。
言葉としての認知率はVRがARに勝った。ARの認知率は3割程度にとどまったが、2人に1人は体験したことがあると回答した。VR体験者の約5割はお金を払って体験していた一方、AR体験者の約9割は無課金であることも判明した。若者の間ではVRへの注目度が高く、VR体験者の3人に1人がお金をかけてでもVRを再び体験したいと思っていることがわかった。
認知率は「VR」に軍配
まず、仮想現実を意味する「VR」と拡張現実を指す「AR」を言葉として知っているかどうかについて調査した。VRについては、10代の64.9%、20代前半の65.5%が「知っている」と回答。VR元年と呼ばれた昨年1年間で多くのメディアに取り上げられたこと、体験できる施設が続々とオープンしていることなどの理由から認知が広まったと考えられる。しかし、VRを体験したことがある人は10代、20代前半ともに22.6%にとどまり、実際の体験者はまだまだ少ないこともうかがえる。
一方、ARについては10代、20代前半ともに「知っている」と回答した人が3割程度にとどまった。にもかかわらず、AR技術を活用したスマホアプリを例に出しながらAR体験の有無について調査すると、10代の49.8%、20代前半の49.7%とおよそ5割の若年層が体験したことがあるとの回答が得られた。ARを体験した具体名として挙がったアプリは「ポケモンGO」が最も多く、10代で48.8%、 20代前半で72.4%となった。次いで10代の24.2%、20代前半の8.6%が「SNOW」と回答した。若年層の間ではARという言葉の認知は高くないものの、ARそれ自体は使われていることが浮き彫りになった。
VR体験者の約5割はお金を払って体験。AR体験者の約9割は無課金
続いて、VRとARそれぞれの体験者を対象に、体験に際してお金を払ったかについて調査した。その結果、VRについては10代、20代前半ともにおよそ5割の人が「お金を払って体験」しており、一方ARについては10代、20代前半ともにおよそ9割の人が「お金を払わず体験」していることが判明した。スマホアプリによってARを体験した人が多いことから、実質上、ARへの課金はスマホアプリへの課金を意味する。若年層はARにお金をかけることに消極的だともいえるが、そもそもAR技術を搭載したスマホアプリはそもそも無料で楽しめるものが多いという解釈もありうる。
VR体験者の3人に1人、「お金をかけてでもVRを再び体験したい」
VRおよびARについて、各々の体験者と未体験者を対象に今後の体験意向を調査したところ、ARにおいては、AR体験者のうち10代の61.8%、20代前半の65.5%が「無料であれば体験したい」と回答。「お金を払ってでもやりたい」と回答した人は1割程度となった。AR未体験者にいたっては、10代の71.5%、 20代の63.9%が「体験したいと思わない」と回答した。ARは比較的身近に体験することができるにも関わらず、体験したいという意向が弱いことがわかった。
VRにおいては、 VR体験者のうち10代の36.8%、 20代前半の30.1%が「お金を払ってでも体験したい」と回答。VR未体験者のうち10代、20代前半ともに約7割の人が「体験したい」と意欲を見せた。これらの結果をふまえると、今の若年層の興味・関心はARよりもVRに向いているということができそうだ。
【調査概要】
調査主体:テスティー
調査方法:スマートフォンアンケートアプリ「TesTee」を使ったインターネットリサーチ
調査対象:10代、20代前半の男女(TesTee登録会員)
割付方法:10代男女504サンプル、20代前半男女501サンプル 合計1,005サンプル
調査期間:2017年3月13日(月)15:00~20:00
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