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予算・規模は関係ない!デジタルマーケティング成功事例に共通するポイントは?【おすすめ書籍】

2017/09/06 13:00

 本記事では、編集部からおすすめの書籍を紹介します。今回は、MUJI passportや宇宙兄弟のOfficial Webなど、企業のブランディングから新市場開拓まで多岐にわたるデジタルマーケティングの成功事例を解説した1冊をご紹介します。

大中小と企業規模問わず全てのマーケターにおすすめ

 今回紹介する書籍は『挑戦者たちに学ぶデジタルマーケティング~ブランディング・地域活性から新市場開拓まで「洞察とアイデア」で課題解決した32の事例』です。

『挑戦者たちに学ぶデジタルマーケティング ブランディング・地域活性から新市場開拓まで「洞察とアイデア」で課題解決した32の事例』監修者 廣部嘉祥氏 2,400円+税 パイインターナショナル社

『挑戦者たちに学ぶデジタルマーケティング~ブランディング・地域活性から新市場開拓まで
「洞察とアイデア」で課題解決した32の事例』
監修者 廣部嘉祥氏 2,400円+税 パイインターナショナル社

 本書の監修者は、廣部嘉祥氏。同氏はデジタルエージェンシーのPRコンサルタントとして、カンヌライオンズなどで受賞した複数のデジタル施策のに携わった経験があります。そして同書では、廣部氏がこれまで見てきた数々のデジタル施策の中から32社の実例をフレームワークに落とし込んで、紹介されています。

 同書が最初に呈しているのが「スモールチームこそがデジタルマーケティングの恩恵を受けるべき」であるということ。予算規模の大小を問わず、新規企業やベンチャー、大企業など企業の規模も関係なく、主体的にデジタル施策に取り組んだ企業や担当者が取り上げられています。

「デジタルマーケティング」が目的になっていませんか?

 では、予算・企業などの規模がバラバラな施策に共通していたものは何か。それは「デジタルシフト」「スマホシフト」といった時代の変化に即して、企業の価値提供を追求した先にデジタルマーケティングがあった点にあります。今やデジタルマーケティングに取り組むことが目的になってしまっているケースも少なくないのではないでしょうか。

 同書では、はじめの章でデジタルマーケティングに関する基礎知識を解説。今日までのデジタルの発展を振り返り、それによって生活者と企業にどのような変化が起きたのかを再度確認することで、デジタルマーケティングの本当の価値を理解することができます。

 次に同書の目玉であるデジタルマーケティングの施策事例の紹介においては、フレームワークに基づいてこれを解説。このフレームワークを同書では「課題」「ユーザーインサイト」「戦略」「戦術」「成果」の5つに設定しています。

 さらにデジタル時代のマーケティングの要点を「顧客をつなぐコミュニティ形成」「買い物を幸せにするストーリー訴求」「顧客の本音に耳を傾けるデータ活用」「タイミングを逃さないリアルタイム対応」「一連のマーケティング活動がパッケージになったサービス化」の5つに分けて、それぞれの要点において優秀な施策事例を紹介してます。

宇宙兄弟、大ヒットの裏側にあった施策事例

 同書で紹介されている32の事例の中で、筆者の印象に残った事例は「宇宙兄弟 Official Web by コルク」でした。

 コルクは、漫画家・小説家・エンジニアなどクリエイターのエージェンシー。作家と読者が直接つながれるサイトをオープンし、デジタルを活用してその関係性を構築しています。

 実は出版業界では、作家が自分のサイトを持つことが許されていません。作家の遠藤周作に心酔していたコルク代表の佐渡島氏が「本は人の心に深く突き刺さるもの」という想いを強く抱いており、そこから「ファンは作品だけでなく、顔の見える関係で作家とつながりたいはずだ」と推測して生まれたのがコルクの事例です。つまり、この事例でのユーザーインサイトは、企画立案者の強烈な想いや推測ということになります。

 戦略としては、ファン同士やファンと作家の距離が近いコミュニティを形成。そのコミュニティを活用して、読者にとって身近な立ち位置でインタラクティブなコミュニケーションを図る戦術で、非常に密接なコミュニティの形成に成功しています。

 具体的には、アンケート回答の回答率20%という驚異的な数字をたたき出し、その結果に基づいて販売したグッズも即日完売。メルマガの登録者数は約20,000人、LINEの友だち数は約160,000人という成果が出た成功事例です。

 本書の特徴は、「課題」「ユーザーインサイト」「戦略」「戦術」「成果」の5つフレームワークに落とし込んで施策が解説されているため、事例の当事者の思考をたどりながら読み進められる点にあります。なぜ今デジタルマーケティングが必要なのか。デジタルを手段として使いこなすためにも、同書とともに原点に立ち戻ってはいかがでしょうか?

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