SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第99号(2024年3月号)
特集「人と組織を強くするマーケターのリスキリング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

成功事例から学ぶ!コミュニティマーケティングの秘訣

自走化して日本組織までできちゃった!アマゾン ウェブ サービスのコミュニティ運営事例


 コミュニティマーケティングで成果をあげている企業へ取材し、成功の秘訣に迫る本連載。今回は、Amazon Web Serviceの事例を紹介します。全国で70以上もの勉強会があり、Japan Amazon Web Serviceとして完全に自走・組織化されているコミュニティの実態に迫りました。

コミュニティが全国展開に至るまで

 アマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)とは、Amazon Web Services,Inc.(以下、AWS社)により提供されているクラウドコンピューティングサービス。同サービスに関する勉強会が全国になんと70以上もあり、AWS User Group -Japan (以下、JAWS-UG)として組織化されています。

 たとえば新商品を出した時や既存商品がアップデートされた際は、全国に広がった勉強会のメンバーがどんどんそれを理解して広めてくれる。まさにコミュニティが自走している好例です。

松澤:コミュニティの運営はマーケティングとして成果をあげるレベルに成長するまで時間がかかりますし、社内の情報やデータの共有などクリアすべき課題も多くあります。Amazonは特に情報やデータの管理に厳しいイメージがありますが、グループ会社であるAWS社はコミュニティマーケティングについて理解があったのでしょうか。

石橋:Amazonはコミュニティやユーザーの声を大事にしている会社です。ですから、ユーザーの要望に応えるため開発のスピードが早い。特にAWS社は、コミュニティへの理解がとてもあります。むしろ長期的視野に立ったユーザーコミュニティへの取り組みは、グローバルでも重要視されているんです

松澤:グローバルで取り組まれていると、説得の手間が省けるので、展開が早いですよね。全国にJAWS-UGが組織化するまでの道のりを教えていただけますか。

石橋:小島英揮氏がAWSのマーケティングを統括していた時に、彼や当時のエバンジェリストが全国に散らばっていたAWSファンを訪ねて、ファン同士をつないだのが始まりです。2010年当時はクラウドサービスの認知度は低かったのですが、既にAWSの書籍を執筆しているエンジニアや、草の根的な勉強会を主催する方々はいました。

 彼らを横に紹介し続けていき、オンライン会議などをしていくうちに、小島氏が思い描いていた「全国規模でつながるユーザーグループ」のコンセプトが受け入れられ、どんどんJAWS-UGとして組織化し始めたのです。

※エバンジェリスト:IT業界で新テクノロジーをユーザーに向けてわかりやすく解説し、啓蒙する伝道師

巨大ネットワークの形成、何かコツはあるの?

JAWSサミットの様子
JAWS-UGサミットの様子

松澤:基本的にどのコミュニティにも共通することですが、アーリーステージの人々は熱量が高く、コミュニティを広めることに価値を感じてくださいます。AWSのクラウドサービスがまだ広まっていない段階で、感度の高い一部のメンバーを最初に獲得できたという点も、成功の要因かもしれませんね。

 ただ、勉強会のコミュニティが全国70以上もの巨大なネットワークになるまでにも、コミュニティ運営のコツがたくさん詰まっていると思います。今も石橋さんが継続しているコツなどはありますか?

石橋:AWS-UGが巨大化できたのは、メンバーの努力はもちろんですが、各地で開催される勉強会や懇親会にAWS社の社員が参加し、滑油的な役割を担っていたことが大きな要因の一つです。

 初期段階も今も全国行脚して、実際に会いにいくことを大事にしています。というのも、オンラインでのコミュニケーションだけでは、メンバーのことを深く理解できません。オフラインの勉強会へ参加することによって初めて、メンバーのことをしっかりと知ることができます。

 我々は、コミュニティにとってAWS社が「なんでも相談できる」存在になることを目指しています。人が集まる場を作っている限り、さまざまな問題やネガティブな悩みが出てくることもある。しかしその反面、他の団体との連携や、こんなイベントをやりたいというポジティブな要望も出てきます。コミュニティを理解し、即時に対応することで、彼らの活動がストップせず円滑に続くよう気にかけていますね。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
コミュニティに不可欠なリーダーの見つけ方

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
成功事例から学ぶ!コミュニティマーケティングの秘訣連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

松澤 亜美(マツザワ アミ)

 コミュニティマーケティングを専門とするコンサルタント。2014年より、Pinterest Japan3人目の社員としてコミュニティマーケティングマネージャーを務める。その後2016年10月からadidas Japanでブランドマネージャーを務めたあと独立。現在は企業や個人に対し、自走するコミュニティの企画運営、活性化をメインに、コンサルタントとして活動している。 また、2008年に異文化理解コミュニティLunch Tripの共同代表としてコミュニティを立ち上げて以来、国内4拠点や海外、保育園などで活動を拡大し続けている。その他、トラベルブロガーとして世界45カ国以上旅しながら各誌コラムを掲載したり、J-waveでトレンドコーナーを担当したこともある。 配信ブログ:「Ami-Go!旅と食とピクニックと。」 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2017/11/01 11:29 https://markezine.jp/article/detail/27244

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング