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成功事例から学ぶ!コミュニティマーケティングの秘訣

継続は力なりを体現!六本木ヒルズが早朝8時からのオフラインイベントを7年間実施した結果

 成功するコミュニティーマーケティングのコツをお届けする本連載。今回は、森ビルが運営する「六本木ヒルズ」におけるオフラインイベント「Hills Breakfast」を紹介します。

リーマンショックの影響を払拭して街を元気にしたい……!

【Hills Breakfast powered by Pechakuchaとは】
 森ビルが運営する「六本木ヒルズ」にて月1回、朝の8時から9時に開催されるオフラインイベント。参加料は500円。当初は六本木ヒルズのオフィスワーカー向けに始まったイベントだったが、今では外部からも多数の人が参加する人気イベントになっている。
 イベントを通して形成されたコミュニティから、別のコミュニティが派生するなど自走化に成功しており、7年間かけて蓄積したイベントの継続性が六本木ヒルズのブランド価値にもつながっている。

松澤:Hills Breakfast」はスタートしてから7年経った今でも、毎回100人以上の参加者が集まっています。今回は、オフラインイベントのコミュニティ運営のコツについて、森ビル株式会社 都市政策企画室リーダーの佐藤麻紀子さんと同社 タウンマネジメント事業部の中裕樹さんにお話を聞きます。

 初めに、「Hills Breakfast」立ち上げのきっかけについて教えてください。

佐藤:六本木ヒルズは少し特殊な場所で、コンパクトなひとつの“街”であると考えています。ここには2万人のオフィスワーカーもいれば、ショッピングを楽しむ人も、ホテルの宿泊者も、さらには居住者もいる。このイベントを立ち上げた2010年当時、日本はリーマンショックから経済的に復調できていませんでした。街にいる多様な人々を見ていて、活気のなさをひしひしと感じていたんです。

 六本木ヒルズのコンセプトは「オープンマインド」「アイデアの生まれる街」街の価値を維持向上するために、オフィスワーカーの士気をあげてテナント企業を元気にしようと、「Hills Breakfast」を立ち上げました

なぜ早朝8時からイベントをやろうと思ったのか

松澤:今でこそ「朝活」が流行していますが、当時はそういった活動もあまりなかったと思います。朝に開催することに決めたのは、なぜですか?

佐藤:先述したように、六本木ヒルズはアイデアの生まれる街であることをミッションにしています。そこで、人を通して“知”の交流を生み出し、オフィスワーカーの刺激になるような場を作ろうと思いました。朝に開催するのは、仕事を始める前に脳が活性化してポジティブに仕事に取り組めるような刺激を与えたいと考えたからです。

松澤:事業として、街のコンセプトを伝えるための企画だったんですね。

佐藤:はい。また、オフィスワーカーは六本木ヒルズにとって重要なステークホルダーです。このイベントの目的は街のブランドイメージを再構築することなので、単純に外部から集客する活性化事業とは異なります当初、ここまで続く長寿イベントになるとは想定していなくて、数回の期間限定の予定でした。 ですが想像以上にオーディエンスというコミュニティが育ち、六本木ヒルズの「財産」となったのです。

イベントのテーマは多岐に渡る
登壇者により、セッションのテーマは多岐に渡る

松澤:登壇者を選ぶ基準はありますか?

佐藤:オフィスワーカーに刺激を与えられるようなジャンルの第一線で活躍している人や、道を切り開いている人、これから切り開こうとしている人、そして六本木ヒルズらしい人を選んでいます。六本木ヒルズらしい人と言ってもピンとこないかもしれませんが、我々の中で理想とするイメージがあるんですよね。

 最初は特に、登壇者の選出に注力しました。オーディエンスが登壇者に抱くイメージは、六本木ヒルズのイメージと重なると考えたからです。そのため既に著名な登壇者も登場しますが、逆のパターンもあって、登壇者がイベントの後にブレイクすることもあります。そうした人が出てくると、参加者の印象に残り、また刺激にもなるようです。

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この記事の著者

松澤 亜美(マツザワ アミ)

 コミュニティマーケティングを専門とするコンサルタント。2014年より、Pinterest Japan3人目の社員としてコミュニティマーケティングマネージャーを務める。その後2016年10月からadidas Japanでブランドマネージャーを務めたあと独立。現在は企業や個人に対し、自走するコミュニティの企画運営、活性化をメインに、コンサルタントとして活動している。 また、2008年に異文化理解コミュニティLunch Tripの共同代表としてコミュニティを立ち上げて以来、国内4拠点や海外、保育園などで活動を拡大し続けている。その他、トラベルブロガーとして世界45カ国以上旅しながら各誌コラムを掲載したり、J-waveでトレンドコーナーを担当したこともある。 配信ブログ:「Ami-Go!旅と食とピクニックと。」 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/12/11 09:00 https://markezine.jp/article/detail/27447

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