アプリ市場データを提供するApp Annieは、小売アプリ市場の現状を分析した調査レポート『小売アプリにおけるデータ活用』を公開した。
小売アプリ最新MAUランキング
App Annieは今回の調査で、2017年上半期の日本における小売アプリのMAUランキングを作成。その結果、デジタルファースト型の第1位は「Amazon」、実店舗・オンライン併用型の第1位は「GU」という結果になった。
また、実店舗・オンライン併用型アプリのランキングを見てみると、すべての上位アプリにはクーポン機能が付いており、各企業がクーポンをフックに購入者の拡大にうまくつなげていることがわかる。
日本の小売アプリの評価、実店舗有無で大きな差
デジタルファースト型の上位アプリと実店舗・オンライン併用型の上位アプリに対する評価の平均を比較すると、デジタルファースト型は「星4.3」の評価が付いているのに対し、実店舗・オンライン併用型は「星3.6」と大きな差はなく、実店舗・オンライン併用型が評価向上のために努力していることがうかがえる。
しかし日本においては大きな差が見られ、デジタルファースト型は「星4.2」に対し、実店舗・オンライン併用型は「星1.4」と、半数以下の評価しか得られていなかった。
デジタルファースト型はセッション数も安定して成長
ユーザー1人あたりの平均月間セッション数を見てみると、実店舗・オンライン併用型のアプリは、2017年上半期、デジタルファースト型のアプリを大きく下回った。加えて、2017年上半期のユーザー1人あたりの月間セッション数を比較すると、実店舗・オンライン併用型とデジタルファースト型のどちらも、調査対象国の中で韓国が1位だった。韓国は前年比で、実店舗・オンライン併用型が15%増、デジタルファースト型が20%増となっている。
どちらの小売アプリも堅調な伸びだったにもかかわらず、2017年上半期のユーザー1人あたりの月間セッション数を比較すると、デジタルファースト型が実店舗・オンライン併用型の2倍以上となっていた。
また日本は、デジタルファースト型は韓国に次ぐ2位でありながら、実店舗・オンライン併用型では第6位と、大きな開きがあった。そして7ヵ国中日本が唯一、実店舗・オンライン併用型のセッション数が2016年から2017年にかけて下がっている。
DL数が前年比20%増、伸びる月間利用時間
2017年上半期の小売アプリのダウンロード数を調べたところ、前年比で20%増加していた。
また調査によって、ダウンロード数の増加にともない、ユーザー1人あたりの月間利用時間も長くなりつつあることもわかった。主な地域の「小売」カテゴリーアプリを平均的に使用するユーザーは、2017年上半期に1人あたり1ヵ月に2本から4本の小売アプリを利用。全カテゴリーの1ヵ月平均利用本数は約30本なので、一定の割合を「小売」カテゴリーが占めている。
小売アプリの1人あたりの月間利用時間は、首位が韓国で、2位がインドネシア、3位にインド、4位が日本、とアジア太平洋地域(APAC)の国々が続く結果となった。
【関連記事】
・Adjust、平均値ではなく個別ユーザー単位の獲得コストを可視化するAPI発表 InMobi等と連携
・NTTデータとキングレコード、アニソンフィットネスアプリで健康×エンタメ実証実験
・「LINE Ads Platform」、アプリDL数1,700万超の「LINEマンガ」へ配信可能に
・ニュースアプリ「SmartNews」、日米合算で2,500万ダウンロードを突破
・ニールセン、YouTubeのモバイルアプリ広告のリーチ計測を日本で開始 クロスデバイス測定を強化