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電通デジタルが提唱する、マーコムの新しい選択肢「ブランドエコシステム」

3つのPとC

 プランAのマスメディアを中心としたブランドキャンペーンが狩猟のように出向いて狩るようなスタイルであることに対し、プランBのブランドエコシステムは、罠をはって迎え入れるような形だ。そのため、場所・空間の設定というものが非常に強く影響する。

 情報を拡散しながら課題を解決してくマーケティングコミュニケーションとなると、つい「バズ」ありきの「コンテンツ」に目がいきがちだが、並行して、あるいはそれ以前に「環境ストラクチャー」についても考えなくてはならない。

 深田氏は、環境ストラクチャーの3つの肝となるものを「3つのP」、循環コンテンツの肝となるものを「3つのC」として整理している。「3つのP」とは、「Player」「Platform」「PDCA system」のこと。「3つのC」は、「Context」「Connectivity」「Cooperativity」のことだ。

 エコシステムの上で主体を担う人々が「Player」。彼らが活動し、つながる場となる「Platform」。情報の拡散と循環を把握するための「PDCA system」。これが3つのP。そして、3つのCのほうは、ブランド価値を伝え、狙った層に態度変容を実現し続ける「Context」。投下されたコンテンツがターゲットに受け入れられ、参加などの狙った行動につなげるための「Connectivity」。PDCAサイクルにおいて参加意欲を刺激し、ダイナミズムを最大化する「Cooperativity」という内容だ。

環境ストラクチャーの3Pと循環コンテンツの3C
環境ストラクチャーの3Pと循環コンテンツの3C

 具体的な事象で考えみよう。デレク・シヴァーズ氏による『社会運動はどうやって起こすか』(TED)という有名な短い動画がある。一人目の“変わり者”が、あるムーブメントを起こしたとき、最初のフォロワーが重要な役割を担うということをフェスの会場を舞台に示唆したものだ。


 このシチュエーションに3つのPとCを当てはめてみる。まず、演奏というコンテンツに“踊れる”という「Context」を持たせることでオーディエンスを“踊り手”として「Player」化することができる。“衆人環視のフェスの会場”という「Platform」が設定されており、かつ「騒いだもの勝ち」というフォローPlayerたちがゆえに“変な踊り”は「Connectivity」を持ち、輪は広がっていった。ここまでは自然に起きた流れだが、もし演者が「PDCA system」を機能させ、“セットリストを変える” という「Cooperativity」を発揮させたならば、この輪はさらに拡がり続けたかもしれない。これが、まさにブランドエコシステムの一つのプリミティブな形を表している。

ブランドエコシスム構築のための小さな一歩とは

 では、ブランドエコシステム構築のために、何からはじめていくべきだろうか。まず小さな一歩として、わかっているつもりになっているブランドも多い「顧客理解」が欠かせないだろう。次にその周辺の環境も明確にして、さらには現段階における構造も理解するべきだ。

 「それぞれの階層にいるのはどんな人で、何にお金を払うのかを明確にするのが顧客理解です。たとえば商品が水だとして、その人によって、のどの渇きにお金を払うのか、リラックスした時間に払うのか、理由は違うはず。セグメントごとのペルソナやモチベーションを確認します。さらに、エコシステムは人の口コミだけでできているわけではないので、様々なメディアと人との関係性を把握する必要があります。それは純粋な接点や、アセットごとのブランド効果、購買への影響など。最終的には、アズ・イズのカスタマージャーニーの把握にもつながります」(深田氏)

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顧客・環境理解のために

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この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター
出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2017/11/06 10:00 https://markezine.jp/article/detail/27253

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