SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

MarkeZine Day 2017 Autumn(AD)

電通デジタルが提唱する、マーコムの新しい選択肢「ブランドエコシステム」

 消費者主導の時代。モノの売れ方が変わり、マーケティングコミュニケーションの変革が迫られている。マスメディア中心のブランドキャンペーンを「プランA」とした場合、デジタル時代のマーケティングに求められる新たな選択肢は「プランB=顧客を中心としたブランドエコシステム」であると電通デジタルの深田欧介氏は解く。MarkeZine Day 2017 Autumnの講演レポートをお届けする。

記憶より記録、脳内から手の平の上へ

 20年以上、商品開発からブランディングまでマーケティングコミュニケーションに携わってきた電通デジタルの深田欧介氏。デジタル時代のマーケティングには、これまでとは異なる新しい選択肢が必要ではないかと語る。マスメディアを中心としたブランドキャンペーン「プランA」とは別のもう一つの選択肢「プランB」だ。その中身について詳述する前に、前提である背景について触れておこう。

電通デジタル マーケティングコミュニケーション第1事業部長 プランニングディレクター 深田 欧介氏
電通デジタル マーケティングコミュニケーション第1事業部長 プランニングディレクター 深田 欧介氏

 深田氏によると、現在、多くの広告主が“手段の四面楚歌”に陥っているという。ソリューションベンダーは様々なツールや手法を提供し、個別に見るとどれも魅力的ではある。しかし、「売上拡大」という大きな目的と「解決手段」の間に距離があり、結局何を選べばいいのかわからないという状態にあるというわけだ。そこで、手段レベルではなく、具体的なアウトプットレベルでゴール像を設定しておく必要性が生じる。

 生活者は商品を買っているというより、その商品に対する脳内での自分の理解に対して対価を払っているのだ。そのため、商品に対するイメージを蓄積していくブランディングが重視されてきた。たとえば、差別化の難しいミネラルウォーターのような製品でも、ブランディングによって売上は大きく違ってくる。そして、ブランディングに大きな影響を与えてきたのが、マス広告だ。

 しかし、明らかにモノの売れ方が変わってきた。スマートフォンやソーシャルメディアの普及により、人は購買前にまず検索するというスタイルが当たり前になった。マス広告により脳内に蓄積されたイメージよりも、ネット上に魚拓化された情報のほうが大きな影響を与えるというわけだ。記憶より記録、脳内より手の平の上での情報が意味を持つとも言えよう。

 マスメディアが不要になるというわけではない。「プランA」というマスを中心としたブランドキャンペーンとは別の選択肢、顧客を中心としたブランドエコシステムである「プランB」も検討すべき時代なのだ。

ブランドエコシスムとは

 では、プランBである顧客中心のブランドエコシスムとはどういったもののことだろうか。深田氏によると、「概念的には、生態系の循環システムのようももの。太陽エネルギーのような役割をブランド活動が担うことで、顧客中心の情報発信から消費までの循環を作り出すのがそのゴール像」とのことだ。

 その目標は、サステイナブルな売上拡大を目的に、既存顧客との絆を起点に新規顧客を誘引すること。コンテンツアイデアを循環させることで、タンジブルなブランド資産を生み出していく活動ということになる。

プランAとプランBの定義の比較
プランAとプランBの定義の比較

 「ブランドキャンペーン思考は外から中に招き入れることに力点を置くわけですが、ブランドエコシステム思考ではユーザーとの関係性を起点に、そこから情報を広げていくことに注力します。まず、店舗や商品、コールセンターといった広い意味でのオウンドメディアを関係性づくりの起点として機能させてことが重要。そして、顧客アカウントといった評判を獲得するアーンドメディアに作用させ、アンバサダーや自社の他ブランドなどシェアードメディアで広げていくといった戦い方になります」(深田氏)

 ブランドエコシスムの利点は、これまでのただ認知拡大を目的としたキャンペーンよりも、予算的に効率的なこと。また、資産とし蓄積されていくため、継続に比例してマーケティングの効率が上がっていく。名実ともに、フローからストックへの転換となる。

次のページ
3つのPとC

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
MarkeZine Day 2017 Autumn連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター
出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2017/11/06 10:00 https://markezine.jp/article/detail/27253

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング