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キリン、JTBが語る「位置情報活用の現状」 マーケティング戦略における役割とは

2017/12/13 09:00

 大きな期待が持たれながらも、なかなか成功の糸口が見出されていない位置情報の活用。マーケティングへの活用も広告ターゲティングにとどまってしまっているような状況にあるが、技術の高度化が進み、より精密なデータが取れるようになっていたり、導入コストが下がっていたりと、本腰を入れて取り組むタイミングが到来しているようだ。「MarkeZine Day 2017 Autumn」では、この「位置情報の活用」をテーマに、キリンの松岡貴英氏とJTB国内旅行企画の舟久保徹氏が登壇。それぞれの位置情報活用の現状を語り合った。モデレーターはMarkeZine編集部の道上飛翔が務めた。

高度化する位置情報技術、活用の幅を広げるには?

道上:位置情報が生活に密着してきている実感が皆さんの中にもあるかと思います。GPSに限らず、LINE Beaconなど、様々なベンダーによる位置情報を使ったサービスも増えてきており、その精度も高くなっています。

 ただ活用に関して、まだ広告のターゲティング活用程度にとどまってしまっているような状況に思えます。今回のセッションでは、広告配信での活用はもちろん、位置情報の広い活用について考えていきます。それでははじめに、お2人の自己紹介をお願いできますか。

右から、JTB国内旅行企画 仕入商品本部 商品企画部 商品戦略室 マネージャー 舟久保徹氏
キリン株式会社 デジタルマーケティング部 主務 松岡貴英氏
MarkeZine編集部 道上飛翔

松岡:私は2015年よりキリンのデジタルマーケティング部に在籍しています。現在は「午後の紅茶」「FIRE」などのキリンビバレッジ商品を中心に、ブランドコミュニケーションやプロモーション、データ活用、新規事業などに携わっている状況です。

舟久保:JTB国内旅行企画で、JTBの国内旅行商品の新商品開発・流通開発を担当しています。当社は、2014年にJTBの国内旅行商品のメーカー機能を担う会社として設立したのですが、2018年4月にJTBグループが組織再編されることになり、現在は新体制に向けて実務にあたっています。

 新たな経営体制で私たちが掲げるのが“Beyond Imagination”のワードです。「デジタルテクノロジー×ヒューマンタッチ」の融合でお客様に新たな価値を提供することをグループとして目指しています。

オフラインへの貢献度を可視化する、JTBの活用例

道上:早速ですが、現状で位置情報をどの程度活用されているのか教えてください。

舟久保:デジタル化のさらなる推進の手段として、位置情報の活用を行っています。デジタル化を進めるようになったのは、旅行業を取り巻く環境変化が背景にあります。オンライントラベルエージェントのようなテクノロジーを駆使する異業種との熾烈な戦いに加え、お客様のデジタルシフトも日々進んでいます。

 一方で当社では、お客様との関係構築に旅行パンフレットをはじめ紙を主体としたアナログな手法を取るのが主流で、売上の構成も大半がリアル(店舗)という状態で、デジタル化がなかなか加速していかず、マーケットとのギャップを課題と捉えていました。

 そこで、これまでできていなかったデジタル施策のオフラインへの貢献度の可視化を行うことができれば、社内のデジタルに対する関心も高まるのではと考えました。その中で、活用できそうだと目を付けたのが位置情報です。

道上:具体的には、どんな取り組みを行ったのですか。

舟久保:「場所×シチュエーション×時間軸」を掛け合わせたシナリオをいくつか設計し、店舗近隣に来たお客様で旅行に興味をお持ちの方に広告を投下しました。その後、実際の来店計測を実施し、貢献度を図りました。

 シナリオは、たとえば「都心の主要駅近郊×喫茶店で女子会×週末」のような、旅へのアンテナが高い方々が会話しているイメージができる組み合わせとなっています。

 ユーザーがJTB店舗に入ったことを位置情報として捉え、来店者数をコンバージョンとして計測したのですが、非常に高い数値が得られCPAとしても良い結果でした。さらに、新規のお客様の来訪が多く、店頭の売上比率を見ても、トライアル期間中は新規客の比率が上がっていたので、来店・売上にどの程度貢献しているのかが明らかになりました。

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