電通は、精度の高い「個人視聴推定モデル」を活用してTVCMの効果を高めるツール「KPI運用型TVCMプランナー」を開発、12月22日よりサービス提供を開始した。
同サービスは、TVCMの視聴状況に基づくデジタル広告配信・効果検証基盤「STADIA」が同社のデータ基盤People Driven DMPを介して外部とのデータパートナーシップを開始したことで実現。同社は今回のサービスを第1弾に、オフラインとオンラインのマーケティングROIの向上を支援するソリューションのラインアップを拡充していく。
同ソリューションによって、「購買行動を最大化するTVCMとデジタル広告の最適予算配分」と「実行動におけるTVCM 枠の選定と運用によりKPIを最大化」が可能になる。
「購買行動を最大化するTVCMとデジタル広告の最適予算配分」は、自主調査で得たリーチや認知の基準値をもとに行う従来のキャンペーン予算配分手法にとどまらず、個別ブランドごとにデジタル広告とTVCMの相乗効果を計量する。
これにより、オンラインおよびオフライン店舗への来店を最大化し購買に直結する最適予算配分が可能になった。同社独自の分析の結果、TVCMとデジタル広告の相乗による店舗への送客効果が明らかになっている。
「実行動におけるTVCM 枠の選定と運用によりKPIを最大化」は、性・年代に基づくターゲットへのリーチを高める従来のTVCMプランニングから、詳細な行動分析をもとにターゲットをさらに掘り下げることで、オンラインおよびオフライン店舗への来店やSNS上でのブランド情報の拡散、また特定商材の購入といった、実行動におけるKPIを最大化するTVCM広告枠の候補・選定が可能になった。
また、キャンペーン終了後に枠ごとのKPI貢献度を分析して次のプランニングに反映したり、キャンペーン期間中に高速分析を行ったりすることで、通常の素材指定スケジュールの中で最適な素材を割り付けることもできるようになった。この効果は、既に実施事例において検証済みとなっている。
今回のサービスは、大規模なテレビの視聴ログデータから個人視聴を推計するモデルを構築することで可能になった。STADIAの視聴ログデータが得られる約150万台のテレビを対象に、データアーティストと共同で2014年10月から約3年にわたり、世帯単位のデータから個人視聴を推計する「個人視聴推定モデル」の精度を高め、運用を通じて有効性を確認してきた。
このような検証に基づき、従来の性・年代のターゲットを前提とした上での、ホームページへの来訪、店舗への来店、SNSでの拡散、特定商材の購入といった行動データの深掘り分析を行うことで、顧客企業のKPIを最大化するTVCMの改善プランニングを実現する。
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