Webサイトへの新規訪問は「検索エンジン」
今までに訪問したことがないWebサイト※1に、はじめてアクセスする方法※3について確認しました。ここでは、スマートフォンとPCを使う場合に分けて質問しました(図表2)。

Webサイトへはじめて訪問する際には、スマートフォンを使った場合も、PCを使った場合も、思いついた言葉を「検索エンジン」に入力して検索する、という行動が圧倒的に多いことがわかりました。あいまいな記憶・入力でも知りたい情報にたどり着ける検索エンジンの性能の良さ、音声入力なども含めた簡便さなどが要因かもしれません。
また、スマートフォンでQRコードを読み取ってサイトに新規訪問すると回答した人は20%と、5人に1人程度です。しかし、性年代別に利用率を比較してみると、男性よりも女性のほうがやや高く、高年齢層にも一定量の利用者が存在しています。男性は女性よりも、“セルフィー”や“インスタ映え”といったブームから心理的距離がやや遠いことから、「スマホのカメラへの関与」そのものが低いのかもしれません。
また、Webサイトにはじめて訪問する際に、30代以下の女性は“PC”を使わない比率が相対的に高いことにも注目です。若い女性の間で、「PC」離れが加速している可能性が見て取れます。
「続きはWebで」の効果は限定的?
クロスメディアの1つ、テレビCMなどで見かける「続きはWebで」の効果を確認しました(図表3)。

実際に「続きはWebで」というテレビCMなどを目にしてからWebへ訪問したことがある人は23%、今後訪問する可能性がある人は、全体で40%(14%+26%)となっています。性年代別で見ると、現時点では男性のほうが女性よりも「続きはWebで」を経験している人がやや多いようです。ただし男女ともに、10代、20代の「続きはWebで」経験者の多くが「今後は利用しない=見に行かない」としており、他の年代よりもその比率は明らかに高くなっています。なぜWebを見に行かないのか、自由記述質問で確認したところ、「手間がかかる割に、期待したほどではなかったから」、「登録や課金を求められるようなことがあり、面倒だから」などの経験が複数名から挙げられました。
「Web系メディア」では動画コンテンツに勢い
各メディアについてこの1年の活用度の変化を確認すると、雑誌やテレビに代表される従来型メディアを活用する機会は、少なくとも消費者のマインドの中では減っていることがわかりました。ただし、その減少分をネット系メディアが埋め合わせているかというと、必ずしもそうではないようです。1年前よりも活用度が増えているのは「SNSの投稿」と「動画コンテンツ」であり、ネット系メディアであっても「SNS上の広告」や「バナー広告」など、これから活用度が減少に転じそうなものもあります※4(図表4)。

今回の調査結果から、従来型メディア(特にテレビ)は消費者のマインドシェアは減少傾向であったとしても、Webへ誘導する媒体としてのプレゼンスは依然として高いこと、「QRコード」や「続きはWebで」といった誘導施策は現時点では限定的な利用に留まっていることがわかりました。Webページにアクセスする方法はなるべくシンプルでわかりやすいことを求め、面倒や手間を避ける傾向も明確です。
今後普及が進んでいくであろうスマートスピーカー、いよいよ何かが起きそうなNFCタグなど、新しい技術やサービスの登場がメディア周辺の消費者マインド・行動をどのように変えていくのか、継続的に確認していくことの重要度が高まっています。
※1 ブックマークやお気に入り等からのアクセスは除く
※2 各メディアへの接触がきっかけで、Webサイトへ新規で訪問することが「よくある」「たまにある」と回答した人の合計の割合
※3 ハイパーリンクによるアクセスは除く
※4 ここでは、「利用」ではなく「活用」として聞いている
■調査概要
調査主体:マクロミル、翔泳社(共同調査)
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:全国15~59歳の男女(マクロミルモニタ会員)
割付方法:平成27年国勢調査による性別×年代(5歳刻み)の人口動態割付(合計1,000サンプル)
調査期間:2017年12月25日(月)~2017年12月26日(火)
・本文の数値は四捨五入した整数で表記。
・百分率表示は四捨五入の丸め計算を行っており、合計が100%とならない場合がある。
▼調査レポート
『Webサイトへのアクセス方法は?クロスメディアやWebサイトへの送客に関する調査』(HoNote)