基調講演では「ネット広告の世界潮流」と題して、米ダブルクリック株式会社の最高営業・マーケティング責任者マリアンヌ・カポネット氏が登場。
講演の中で、全世界のネット広告予算は、2006年の300億ドル(試算)から、2010年には600億ドルを超えるだろうと予測。世界的にネット環境は、日本を含むアジアが先導する形で、モバイル市場がメインに移行しつつあるとした。また、新興メディアに関しては、オンラインビデオが人気化している一方で、ポッドキャスティングはまだこれからという状態だと述べた。
今日、ネットユーザーに対しては、従来のマーケティングモデルは破綻しつつあるにもかかわらず、マーケッターはネットにごくわずかな広告予算しか割いていない、と報告。また、日本民間放送連盟(民放連)がサルのキャラクターとともにCMの価値を宣伝する「CMのCM」キャンペーンを例に取り、旧来型の広告はそれ自体を広告する必要があると指摘、ハードディスクレコーダーなどの登場により、従来型のテレビ中心モデルは攻撃を受けている、とした。
メディアは、もはや消費者がコンテンツの主導権を握っている事実を受け入れ、消費者をパートナーと考えるべきだとし、今後、伝統的なメディアとデジタルメディアの領域が超高速で重なり続けるだろう、と述べた。
マリアンヌ氏は、1996年に創業したダブルクリック社の歩みを重ね合わせ、現在のメディアとマーケティングをとりまく状況は、いわば「新世界秩序」を形成しつつあると総括。メディア、代理店、広告主に対して、クリエイティブイノベーションに注力し、デジタル戦略をマーケティングに積極的に取り入れることがカギだ、と来場者に促した。