2月28日、シックス・アパート、日本ベリサイン、野村総合研究所が発起人となり、「OpenIDファウンデーション・ジャパン(仮称)」の設立が発表された。同ファウンデーションは、米OpenID Foundationの日本支部として4月の設立を目指しており、現在、アセントネットワークス、イーコンテクスト、インフォテリア、テクノラティジャパン、ニフティ、ミクシィ、ヤフー、ライブドアの8社が参加を表明している。
ネットのサービスを利用するとき、サイトごとに個人情報を登録し、発行されたIDとパスワードを使ってログインするのはおなじみだが、複数のサイトを利用する人にとって、サイトごとにID・パスワードを使い分けるのはめんどうだという人も多いだろう。そうした状況を踏まえて登場した「OpenID」は、あるサイトで登録したIDを使って他のサイトにもログイン可能にする認証システムとそのIDを指す。全米ではすでに1万を超えるサイトがOpenIDに対応し、2億5千万件を超えるOpenID対応IDが発行されているという。
野村総合研究所の調査によれば、インターネットの利用の際に「何度かパスワードを忘れて困ったことがある」と回答した人は49.7%、「忘れたことはあるが困ったことはない」の41.7%をあわせると、9割の人がパスワードを忘れた経験があることになる。また、確実に記憶可能なID・パスワードの数については、「2~3組」が56.1%と最も多く、「4~5組」が20.8%、「1組」8.5%となっている。このOpenIDが普及すれば、ユーザー側はめんどうな複数ログインアカウントの管理から開放され、サイト運営者側は登録ユーザー以外のより多くのユーザーを獲得することができるというメリットがある。
ウェブを利用する人の数と複数サイトの利用が増えるなか、OpenIDはメリットが多いように思えるが、一方でメインとなるIDとパスワードが漏出すれば、大きなセキュリティ上のリスクがあることも否定できない。また、1月にYahoo!が全世界でOpenIDへの対応を発表し、Yahoo!のIDで他サイトの利用が可能となって注目を集めたが、Yahoo!のIDで他サイトを利用できても、他サイトのIDではまだYahoo!を利用できないことから、企業ごとの対応状況にもまだばらつきがあるようだ。
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