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MAでさらに売上を上げるために MAツール「Aimstar」の進化から見えること

 マーケティングオートメーション。その言葉が示すように、MAツールを運用する各社は「自動化」を推し進めている。2018年4月、スプリームシステムはMAツール「Aimstar」のバージョンアップを発表。機械学習によるキャンペーンの自動生成など、AIの技術を活用した「自動化」をいち早く実現した。分析やレコメンデ―ションに強みをもつ同社は、今後Aimstarをどう進化させていくのか。スプリームシステム株式会社 代表取締役 佐久間卓哉氏に話を聞いた。

高度な分析機能を搭載したBtoC向けMAツール「Aimstar」

 マーケティングオートメーション(以下、MA)ツールには、大きく分けてBtoB向けとBtoC向けがあり、それぞれ特性が異なる。ツールの種類や導入数が多いのはBtoB向けだが、今回紹介する「Aimstar」はBtoC向けのツールだ。

 BtoC向けのMAでは、購買履歴やWebアクセスログ、顧客属性などのさまざまな情報を分析してターゲット顧客の抽出を行い、適切なマーケティング施策を実施する。BtoBよりもはるかに膨大で多様な顧客に対して、それぞれの嗜好にあった施策を行うため、高度な分析機能がなによりも重要となる。

 2001年にDBマーケティングのためのソフトウェアとして開発をスタートしたAimstarは、BtoCビジネスを行う大企業を中心に実績を重ね、数百万人~数千万人という膨大な顧客のデータを扱いながら、分析やターゲット抽出、レコメンデーションの精度に力を入れてきた。そうした実績をもとに効果的なOne to Oneアプローチを実現できるのがいちばんの強みである。

 また、カバーできる領域の広さ、機能の深さも特徴のひとつだ。Aimstarは、データの統合から取り込み、データ活用、自動化にいたるまでひとつのツールで完結することができるので、川上から川下まで一気通貫でPDCAを回すことができる。顧客ごとに異なる日付を起点に集計ができたり、対話形式で生成したシナリオのA/Bテストの自動化などができるのも、ユーザーの要望をもとに機能強化を行ってきたAimstarならではだろう。MA初心者も、ひと通りの機能を使いこなす玄人をも満足させることができる機能が、Aimstarには用意されている。

スプリームシステム株式会社 代表取締役 佐久間卓哉氏
スプリームシステム株式会社 代表取締役 佐久間卓哉氏

 またMAツールのなかには、抽出できる条件を絞ることで初期費用や月額費用を安く抑え、高度な分析やターゲットの抽出機能は追加で開発を行うものもある。だが、Aimstarではあらかじめ多様な分析手法を備えているため、データを取り込むだけで始めることができるのも導入企業にとってはメリットだ。佐久間氏は、今後の方向性についてこう語る。

 「Aimstarが目指すのは、優れた店員のようにそれぞれの顧客に合ったきめ細かい対応ができるツールです。まだそのレベルとまではいきませんが、そこを目指して開発を続けています」(佐久間氏、以下同)

 そんなAimstarが現在もっとも注力しているのが、AI・機械学習の技術を活用した自動化の拡張である。MAが広く普及するなか、今後は効率的な運用ができるかだけでなく、売り上げを上げるための分析や、シナリオキャンペーンの作成までも自動化できるかどうかが重要になっていくと考えているからだ。2018年4月にリリースしたVer.8では、すでに機械学習によるキャンペーンの自動生成を実現している。

キャンペーン自動生成を実現したVer.8 コストや負荷を大幅にダウン

 2018年4月リリースのAimstar Ver.8では、機械学習によるキャンペーンの自動生成と、実施した施策の結果を学習して自動チューニングを行う機能を搭載した。昨年9月リリースのVer.7.5でも、機械学習による最適な顧客のターゲット抽出選択や、レコメンド商品の選択、キャンペーンパターンの選択をそれぞれ実現していたが、Ver.8でさらに一歩進んだ形だ。

2018年4月に発表されたAimstar Ver.8の新機能
2018年4月に発表されたAimstar Ver.8の新機能

 One to Oneのアプローチは効果が出やすいと言われている一方、策定するシナリオが複雑化することでコストが増えるというデメリットがある。だがキャンペーンの自動生成が可能になることで、そのコストや負荷を大幅に下げることができる。

 「MAを導入しようというお客様は、売上アップや業務の効率化を目指しているはずです。それなのに、シナリオ作成や効果測定で人手や工数がかかってしまうことで、逆に効率が下がり、コスト面でも損をしていることがあるように思います」

 とはいえ、企業のさまざまな都合や顧客の多様化により、シナリオはますます難解になっているのが現状だ。本当に自動化は可能なのだろうか。

 「『当たり前の施策』を自動化するというイメージです。たとえば、商品ページにランディングしたらおすすめする、商品をカートに入れたままにしていたらおすすめするといった、顧客のウェブアクセスへの速やかなリアクション。また、ユーザーが1ヵ月ごとに購入している商品であれば、購入から1か月経つ頃におすすめするといったリピートの提案、特に併売されやすい商品のクロスセル提案などです。

 優秀なリアル店舗の店員であれば実施できるであろう基本的なOne to Oneのキャンペーンをコンピュータにやってもらう。それ以外は人間が実施する。人間が設定したキャンペーンに顧客が反応した場合のアクションは自動キャンペーンに任せることができるので、シナリオ作成やその設定作業の時間を大幅に短縮することができます」

シナリオ作成を簡単にするシナリオビルダー画面
シナリオ作成を簡単にするシナリオビルダー画面

 機械学習では、キャンペーンを自動生成しながらそれに対する顧客の反応を学習し、さらに自動で調整を加えていく。基本的なキャンペーンについては、日ごとに賢くなっていくAIが、どんなキャンペーンを行えばいいかを判断して生成する。そのため運用するうえでは承認や微調整を行うだけでよく、その分メンテナンス費用も低く抑えられる。今後ますますシナリオが複雑化していくことが予想されるなか、売上アップと効率化の両方を実現できる自動化のメリットは大きいだろう。

強化学習による分析や、リアル店舗との連動を目指す

 Ver.8では機械学習による基本的なキャンペーンの自動生成を実現したが、今後はそれだけにとどまらず、AI自らが考え、売上を最大化していけるような分析機能の拡張を目指している。

 「過去のデータを学習して分析するということはこれまでもやっていましたが、施策と効果の結びつきを裏付けるデータがないことが多く、高度な自動化を精度よく行うための障壁となっています。そこで、正解との結びつきがまだ明確にわかっていないデータからも予測を行う『強化学習』をマーケティング分野に持ち込む、というチャレンジをしています。それが短期的な視点ではなく、LTVを最大化することができるような長期的なキャンペーンに繋げることができればと思っています」

 またスプリームシステムでは、リアル店舗向けにMoptar(モプター)というツールの開発・販売も行っている。センサーなどにより顧客の位置を取得し、どの売場に立ち寄ったか、どの商品に手を出したかなどの顧客の動線を分析するシステムで、量販店や百貨店、イベント会場、製造工場などに導入されている。今後はMoptarで取得した情報をAimstarと連携し、リアルとウェブを統合したレコメンドを生成するなど、オムニチャネルやマーケティング分野への対応も進めているという。

 さらには、MAの領域にとどまらない製品もリリース予定となっている。具体的には、顧客の購買や店員の接客の動線など、膨大な量のデータをリアルタイムに取り込み、事前に定義した条件に合致した場合に処理や通知を実施。それにより顧客へのレコメンド通知を行うなど、よりユーザー1人ひとりに合ったソリューションになりそうだ。

 同社には、それらの技術を支えるAIの専門家やエンジニアが揃っており、自社開発を進められることも強みだろう。

 機械学習による自動化、強化学習による分析の高度化、さらにはリアルとの連携まで、同社の開発力を活かした今後の展開にも注目したい。

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この記事の著者

松岡 亜希(マツオカ アキ)

フリーランスのライター&エディター。出版社勤務を経て独立。雑誌、書籍、Webサイト、企業広報などさまざまな分野で活動中。● http://pubapart.com/

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/04/24 12:00 https://markezine.jp/article/detail/28285