「ビデオグラファー女子」急増の理由
今や企業のマーケティング施策において、動画の活用は欠かせないものとなっています。一方で分散型メディアやハウツー動画の根強い人気に加え、Tik TokやIGTVなど新たなプラットフォームが続々と生まれている今、女性たちの動画との接点や活用法にも変化が見られます。中でも特に注目すべきは、動画を「見る」だけでなく「撮る」、「ビデオグラファー女子」の存在です。
現在、女性が動画を投稿するメインのプラットフォームといえば「Instagram Stories(以下、ストーリーズ)」です。最近では若い女性を中心に、静止画の撮影とは明らかに異なる、被写体を追うようにスマートフォンを動かす姿が日常的に見られるようになりました。撮影対象は友人の姿やお気に入りのコスメ、訪れたカフェの様子など様々です。
ストーリーズの魅力はなんといっても、24時間以内に投稿が消えるいわゆる“エフェメラル型”であること。投稿が消えるため、少しくらいピントが合わなくても、そして撮影対象がありきたりな日常の様子でも許される「安心感」があります。
そして、10代女子を中心に絶大な人気を誇るのが動画ソーシャルアプリの「Tik Tok」。リップシンク(口パク)動画などが多い同アプリでは、BGMの選択、最大3倍までスピードを落としたスロー撮影、多様なエフェクトの活用といった動画の撮影から編集までを手軽に一括して行うことができます。
また、Tik Tokには“美顔フィルタ”が用意されており、いわゆる「盛った(より良く見せた)自分」を撮影することもできます。アプリを開くと「おすすめ投稿」から、動画のお手本となるようなインフルエンサーの投稿を容易に見つけることができる点も特徴でしょう。このように、ある程度のクオリティやネタが担保できるという「安心感」がTik Tokの人気の理由といえそうです。
ストーリーズとTik Tokの2つに共通しているのは「安心感」の担保。これにより元来は動画の撮影に比較的消極的だった女性たちの間に動画を「撮る」文化が根付き、「ビデオグラファー女子」が急増しているのです。