「いいね!」獲得に貢献した部分をAIが可視化
昨今、AIがコンテンツづくりをサポートする例が増えている。テレビ番組の最適な告知文章をAIで自動生成してSNSに投稿したり、ニュース記事の概要をAIが自動で作成するといった事例も出てきている。
AIの活用は、コンテンツづくりの支援にとどまらない。投稿する画像が「インスタ映え」するかどうかをAIが判定するサービスが登場するなど、SNSマーケティング領域でもAIの活用は普及し始めている。
SNSマーケティングを支援するコムニコと、ITインフラソリューション事業を展開するNHN テコラスの両社が開発しているのは、「画像評価・選定」をAIで行うシステム。SNSに画像を投稿する際、複数枚ある画像の中から最も高い反応が得られる画像を予測することができる。セッションでは、実際の管理画面によるデモンストレーションが実施された。
使い方は簡単で、管理画面にInstagramアカウントのフォロワー数を入れて画像をアップロードするだけだ。あとは、AIがアップロードした画像につく「いいね!」数を予測する。
また、画像のどの箇所が最も「いいね!」獲得に貢献しているのかをヒートマップで可視化。青くなっている箇所は「いいね!」を引き下げ、赤くなっている箇所は「いいね!」引き上げている要素を示している。
AIが選出した画像のほうが平均で50%多く「いいね!」を獲得
では、予測された数値はどれほど正確なのだろうか。パナソニッククッキングのアカウントで実際に過去に投稿された画像を使い、予測値と実数値の差を検証した結果が紹介された。
これによると、実際の「いいね!」数と予測値に乖離はあるが、どの画像が最も高い反応を得られるかという傾向を捉えられることには成功している。「Instagramへの投稿画像を選定する際、ある程度参考にしていただけるのではないかと考えています」と長谷川氏は話した。
AIが出す予測値の誤差を計算したところによると、現状では平均して約27%の誤差があるそうだ。たとえば、AIが1,000「いいね!」の獲得を予測した場合、実際には730や1,270といった「いいね!」獲得が見込める。
最後にNHN テコラスの高橋氏は、「結論から申し上げますと、現段階ではまだAIで正確な数値の予測ができるわけではありません。しかし、Instagramをより効率的に活用することは可能です。
弊社で行った実験では、10枚の画像の中から1枚を選ぶ際、人間がランダムに選ぶよりもAIで選出した画像のほうが平均で『いいね!』数を50%多く獲得しました」と、Instagramでの活用の可能性を語った。今後も、AIを活用したSNSマーケティングの動向から目が離せない。