『コミュニティマーケティング成功の秘訣』は、コミュニティマーケティング専門のコンサルタントである松澤亜美さんが、実際にコミュニティ運営をしている企業にインタビューした内容をまとめた1冊。MarkeZineでの連載がベースになっています。
企業からの一方的なコミュニケーションが受け入れられない時代において、コミュニティは次なる方法論の一つとして有望視されています。本書ではそもそもなぜ企業にコミュニティが必要な理由から解説しているので、コミュニティマーケティングの要点を的確に押さえることができます。
インタビューで最初に登場するのはcotta、「タイセイが始めたお菓子のラッピング資材を個人向けに販売するECサイト」です。スイーツ界のトップである辻口博啓さんにアプローチしてコミュニティを成長させたというお話が印象的です。
また、アマゾン ウェブ サービスがコミュニティ運営をしていることはご存知の方も多いかもしれません。BtoCだけでなく、BtoBにおいてもコミュニティマーケティングが有効だという事例として、その裏側を掘り下げています。
最後に登場する六本木ヒルズのHills Breakfastは、六本木ヒルズにとって重要なオフィスワーカーの刺激になる場を作り、知の交流を生み出そうと企画されたものだそうです。当日の運営をボランティアと連携することで、応援したいという人たちが参加してくれるようになったとのこと。
一筋縄ではいかないコミュニティマーケティングも、自社に合ったやり方があるはずです。ぜひコミュニティ運営の手法について、本書を参考にしてみてください。
目次
第1章 コミュニティマーケティングってなんだろう
なぜ今、企業にはコミュニティが必要なのか
現代のコミュニティの定義
多様にあるコミュニティの種類
コミュニティマーケティングの2つの動き
コミュニティをもっと活性化させるためには
良いコミュニティは、自走する
第2章 事例1 主婦ブロガーを起用して成功したcotta
大分の田舎から始めった事業、だからこその展開?
最初はPVが伸びても、売上にはつながらなかった
業界のドンを捕まえよ
徹底された階層化でコミュニティを活性化
オフラインイベントは苦手? オンラインで大成功
cottaのコミュニティマーケティングのポイント
第3章 事例2 アマゾン ウェブ サービスのコミュニティ運営
Japan Amazon Web Serviceが全国展開に至るまで
巨大ネットワークの形成には、何かコツはあるの?
コミュニティに不可欠なリーダーの見つけ方
日本全国のコミュニティが自ら組織化した背景
アマゾン ウェブ サービスのポイント
第4章 事例3 六本木ヒルズが続けてきたオフラインイベント
六本木ヒルズがオフラインイベントをスタートしたきっかけ
なぜ早朝8時からイベントをやろうと思ったのか
お金もコネもないけど、東北に桜を届けたい
「Hills Breakfast」から派生した「ヒルズブ!」
コミュニティの目的・存在意義は変化するもの
六本木ヒルズがのコミュニティマーケティングのポイント
第5章 コミュニティマーケティングの成果を社内に共有する時に
コミュニティマネージャーの苦悩
その1.カテゴリや期間など細かく仮説を立てて共有する
その2.コミュニティの声を社内に届ける
その3.社内メンバーとコミュニティの交流を図る
コミュニティマネージャーを企業が求めているのは間違いない!