ビジネス最適化ソリューション「Domo」を提供するDomoは、2019年3月19日から21日(現地時間)、米国・ソルトレイクシティにおいて「Domopalooza 2019」を開催。
20日の基調講演では、創業者兼CEOのジャシュ・ジェイムズ氏が、「Domo」の現在地と今後の展望を語った。加えて、同社の各部門社員による新機能の発表も行われた。
ツール/ダッシュボードではなく「プラットフォーム」
「Domo」の活用方法を深く学ぶ場として毎年開催されている「Domopalooza」。今年は、27ヵ国から約3,000人が参加登録を行った。
イベントのテーマ「Digital Transformation and the Power of the Domo Platform」には、「Domo」は企業の一部門で利用されるツールやダッシュボードではなく、全社を挙げてのデジタルトランスフォーメーションに寄与する「プラットフォーム」である、というメッセージが込められている。
ユーザー自身のアプリ構築/カスタマイズを推奨
20日の基調講演には、まずジェイムズ氏が登場。去年実施したIPOについて「痛みもあったが、より多くの人に価値を提供できる企業へと成長するための重要なステップだった」とコメントし、顧客の多くが前向きな反応を示してくれたと明かした。
また、同社設立以来の製品開発部門への投資金額が、約400万ドルに達していることを発表。ジェイムズ氏は「これが、皆さんのビジネスを構築していくプラットフォームなのです」と、「Domo」に対する自信を覗かせた。
製品に関して特に力を入れているのは、「Domo」上で情報を可視化するためのアプリを、ユーザー自身でカスタマイズ・構築してもらうことだという。同社は、データやそれに基づく予測を、個々のユーザーに最適なビジュアルで提供することで、企業におけるデジタルトランスフォーメーションの浸透を支援していく。
3つの新機能を発表
例年、「Domopalooza」の期間中には、製品に関する数々の発表が行われる。20日には、大きく分けて3つの新機能が紹介された。
1.マーケ領域の全体を見通せる新機能「Domo Marketing Suite」
「Domo Marketing Suite」では、測定基準や支出額、使用したアセット、チャネルに関する情報がアプリ上に集約され、スマートフォンからいつでもアクセス可能に。これにより、CMOやマーケティングのリーダーは、憶測ではなくパフォーマンスに基づいた決定を下せるようになる。
「Domo Marketing Suite」について、ジェイムズ氏は次のようにコメントしている。
「マーケティングは、立体的なチェス(three-dimensional chess)のようなもので、ゲームに勝つためには、すべてのピースに気を配らなければなりません。『Domo Marketing Suite』を使うことで、ゲームのフィールド全体を見通すことができるため、パフォーマンスの改善につながるのです」(ジェイムズ氏)
なお、「Domo Marketing Suite」には、設定済みのKPI指標やカレンダー機能などを通じて包括的な視点を提供する「Digital 360」と、キャンペーンに関して、顧客といつどのようにコミュニケーションをとるべきかを伝える「Campaigns」の2つのアプリが含まれている。
2.機械学習の活用を促進する取り組み
「Jupyter」と「Amazon SageMaker」が「Domo」に連携され、これらの予測を直接Domoのデータパイプラインに適用できるようになった。また、 機械学習を活用し、さらに高度なアラート機能を提供する「Domo Business Automation Engine(BAE)」も提供された。
3.セキュリティ&ガバナンス機能を強化
より大規模な企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するため、エンタープライズセキュリティ機能およびガバナンス機能が強化された。これにより、管理部門の負担が軽減され、IT部門におけるミスの発生を最小限にとどめることができる。
「Domopalooza」では、紹介したトピックの他にも、連日多くのユーザー企業および同社社員が登壇し、知見を共有している。MarkeZineでは、後日イベントレポートやインタビューを掲載予定だ。
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