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第6回 「ブランド認知 2.0」を考える


ブランドのポジショニング:相違点と類似点

 企業がブランド認知を高めることを目指す際に、標的市場における競合他社ブランドとの競争の中で、いかに自社ブランドの認知を広げ、深めていくかが課題となります。 この「いかに」を明確に定義するのが「ブランド・ポジショニング」です。

 ブランド・ポジショニングは企業が自分たちで議論して決めればよいというものではありません。企業は適切な施策によって適切なブランド連想を標的市場に認知させることで、ブランド・ポジショニングを確立したと言えるようになります。企業が行うべきは以下の事柄です。

  1. 標的市場に自社ブランドをどのように認知してもらいたいか、どのようなブランド連想を抱いてほしいかを明確にする。
  2. それを実現するためにはどんな施策が必要かを決定する。 
  3.  施策を実行する。

 これによって、競合他社ブランドに対して自社ブランドが優位性を築けるようなブランド・ポジショニングを実際に築くことができるかは、あくまで標的市場の判断の結果を待たなくてはなりません。

 ケラー教授は、このブランド・ポジショニングの達成のためには、ブランディング施策において、競合他社ブランドに対する自社ブランドの「相違点」と「類似点」を明確に打ち出す必要性を強調しています。

 標的市場と競争の本質を明らかにすることによって、ポジショニングに関する適切な競走上の準拠の枠組みが規定されると、ポジショニングの土台はおのずと定まる。適切なポジショニングを達成するためには、連想における相違点と類似点を正しく打ち出す必要がある。
       ケビン・レーン・ケラー著『ケラーの戦略的ブランディング

 また、相違点と類似点についてはそれぞれ次のように説明しています。

 類似点はカテゴリー・メンバーシップの要請(カテゴリー類似点の創造)や、競合他社の相違点を打ち消す必要性(競争的類似点の創造)から導かれる。相違点の選択には、消費者が相違点に望ましい点を見出すことと、その望ましい点の到達能力を企業が有していると顧客が信じること、といった2つの要件の検討が重要である。
       ケビン・レーン・ケラー著『同上

 ブランディングと言うと、差別化を重視し、相違点をいかにして形成・伝達するかばかりに目が行きがちです。しかし、ここでケラー教授が言っているのは「相違点だけでなく類似点も同じだけ重要なことだ」ということです。

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文脈=フレームによって認知は異なる

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この記事の著者

棚橋 弘季(タナハシ ヒロキ)

芝浦工業大学工学部(建築学専攻)卒。マーケティング・リサーチ、Web開発等の仕事を経て2003年より株式会社ミツエーリンクスに。現在はWebを使ったマーケティングに関する企画や自社サービスの開発に従事。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2006/11/08 16:30 https://markezine.jp/article/detail/313

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