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業界別SNSマーケティング戦略━━具体的なTipsで学ぶ成功のヒント

口コミが出づらい商材は「コミュニケーション文脈」がカギ。高難易度でも着実に成果につなげるSNS活用術

 コモディティ商品やコンプレックス商材、BtoBサービス、無形商材は、UGC(ユーザーによる口コミ)が自然発生しにくいカテゴリー。口コミされやすい商材と同じようにSNSでの話題化を狙っても、成果にはつながりにくい。では、SNS上で語りたくなる話題をどう設計するべきなのか━━。企業のSNS活用を戦略的に支援するホットリンクのSNSコンサルタントが執筆を担当し、各業界の特性に即したSNS活用方針や実践的なTipsを伝えていく本連載。今回は口コミが出づらい商材の特徴のほか、コミュニケーション文脈のUGC創出を促すための考え方や実例、広告活用に焦点を当てて解説する。

自社商品の現在地を、UGCと指名検索の有無から把握する

 コモディティ商品やコンプレックス商材、BtoBサービス、無形商材は、UGCが自然発生しにくいカテゴリーの代表格です。食品や外食、コスメなどの口コミされやすい商材と同じようにSNSでの話題化を狙っても、成果にはつながりにくいと言えます。そもそもユーザーが商品差を語りにくく、日常利用をわざわざ投稿する動機も弱いからです。

 「口コミが出づらい商材」に該当する場合、商品自体の良さを語ってもらう企画よりも、SNS上で語りたくなる話題をどう設計するかがカギを握ります。

 重要なのは「コミュニケーション文脈」を意識することです。商品そのものではなく、日常の出来事や共感できるネタなどをコミュニケーションの切り口としながら、それに加え、マンガコンテンツやライフハックを組み合わせた発信などを通じて、商品が自然に思い出される状況を作り出します。

 まずは、以下のフローチャートに沿って、自社の商品・サービスが(1)~(3)のどれに当てはまるかを確認しましょう。

 初めに知っておきたいのは「SNS上で、商品やサービスに関するUGCが出ているか」。これは、XやInstagramなどの主要なSNSで商品名やサービス名を検索することで確認できます。

 UGCが出ていない商材は、「指名検索があるかどうか」でさらに切り分けます。商品名やサービス名が月間でどのくらい検索されているかは、Google キーワードプランナーで調べられます。また、自社サイトがその検索で表示・クリックされているかはGoogle サーチコンソールで確認できます。

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 切り分けた結果は、以下の3つに分類されます。

(1)既にUGCが発生している(指名検索もある)

(2)UGCは発生していないが、指名検索はある

(3)UGCも指名検索もない

 「(2)UGCは発生していないが、指名検索はある」「(3)UGCも指名検索もない」は、いずれもSNS上にUGCが投稿されていない状態です。(2)の場合は、検索サイトなどで、商品・サービス名やブランド名による指名検索されているため、一定の知名度はあると考えられますが、それでもUGCが発生していないのはなぜか。(2)(3)の状態にある要因は以下のいずれかに大別されます。

要因1:UGCを投稿するきっかけを提供できていない

 食品や外食、コスメ、アパレルのカテゴリーは「(1)既にUGCが発生している(指名検索もある)」に該当しやすいのですが、これらのカテゴリーでもUGCが発生していないケースがあります。その場合に発生しない要因として多いのが、投稿するきっかけが提供されていないことです。

要因2:購入したことや利用したことを、わざわざSNSに投稿しない商材である

 情報サイトや金融サービスなどの無形商材、ダイエットや育毛剤などのコンプレックス商材、BtoB(企業間取引)向けの商品・サービスがこれに当てはまります。

要因3:コモディティ(汎用)化した商品やサービスである

 「(3)UGCも指名検索もない」の場合、コモディティ(汎用)化した商品・サービスであることが要因になっているケースが多いです。たとえば、トイレットペーパーや乾電池などが該当します。商品やブランドに対して思い入れがないため、指名検索もされにくいです。

 また、よほど個性的な商品でない限り、UGCも生まれにくいです。「ゴミ袋がない」「コンビニでゴミ袋を買ってきた」と投稿することはあっても、「〇〇社のゴミ袋」と明記する人は少ないと想像できるでしょう。

 このように、認知があるか否かに関わらず、そもそもUGCが出にくい商材の場合、単に呼びかけるだけでUGCが投稿されることはほとんどありません。そのため、発生に寄与するようなコンテンツを自ら用意する必要があります。中でも重要なのが「コミュニケーション文脈のUGC」を意識したアプローチです。 

次のページ
「コミュニケーション文脈のUGC」に目を向ける

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この記事の著者

石渡 広一郎(イシワタ ヒロイチロウ)

株式会社ホットリンク 執行役員 CNS・マーケティング担当

弁理士。エンターテインメント企業、特許事務所を経て2017年から株式会社ホットリンクへ。ライツに関する経験と専門的な知識を活かし、2019年4月から新規事業開発に従事。コンテンツマーケティング、インフルエンサーマーケティングを所管するCNS事業...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/09/03 09:00 https://markezine.jp/article/detail/49725

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