SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

シリコンバレー直送便~世界を変えるスタートアップたち~

シリコンバレーのスタートアップ「Eltropy」 誰も気づかなかった顧客エンゲージメント向上の秘策

 米国西海岸・シリコンバレーから、旬なスタートアップの情報を厳選してお届けする本連載。今回は、メッセージアプリとAIを活用したデジタルマーケティングのスタートアップ「Eltropy(エルトロピー)」を紹介する。

本稿は、ソフトウェア開発者向けのオンラインメディア「CodeZine」からの転載記事です。マーケティング領域に関する海外のスタートアップ情報を、ピックアップしてお伝えしていきます。

連載で取り上げる企業と着目点

 本連載で、主に対象とするスタートアップは、ある程度米国でのビジネスの地歩が固まり、日本を含む海外展開を視野に入れ始めたステージを想定している。単なる企業やソリューションの紹介にとどまらず、それらが注目されるに至った背景――米国でのビジネストレンドの変遷や技術的進歩――もあわせてお伝えすることで、読者の皆さんのビジネスにおけるヒントになれば幸いだ。

Eltropy――誰も気づかなかった顧客エンゲージメント向上の秘策

 「シリコンバレー直送便」第2回で取り上げる企業は、シリコンバレー(Milpitas)に本社を構えるデジタルマーケティングスタートアップのEltropyである。

 Eltropyは、メッセージアプリやSMSを通じたBtoCプロモーションにおいて、顧客の行動を詳細にトラッキングして、有望な見込み顧客を抽出するという、シンプルだが非常に強力なソリューションを提供する。米国内外を問わず金融機関からの注目を集めており、オリエントコーポレーション(以下、オリコと呼称)が2019年3月に実証実験の開始をアナウンスするなど、日本においても金融機関からの関心が高いスタートアップである。

 今回は、同社のCEOを務めるAshish Garg氏に、Eltropyのソリューションの特徴や今後の日本市場への展開戦略などを語ってもらった。

EltropyのCEOであるAshish氏。インド出身のバイタリティ溢れる起業家だ

EltropyのCEOであるAshish氏。インド出身のバイタリティ溢れる起業家だ

「皆さん、LINEは使っていますか?」

 「この中で、メッセージアプリを使っている人は?」

 Ashish氏は、投資家やユーザ企業に対して自社ソリューションの説明を行うとき、決まってこの問いかけから始める。

 聴衆は、もちろん全員が手を上げる。日本であればLINE、欧米であればFacebook MessengerやWhatsApp、中国ならばWeChat。今日、スマートフォンの爆発的な普及を背景に、メッセージアプリもまた世界中の人々のコミュニケーション基盤として広く利用されている。

 Ashish氏は、続けて次のように問う。

 「ではこの中で、企業とのやりとりでメッセージアプリを使っている人は?」

 今度は、ほとんどの人は手を上げない。実際、メッセージアプリの主要な使い道は、家族や友人など親しい人と連絡をとりあったり雑談を交わすことであって、企業と連絡を取り合う手段に使う人はほとんどいないだろう(著者も経験がない)。

 きょとんとした表情を浮かべる聴衆をぐるっと見回すと、Ashish氏はさらにこう畳みかける。

 「なぜでしょう?」

 「皆さんは、電話や電子メールでは保険会社や銀行、証券会社とやりとりするでしょう。それなのに、なぜメッセージアプリではそうしないのでしょう?」

 なぜ……と言われても――聴衆の間に戸惑いが広がる。「そんなの、考えたこともなかった」というのが正直なところだろう。

 しかし、言われてみると、なぜ私たちは、メッセージアプリでは企業とコミュニケーションを取らないのだろう?

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
メッセージアプリ――第四の顧客接点

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
この記事の著者

ミック(ミック)

日本では、主にBI/DWHの設計からチューニングまでを専門とするデータベースエンジニアとして活動。2018年より米国シリコンバレーに活動拠点を移し、技術調査とビジネス開発に従事している。

主な著書・訳書:
達人に学ぶSQL徹底指南書 第2版』(2018)
SQL実践入門』(2015)
Joe Celko『プログラマのためのSQL 第4版』(2015)

翔泳社 - 著者ページ:
https://www.shoeisha.co.jp/book/author/3964

著者個人ページ:
http://mickindex.sakura.ne.jp/

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2019/07/17 09:00 https://markezine.jp/article/detail/31547

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング