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Twitterで流行するインスタントウィン、その効果を事例で探る(AD)

応募総数30万件!Twitterのキャンペーンに手を付けてこなかったアットホームが成果を出せた理由

 不動産情報の総合サイトを運営するアットホームが、Twitterの公式アカウントの活性化、新規顧客へのアプローチを目的にインスタントウィンを導入。繁忙期のリーチ拡大に重点を置いた施策で、応募総数30万件と想定以上の成果を得た。インスタントウィン導入の背景や運用のポイントを、アットホームの松井 優紀氏と、導入支援を行ったユニークビジョンの髙橋 涼太氏に伺った。

繁忙期に拡散性、スピード感活かしたキャンペーンを

MarkeZine編集部(以下、MZ):今回インスタントウィンを活用したキャンペーンを行ったとのことですが、それまでTwitterはどのように活用していたのでしょうか。

松井:Twitterは利用者と気軽にコミュニケーションできるのが利点だと思います。ただ、不動産の場合、顧客と恒常的にやり取りするケースは多くありません。引っ越しや家を買うという行為は、頻繁に行うものではないので。

アットホーム株式会社 マーケティングコミュニケーション部 プロモーション推進室 コンシューマコミュニケーショングループ 松井 優紀氏
アットホーム株式会社 マーケティングコミュニケーション部
プロモーション推進室 コンシューマコミュニケーショングループ 松井 優紀氏

 そのため、顧客とつながりを持ち、継続的なコミュニケーションを取っても、正直費用対効果が合わないと考えていました。SNS活用に対する社内での優先度も低かったですね。公式アカウントの運用に関しても広報部署が担当しており、私たちの部署からSNSに関する取り組みを行ったことはほとんどありませんでした。

MZ:これまで松井さんの部署では、そこまでSNSに注力してこなかったとのことですが、なぜ今回インスタントウィンの実施に至ったのでしょうか。

松井:繁忙期のリーチを最大化させるためです。賃貸の繁忙期は1~3月。その期間中にアットホームを想起していただける方を増やしたいと考えました。そして今回、Twitterでインスタントウィンを行うことにしたのは「拡散性」「当落がすぐにわかるスピード感」の2点に魅力を感じたからです。

インスタントウィンとこれまでのキャンペーンの違い

MZ:これまでのキャンペーンとインスタントウィンの違いはありますか。

松井:これまでもデジタル上ではプレゼントキャンペーンを行ってきました。ただ、Webサイトの応募フォームへの誘導がほとんどで、SNSをメインに実施したことはありませんでした。

 そして、インスタントウィンとこれまでのプレゼントキャンペーンとの違いですが、先ほどお伝えした拡散性と当落がすぐにわかるスピード感に加えて、当落結果の前にアットホームの動画広告を見ていただける点は違うと思いました。

 普通の動画広告を視聴完了していただくのも難しくなっている中で、インスタントウィンであれば、動画視聴のあとに当落の結果を出すといった工夫をすれば、高確率で最後までコンテンツを見ていただけます。

MZ:インスタントウィンの特性を活かせば、Twitter利用者に動画を見てもらえてリーチも取れるということですね。今回アットホームに導入支援を行ったユニークビジョンの髙橋さんにお聞きしますが、他の企業でもインスタントウィンのニーズは高まっているのでしょうか。

髙橋:はい、インスタントウィンに関するお問い合わせや、ご実施いただく企業は年々増えています。通常の広告、キャンペーンの効果に限界を感じている企業からのご相談が多く、Twitter利用者が自発的に参加、拡散してくれる仕組みに魅力を感じていただいています。

ユニークビジョン株式会社 ディレクター/広報 髙橋 涼太氏
ユニークビジョン株式会社 ディレクター/広報 髙橋 涼太氏

松井:私自身も、個人的にTwitterを使う中で他社のインスタントウィンに参加したこともありますし、いい手段だと感じていました。

 そして、インスタントウィンを実施すると決めてから、支援先を探している中で、とあるイベントでブース出展されているユニークビジョンさんと出会い、提案を受ける中で導入支援いただくことに決めました。

インスタントウィン導入時に知らないとまずいこととは

MZ:他社と比較・検討したと思いますが、ユニークビジョンに決めた決め手はどこにあったのでしょうか。

松井:我々はインスタントウィンを初めて実施することもあり、ツールだけ提供して「あとは自分で運用してくださいね」のタイプの会社では失敗するのではと危惧していました。その中で、ユニークビジョンさんは企画設計から関わってくれる点が心強かったんです。過去実績も豊富なのも決め手の1つになりました。

 また、初心者ではわからない、事前に知っておかないとまずい部分も丁寧にアドバイスいただきました。このように、運用サポートが丁寧なユニークビジョンさんを選んで正解だったと感じています。

MZ:事前に知らないとまずいこととは、具体的にはなんでしょうか。

髙橋:Twitterはキャンペーンを行う際のルールや規約を定めています。たとえば、キャンペーン参加者のツイートへ自動返信をする場合は、参加者のツイート内に返信を行うアカウント名を入れるよう設定しないとダメなど、健全なプラットフォームを維持するための様々な項目があります。

 他の業務もあるマーケターの方がそれらをすべて理解するのは非常に時間と労力がかかりますし、特に初めて実施される方だと非常に大変です。しかし、守らなければ当然キャンペーンは開始できません。ですので、我々のほうで設定などチェックさせていただきながら、理解してもらいながら導入を進めるようにしています。

カンバセーショナルカードで無意識な参加を減らす

MZ:今回のインスタントウィンで実施したキャンペーン内容を教えてください。

松井:今回は新生活応援キャンペーンを実施しました。繁忙期の1~3月は、就職・進学でお部屋探しをする方が多いので、新生活を始められる方をターゲットに設定し、新生活の資金として、Amazonギフト券10万円分を10名様に、1,000円分を1,000名にプレゼントする企画を立てました。

 応募には、カンバセーショナルカードを活用して簡単なクイズを出題しました。答えをツイートしてもらい、正解者の中から抽選でプレゼント当選者を選ぶ流れとなっています。

キャンペーンの流れ
キャンペーンの流れ

髙橋:通常フォロー&リツイートが一般的な中でカンバセーショナルカードを活用されたのは非常に良かったと思います。クイズ形式で選んでもらう仕掛けにしたことで、無意識な参加を減らすことができます。

 また、今回のキャンペーンの賞品がギフト券のため、懸賞を目的とした不正なアカウントの参加が見込まれました。しかし、我々の提供する「Belugaキャンペーン」は自社開発したAIによる判定で不正アカウントの参加を抑制することができます。プログラムを組んで1日に何度も応募してくるアカウントもあるのですが、そういった不正を行うアカウントは弊社で独自にブラックリスト化しています。

30万件の応募がもたらした効果

MZ:実際に行ったことで得られた成果について教えてください。

松井:1日1回応募できるのですが、カンバセーショナルカードでの応募数は30万件にのぼり、目標値を大幅に上回りました。Web上の応募も予想以上に来ましたね。LPのリンクをTwitterにも投稿したら、そちらからも10万件近い応募がきました。

 また、応募条件としてフォローを必須にしていたので、フォロワーも増加し、キャンペーン前の1万1,000から4万まで増えました。

MZ:得られた成果をどのように評価していますか。

松井:今回のキャンペーンはリーチの拡大を目的にしており、KPIを応募数に置いていました。当初の想定値を大きく上回ったので、成功と捉えています。またフォロワー数も増え、土台が大きくなったことで、今後実施するキャンペーンの広がりも期待できます。

髙橋:インスタントウィンを使えば、ほぼ確実にフォロワー数・RT数を増やせます。動画広告も視聴していただきやすいですし、繰り返し参加できる仕組みのおかげで、潜在顧客のブランド想起向上の効果もあります。

 目先の成果だけでなく、その先にある態度変容も考慮した設計、クリエイティブを心掛けていただいたことがこのような成果を生んだと思います。

MZ:今回のアットホームさんのように、インスタントウィンを活用して成果を上げるためには、どのようなことを考えて企画することが必要なのでしょうか。

髙橋:達成したい目的を明確にし、それに合わせた企画を設計することですね。今お話ししたように、インスタントウィンを行うとフォロワー数やRT数など、様々な数値が動きます。たとえば、RT数が増加すれば、動画再生数やツイートのインプレッション数なども増えて、結果として潜在顧客へのアプローチを強めることができます。

 また、毎日参加できる企画にすれば一人当たりの参加数が増えて、参加者とブランドの接触頻度も向上します。これによって認知度やブランド選好を高めることもできます。このように、企画次第で狙える効果も変わってくるので、それを踏まえた設計が必要ですし、我々もそこを意識してサポートするようにしています。

Twitterの可能性を実感したので、さらなる活用を

MZ:今後の展望について教えてください。

松井:増えたフォロワーをどう活用していくかは検討中ですが、施策自体はどんどん広げていきたいです。既に、他企業とのタイアップキャンペーンを行ったり、SNSで人気のマンガ家さんにアットホームのマンガを描いていただいたりなど、Twitterアカウントの活用は以前よりも積極的に行っています。

 また、インスタントウィンの拡散効果が高く、その先にある態度変容やコンバージョンなど、様々なアクションを起こせる可能性を秘めていることが、今回の施策を通して実感できました。今後も引き続きインスタントウィンを活用したいですね。

髙橋:弊社では、オフラインの行動を絡めたインスタントウィンの実施も可能です。たとえば、アットホームさんの加盟店に来店したお客様に、Twitterに搭載されているQRコードを店頭で読み取っていただきます。するとその場で当落がわかるインスタントウィンのキャンペーンが行えるのです。

 このような仕組みを活かせば、様々な来店促進施策も実施できるかと思います。さらに、どのアカウントがいつ、どの店舗に来たかもデータとして蓄積できます。特定の店舗にきたアカウントにピンポイントで広告を配信するといった活用も可能です。

 アットホームさんのようにオフラインのチャネルも持つ企業に、インスタントウィンをはじめとしたTwitterの活用をご提案していきたいです。

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この記事の著者

水落 絵理香(ミズオチ エリカ)

フリーライター。CMSの新規営業、マーケティング系メディアのライター・編集を経て独立。関心領域はWebマーケティング、サイバーセキュリティ、AI・VR・ARなどの最新テクノロジー。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/08/22 11:00 https://markezine.jp/article/detail/31648