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コアファンに刺さるコンテンツから新規層へ拡散 DAZN流・ソーシャル上で話題を生む方程式


 スポーツ専門の動画配信サービスDAZN(ダゾーン)では、新規顧客へアプローチするための施策として、現役のJリーグ所属選手とCanCamモデルによる恋愛リアリティーショーをYouTubeで配信した。これが、普段あまり知ることのできないプロスポーツ選手の恋愛観やプライベートが伺え、大きな話題となった。なぜ、このような施策を行ったのだろうか。DAZNのソーシャルメディアマーケティング部長、伊藤敬介氏に伺った。

新たなスポーツファンを獲得するために

MarkeZine編集部(以下、MZ):伊藤さんはDAZNの中でどのような業務を担当されているのですか。

伊藤:DAZNでは、ソーシャルメディアの戦略立案からコンテンツ制作・チャネル運用まですべてインハウス化しているのですが、そのマネジメントを担っています。また、マネジメントだけでなく自ら企画もしています。

DAZN ソーシャルメディアマーケティング部長 伊藤敬介氏

MZ:今回DAZNとJリーグ、女性誌のCanCamが連携して行った企画についてお伺いするのですが、そもそもなぜ今回の企画を行うことになったのでしょうか。

伊藤:DAZNはJリーグさんと一緒にサッカービジネスを盛り上げていこうと、長期にわたってパートナーシップを築いてきました。その中の大きな施策として、「フライデーナイトJリーグ」というものがあります。

 これまで何かしらの事情で土日にスタジアムへサッカーを観に来られなかった方や、そもそもサッカーをスタジアムで観戦したことがないという方をターゲットに据え、金曜日という新たな来場機会、新たなサッカーカルチャーの構築を目指したのが「フライデーナイトJリーグ」です。これにより、たとえば週末はいつも家族と一緒にスタジアム観戦をするファンが、「金曜日は仕事帰りだから会社の仲間を誘ってみよう」というように、サッカーのコアファンがライトファンをスタジアムに連れてきてくれる可能性が広がると考えています。

 その中で今回の施策では、ターゲットを若年の女性層に据え、ターゲット層と最もマッチしたカルチャーを持つCanCamさんともタッグを組み、施策を行うことにしました。

コアファンからライトファンに広がる施策を

MZ:この企画は、伊藤さんが企画されたのですか。

伊藤:元々はJリーグの担当者の方から、女性から注目が集まりやすいサッカーのイケメン選手をフックにCanCamと何か企画を広げられないか、という相談があったのがきっかけです。ただ、普通にイケメン選手を紹介するだけでは既視感もあり、コミュニケーションが広がっていかないと思いました。

 さらに、ターゲットはライトファン・新規ファンではあるものの、そういう層に直接サッカーに関わるコンテンツでアプローチするのは難しいものです。そこで、コアファンが思わずライトファン・新規ファンに広めたくなるような企画を私から提案しました。

MZ:まずコアファンに刺さるコンテンツであることが大事なのですね。

伊藤:たとえばワールドカップの日本代表戦が行われると、渋谷のスクランブル交差点にサッカーファンが大勢集まるじゃないですか。そういう場に集まっている人って、必ずしもみんなが自発的にサッカーを観戦しようとしているわけではなくて、サッカーコアファンの友達に誘われて来たというケースも多いはず。

 そのようにリアルの世界で起こることと、ソーシャル上で起こることってそんなに変わらないと思っています。ソーシャル上でも、コアファンが拡散したくなるようなものが、ライトファン・新規ファンへと広がっていきます。DAZNのコミュニケーションを広めようとする中でもそのようなことが何度もあったので、この仮説を立てました。

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この記事の著者

平田 順子(ヒラタ ジュンコ)

フリーランスのライター・編集者。大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を行う。2008年よ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/10/01 13:06 https://markezine.jp/article/detail/32015

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