昨今取り沙汰されるテクノロジーの中でも、直近で利活用が進んでいくと見込まれているのがIoT、5G、VR/ARです。用途は様々あれど、マーケティングにおいてはどのような恩恵がもたらされるのでしょうか。
編集部がお届けしている定期誌『MarkeZine』最新第46号(2019年10月号)では、これらのテクノロジーを取り入れ試験運用や実践を試みている資生堂ジャパン、ソフトバンクとPARTY、電通ライブに取材。メリットと課題についてうかがいました。
定期誌『MarkeZine』とは?
定期誌『MarkeZine』は1年間の定期購読で、毎月1冊、トレンドテーマの特集を中心にマーケティング業界の潮流や識者が注目するトピックをお届けしています。
- 先進的な企業の経営判断を追体験できる
- 競合企業の事例やキーパーソンの考え方がわかる
- マーケターが実務で成果を出せるノウハウを学べる
特集「IoT、5G、VR/ARがマーケにもたらす恩恵」
資生堂ジャパンではIoTを用いて個々人に合ったスキンケアを提供するブランド「Optuneオプチューン)」というサブスクリプションサービスを開始。パーソナライズが重要だとする同社の川崎道文氏は、美容を「Beauty as a Service」として実現していきたいと話します。
これまではスキンケア用品が購入後にどのように使われていたのか実態が不明瞭でしたが、IoTを実装することで個人の肌の状況だけでなく使われ方もわかるようになったのも大きな収穫。そうしたデータをサブスクリプションの継続利用のためのCRMにも活かすことができます。同社では化粧品カテゴリーをリードするブランドとしてOptuneを育てたいとのことですが、新しいテクノロジーを顧客のためにどう活用すればいいのかを学ぶ先進的な事例とも言えるでしょう。
前世代のシステムに比べて高速、大容量、低遅延、多数同時接続が可能になる第5世代移動通信システム、通称5G。様々なメディアで耳にすることも増えてきましたが、いち早くプレサービスを行ったのがフジロックです。ソフトバンクによって提供された5Gがどれほどの威力を持つのか、その価値をわかりやすく伝えられる機会となった一方、課題も浮き彫りになりました。
フジロックで実現されたのは公認アプリで会場の混雑状況をリアルタイムで確認できる機能、会場に来られなかった人がバーチャル空間でライブを楽しめるアプリ、そしてライブ配信の映像をVRで体験できるサービスです。VRのようなサービスは5Gの恩恵を受けやすく理解しやすい一方で、ヘッドマウントディスプレイの所有率はまだまだ課題とのこと。多くの業界で注目される5Gの活用事例はますます増えていくでしょう。
ARあるいはVRのような新しいテクノロジーはなによりクリエイターの表現の幅を広げることができ、体験を増幅させる手法として期待されています。イベントなど空間設計を手がけることの多い電通ライブでは特にARに注力し、音声ARというシステムを開発して現実空間をもうちょっとよくするスパイスとして活用しているそうです。
VRは仮想の場を作るもので、ARは既存の場を活かすものだと分類できます。視覚表現が中心のように思われますが、電通ライブが音声ARに注目するのは端末に目を奪われないという利点から。最初の実装事例としては「FINAL FANTASY 30th ANNIVERSARY EXHIBITION ─別れの物語展─」があり、来場者の想像力をかき立てるために音声ARが利用されました。アートの他、インフラとエンタメにも有用だというVR/AR。今後はいかに日常に落とし込むかが課題とのことです。
定期誌『MarkeZine』第46号では、この他にも巻頭インタビューでV字回復を実現した丸亀製麺を運営するトリドールホールディングスの代表取締役社長でCEOの栗田貴也氏が登場。森岡毅氏率いる刀との協業でマーケティング体制の改革を進めた直近1年の戦略についてうかがいます。
定期誌について詳しく知りたい方は、ぜひ特設ページをご覧ください!