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外資系MAをリプレイスしたエン婚活エージェントに聞く、データ活用で売上を上げるMA×CDPの最適解

 マーケティングツールの活用は現代のマーケティング組織が売上を向上するための必須条件。しかし、使いこなして成果を上げるには、「ツールにつなぐデータの連携やクレンジング」等の専門的知識やスキルの他、膨大なコストもかかり、全ての企業が思うような成果を上げられているわけではない。本稿では、導入していたMA(マーケティングオートメーション)ツールを、データ統合ができるCDP(カスタマーデータプラットフォーム)機能を有する「b→dash(ビーダッシュ)」にリプレイスしたというエン婚活エージェントに、MAとCDPを活用して実現したい理想のマーケティングについて伺った。

MAで目指すは「入会数」と「継続率」の向上

――今日はMAツールを「b→dash(ビーダッシュ)」にリプレイスしてからデジタルマーケティング全体が軌道に乗ってきたというエン婚活エージェントの間宮社長と榊原さんに成功の秘訣を伺っていきます。御社のビジネスにとってMAはどのような役割を果たしているのでしょうか。

間宮:まずエン婚活エージェントが重視している指標(KPI)が2つあります。それは「入会数」と「継続率」です。「入会数」は、結婚を望まれていてエン婚活エージェントの利用を検討してくださるお客様候補を増やし、有料会員になっていただくことが主要なミッションになります。

 具体的には「無料サービス体験」「資料請求」「問い合わせ」「来社での無料相談」の4つの入り口でお客様候補と接点を持ち、想定されるニーズやご検討されている「温度感」別にシナリオを作っています。

 エン婚活エージェントにとってMAツールは非常に重要な位置づけにあります。その理由のひとつに、当社のサービスが検討期間の長い商材であることが挙げられます。Web商材としては単価が比較的高額で、結婚というセンシティブな悩みを解決する商材であり、お客様の検討期間が長いのです。

 なので、いかに初回接点でサービスに興味を持っていただくか、継続的に認知していただけるかが成否を握るのです。

エン婚活エージェント 代表取締役社長 間宮亮太氏
エン婚活エージェント 代表取締役社長 間宮亮太氏

 入会数アップに加えて力を入れているのが2つ目のKPIである「継続率」。いわゆるリテンション施策です。入会後も一定期間サービスを続けてご利用いただくことでご成婚いただける確率が高まります。そうしてサービス満足度が高まると良い評判が広まり、会員が増えてさらにご成婚いただける確率が上がるという好循環になるため、お客様にいかにオンボーディングして使い続けていただけるかが大事です。

 こうしたリテンション施策においては、お客様が婚活されるなかで悩まれるタイミングで適切なフォローをできるかがポイントとなってきます。

 従来型の結婚相談所では店舗でのフォローが一般的ですが、我々はお客様にとって便利なデジタルチャネルで最適なコンテンツを届けてフォローするのが特徴です。しかもすべてのコミュニケーションをデジタルに置き換えるのではなく、お客様の状況によって適切な距離感を取っていきます。こうした現代的な結婚相談所のスタイルをMAで実現したいというのが我々の考えです。

 それができるようになると、より細やかなサービスをより低いコストで提供できるのでさらなる会社の成長につながると考えています。

――「適切な距離感をとる」というのは具体的にはどのようにするのですか。

間宮:どんな関わり方が理想なのか、お客様に直接聞くのが一番早いので、電話で相談したいのか、どういったタイミングで連絡が欲しいのかを、まずはメールのアンケートで確認します。そうやってお客様のニーズに沿って適切にコミュニケーションしていくのが重要だと思っています。

お客様担当が簡単にデータを触れる環境を作りたかった

――御社は元々海外製のMAを導入されていたが、最近ツールのリプレイスを行われたと聞きました。以前のMAはどういう目的で導入され、どのように活用されていたのでしょうか。

間宮:以前のMAツールも、今と同じく「入会数」向上を目的に使用していました。資料請求など「入会前」から「入会」への転換率を高めたいと考えていました。

 ところが、なかなか使いこなせず、運用はツールベンダーの担当の方に依存している状態になってしまっていました。担当の方に相談するとコストが発生するケースもあります。また、取得できている様々なデータを統合・連携させるには、別途コストや工数が発生してしまうため、やりたいことはあるものの、KPIを大きく改善させるための大掛かりな取り組みには踏み切れませんでした。

 「継続率」向上のためにもMAを使いたかったのですが、基幹システムとのAPI連携などの開発が必要でした。開発は一部社外に外注している状況なので、コストがかさんで実現困難でした。

 「ユーザーに喜んでもらえるコンテンツを最適なタイミングで提供する」のがMAの醍醐味であり重要なことですが、そのために必要な「データの統合・連携」が思うようにできないため、MAを使っても成果につながらないという手詰まり状態でした。

 そんなとき、「誰でも自由に、そして簡単にデータを処理できる」という広告を見て、気になっていた「b→dash」にたどり着きました。

 データやツールのスペシャリストでなくても使えることは、先を見据えたとき大きなポイントになります。最もお客様を知っているのは現場のスタッフですので、各々がMAツールに触れる環境を構築して、現場がお客様のニーズに合わせてコンテンツを最適化できるようにするのが理想。そう考えたときに、“触りやすさ”は重要だと考えました。

別途CDPを導入しなくていいことはなぜ重要か

――その理想実現に向けては、以前のMAではどのような点が課題だったのでしょうか。

間宮:使いこなせていなかっただけかもしれませんが、前のMAは探している情報が管理画面の何階層か下に行かないと見られないという感じで、他部門でも活用するイメージが湧きませんでした。それと比べると、b→dashはシンプルでわかりやすいですね。

エン婚活エージェント デジタルマーケティング部 部長 榊原崇浩氏
エン婚活エージェント デジタルマーケティング部 部長 榊原崇浩氏

榊原:私としても、肌感覚で使い慣れるのが早かったのがb→dash。

 どこを見れば何ができるかが視覚的にわかりやすく、操作性もわかりやすい。それと担当の方が身近で、かつサポート体制が充実しているので、わからないことはメールや電話ですぐに返事がもらえるのも助かります。つまずいたときに、すぐ聞ける環境があるかないかは全然違いますから。

――リプレイスのタイミングでは、b→dash以外のツールも検討されましたか。

間宮:いくつか検討はしました。ですが、ひとつのプラットフォームで、データ統合ができるCDP機能とMA機能を含めたAll in oneのツールって実はあまりないんですよね。

 データ統合のためにCDPを単体で入れて、MAツールや分析ツールにつなげるとなると、個別のコストもかなりかさみますし、データを連携するエンジニアリングにもコストがかかります。なので、検討はしましたが、b→dash と同じ土俵まであがってきたツールはありませんでした。

 今後はすべてのお客様データをb→dashに集約して管理したいと思っています。

 これまでのMAでは実現できなかった施策を実践したいです。入会前にはじまり、入会後の動き、交際の人数や続いている期間など。お客様に最適な情報提供をするために必要な各種データをb→dashにつなげて統合し、ボトルネックとなる数字(KPI)を可視化して、グロースにつなげるような動きを実現していきたい。

 具体的には、入会したお客様一人につき、ARPU(1ユーザーあたりの平均収益)を上げることと、獲得コストを下げることが重要な目標になります。たとえば、継続して利用いただけるであろうお客様候補を獲得できるチャネルをデータで把握し、その上で投資を強化していくつもりです。

 さらに本質的な取り組みとしては、データの活用によって成婚率を高めてお客様の満足度を上げていく施策が挙げられます。

基幹データとの連携が簡単に実現した理由

――b→dash導入後、どんな変化がありましたか。

間宮:キャンペーンが好調でCV率が徐々に上がってきています。また、今までよりシナリオの追加がしやすくなりました。今までまとめてしまっていた施策でも、セグメントを切って細分化して実施できるようになりました。

榊原:ツールの相性が良かったと言えるかもしれませんね。ツールに対して親しみ、扱いやすさがないと管理画面を開くのも億劫になるものですが、それがなくなったのは大きいですね。シナリオが多く作れるほど分析も細かくできるようになります。

間宮:MAツールは導入することでも導入後に配信をすることでもなく、データを可視化して、改善したい数字を明確にし、仮説検証の試行錯誤が大事だと思うのですが、そこがリプレイス前はできていなかった。簡単に試行錯誤ができるようになったことが、成果にあらわれているのだと思います。

――b→dashにCDPが含まれているとはいえ、基幹データをMAに取り込んでいこうとすると、様々なデータソースからデータを抽出・変換・読込するETL作業が発生しますよね。こうしたプロセスはどのように進められているのでしょうか。

間宮:過去のMAでは基幹システムなどのデータをつなぐために開発コストが必要で二の足を踏んでいたのですが、b→dashではcsvのデータをもとに加工して取り込むことができるので、基幹データの取り込みはすぐに実現できました。エンジニアの工数もかからないですし、外部に依頼しなくてもいいのは非常に良いですね。b→dashの「Data Palette(データパレット)」というソリューションを使えば画面上でデータを処理できるようになるそうなので、これからさらにデータソースを増やしていこうと思っています。

 あらゆるデータが統合可視化されることで、今後、「女性会員に人気な属性を持つ男性ユーザーはこの経路で入会することが多く、獲得コストはこれくらい」というようなことが全部わかって、新しい効率的な広告や、CXの立案ができるようになっていければいいですね。

――最後に、今後b→dashを活用してどのようなことに取り組んでいきたいと考えていますか。

間宮:「サービスの満足度」を高めるために入会後、つまりカスタマーサクセスで使っていくのが今後のメインだと考えています。データを縦横無尽に活用してお客様が心から喜んでくれるコンテンツがなにか、それを求めているタイミングはいつかを探求し続けることに真摯に取り組んでいきたいですね。

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2020/06/09 10:00 https://markezine.jp/article/detail/32935