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MarkeZine Day 2025 Retail

「データ保護」と「プライバシー」の観点からデータ戦略基盤を再考する

元広告会社の運用担当者の目線で考える「データプライバシー」と「ビジネス利活用」

そのプライバシ―ポリシーで大丈夫?

 たくさんの企業のプラポリを読んでいると、「あれ?これはいいのか?」と思うプラポリに遭遇しました。あるECサイトを運営している企業のプラポリには、クッキーの取り扱い方針に「カート、お客様自身の購入履歴の表示以外の目的でのクッキーを利用しない」と明記していました。

 そのECサイトを調べてみると、Google広告のコンバージョンタグとリマーケティングタグが設置されていました。この2つのタグはプラポリに明記している「カート、お客様自身の購入履歴の表示以外」に「広告配信」として利用されている可能性が高いと思います。「タグを設置しているだけで広告配信はしていない」という可能性もあり得ますが、いずれにしても消費者からすれば誤解を招く表記なので修正したほうが良いと言えます。

 このプラポリの文言を検索してみたところ、いくつかの企業で全く同じプラポリが見つかりました。おそらく、制作会社が用意した雛形のプラポリをそのまま利用していると思われます。消費者には企業ごとのサービスや商品に沿った、適切な方針を伝える必要があります。誤った方針や誤解を招きかねない方針を伝えてしまうと、企業の信頼失墜につながりかねません。また、プラポリは企業のサービスや取扱商品に応じて定期的な見直しがオススメです。

プライバシーを守りながら、ビジネスで活用するには?

 「リスク回避」以外で、プライバシーがどのようにビジネスで役に立つのかを考えてみました。最近印象的だったのは、新型コロナウイルスの濃厚接触者と接触した恐れのある特定のユーザーに通知を行う仕組みを、 GoogleとAppleの両社による「共同プロジェクト」として発表した例です。一見、デジタル技術に興味が惹かれがちですが、前提として両社のプライバシーが守られていること=「データプライバシーの標準化」が会社とOSを超えたサービスを提供できる要因だと感じます。

 GoogleやAppleと言われると、なかなか自分ごと化しにくいように思えますが、自社のプライバシーを標準化することで、プライバシーレベルを揃えることでき、企業間の連携をスムーズに行うことができると感じます。連携したい企業同士のプライバシーレベルが揃っていない場合、どれだけ良い取り組みがあったとしても実現できない恐れもあります。

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日本におけるプライバシー保護×データ活用【事例:接触確認アプリ】

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この記事の著者

大驛 貴士(オオエキ タカシ)

2012年、株式会社サイバー・コミュニケーションズに入社。Facebook、Twitterをはじめとしたソーシャルメディアの広告運用、APIを活用したツール設計、開発ディレクション、データ収集から分析までを得意とする。2019年6月よりデータの利活用を推進するコンサルティング会社「株式会社DataCurrent」に...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/06/16 09:00 https://markezine.jp/article/detail/33572

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