そのプライバシ―ポリシーで大丈夫?
たくさんの企業のプラポリを読んでいると、「あれ?これはいいのか?」と思うプラポリに遭遇しました。あるECサイトを運営している企業のプラポリには、クッキーの取り扱い方針に「カート、お客様自身の購入履歴の表示以外の目的でのクッキーを利用しない」と明記していました。

そのECサイトを調べてみると、Google広告のコンバージョンタグとリマーケティングタグが設置されていました。この2つのタグはプラポリに明記している「カート、お客様自身の購入履歴の表示以外」に「広告配信」として利用されている可能性が高いと思います。「タグを設置しているだけで広告配信はしていない」という可能性もあり得ますが、いずれにしても消費者からすれば誤解を招く表記なので修正したほうが良いと言えます。

このプラポリの文言を検索してみたところ、いくつかの企業で全く同じプラポリが見つかりました。おそらく、制作会社が用意した雛形のプラポリをそのまま利用していると思われます。消費者には企業ごとのサービスや商品に沿った、適切な方針を伝える必要があります。誤った方針や誤解を招きかねない方針を伝えてしまうと、企業の信頼失墜につながりかねません。また、プラポリは企業のサービスや取扱商品に応じて定期的な見直しがオススメです。

プライバシーを守りながら、ビジネスで活用するには?
「リスク回避」以外で、プライバシーがどのようにビジネスで役に立つのかを考えてみました。最近印象的だったのは、新型コロナウイルスの濃厚接触者と接触した恐れのある特定のユーザーに通知を行う仕組みを、 GoogleとAppleの両社による「共同プロジェクト」として発表した例です。一見、デジタル技術に興味が惹かれがちですが、前提として両社のプライバシーが守られていること=「データプライバシーの標準化」が会社とOSを超えたサービスを提供できる要因だと感じます。
GoogleやAppleと言われると、なかなか自分ごと化しにくいように思えますが、自社のプライバシーを標準化することで、プライバシーレベルを揃えることでき、企業間の連携をスムーズに行うことができると感じます。連携したい企業同士のプライバシーレベルが揃っていない場合、どれだけ良い取り組みがあったとしても実現できない恐れもあります。
