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スポーツ×デジタルマーケティングの現在位置を探る

ライオン保護の啓発が、来場・メディア露出に寄与!西武ライオンズに学ぶ、PR×SDGsの仕掛け方

 プラスクラスの平地氏とともに、スポーツ業界のマーケティングの現状と課題、今後について探る本連載。今回は、スポーツ総合サイト「スポーツナビ」が主催する「スポーツPRカンファレンス」にて最優秀賞を受賞した「SAVE LIONS〜消えゆく野生のライオンを救うプロジェクト〜」についてインタビュー。ライオンの保全活動と球団のPRを絡めた同プロジェクトが成功した理由を、担当者である西武ライオンズ(以下、ライオンズ)の後藤氏に語ってもらった。

創設70周年、球団のシンボルが危機に

平地:まず、「SAVE LIONS」の実施に至った背景について教えてください。

後藤:2018シーズン時に2019シーズンの企画を仕込んでおり、ちょうどその年がライオンズの創立70周年というタイミングだったんです。そのため、未来に向けて球団活動をどのように続けていくかを考えていました。

株式会社西武ライオンズ 事業部 プロモーショングループ マネージャー 後藤 広樹氏

 普段は観客動員増加を目的としたイベントやノベルティの企画を担当。球団内のSDGsプロジェクトを通常業務とは別で携わっていた。

 その中で見かけたのは、野生のライオンが絶滅危惧種であるという内容のニュースでした。球団のシンボルでもあるライオンが絶滅してしまったら、球団の未来にも大きく影響すると思い、その社会課題の解決と球団のコミュニケーションを両立できる企画をベースに考えた結果、出てきたアイデアが「SAVE LIONS」でした。

平地:ライオンが絶滅の危機に瀕している、という現実を目の当たりにしたのがきっかけだったんですね。僕もそうですが、ライオンズのファンの多くの方々も、ライオンが絶滅危惧種であることを知らなかったかと思います。その、球団にも関係のある社会課題を軸にPRを仕掛けていったのは、アイデアとして素晴らしいですよね。

社会的権威の力を借り、啓発と寄付

平地:一般企業の中には、SDGs(持続可能な開発目標)を絡めたコミュニケーションをし始めているところも見受けられますが、スポーツチーム・団体でそこに取り組むところはまだ多くはないと感じています。Jリーグが行っている社会連携活動「シャレン!」など、近い取り組みは出てきてはいますが。球団のシンボルを守るためとはいえ、SDGsを絡めたコミュニケーションになぜ踏み切れたのでしょうか。

株式会社プラスクラス 代表取締役 平地 大樹氏

 Webコンサルティング会社プラスクラス代表。プロバスケ選手引退後、人材業界を経験し、Web業界へ。営業活動一切ナシのWebコンサル事業をプラスクラスとして収益化し、現在はプラスクラス・スポーツ・インキュベーション代表として、スポーツ界にWeb/ITを取り入れることを推進している。

後藤:確かに、スポーツ業界はSDGsに対してまだ比較的後進な業界だと思います。その中で我々が踏み切れたのは、我々の属している西武グループ全体でSDGsの取り組みを推進していたところが大きいです。

 たとえば、ライオンズでは地域活性を目的にしたプロジェクト「L-FRIENDS」を以前より進行していました。その中の環境支援の一環として、ライオンの保護活動にも参加していこうと決断したんです。

平地:素晴らしい。では、実際にどういった取り組みを行ったのか、教えてください。

後藤:「SAVE LIONS」は、野生のライオンが絶滅危惧種である事実や背景などの啓発活動と、野生のライオンを救うための寄付を募る2つの活動から構成されています。そして、我々だけで成し遂げるのは非常に難しいプロジェクトなので、まずオックスフォード大学の野生動物保全調査ユニット「WildCRU(ワイルドクルー)」に協力をお願いしました。

平地:普通に球団内で解決しようとしていたら、なかなか「WildCRU」への協力に行き着かないと思うのですが、どのようにこの団体を見つけたんですか。

後藤:そこは幸いにも外部の方にご紹介いただけました。オックスフォード大学が非常に権威もあり、一緒にプロジェクトを進めていく上での安心感も大きかったです。今回のプロジェクトについても今後の論文に入れていきたいとも言われています。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/07/01 08:00 https://markezine.jp/article/detail/33678

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