1万名規模の集客を見据えYouTubeチャンネルを開設
平地:今回は、川崎ブレイブサンダース(以下、ブレイブサンダース)の集客などのマーケティングを担当している藤掛さんに、同クラブのYouTube活用戦略についてお伺いします。まず、YouTubeチャンネルを始めたきっかけを教えてください。
藤掛:東芝様からDeNAにブレイブサンダースの運営権が承継されて以降、入場者数は1.5倍まで伸び、現在のアリーナのキャパシティである5,000名に迫る観客動員になる日も出てくるほどになりました。そのため、我々は1万名規模のアリーナ設立に向けて動いているところです。
しかしながら、1万名規模のアリーナができるまで現状の施策をやっているだけでは、新アリーナができても満員にするのは難しくなります。そのため、新規ファンの獲得と新しい顧客接点の創出を目的にYouTubeチャンネルを開設しました。
平地:ちなみに、YouTube以外にSNSなどの接点は活用しているのでしょうか。
藤掛:主にTwitterとInstagramを活用しています。ただ、この2つはYouTubeと少し立ち位置が違うと考えています。というのもフォロワーの多くが、一度試合に来場したことのある既存ファンの方が多いので、そういった方のロイヤリティ向上を目的としたコンテンツ発信をTwitterとInstagramでは意識的に行っています。
一方でYouTubeは、まだバスケットボールに興味がない、ブレイブサンダースのファンではない方に興味を持ってもらうためのきっかけとして活用し始めました。
数万のチャンネル登録を早い段階で獲得
平地:ちなみに、いつYouTubeチャンネルを開設したのでしょうか。
藤掛:元々チャンネルはあって、チャンネル登録数も3,000程度はありました。戦略的に運用を始めたのは2019年の8月ごろで、ちょうど丸1年という状況です。
平地:YouTubeチャンネルを拝見させていただきましたが、1年でチャンネル登録数が5万人(2020年9月時点)まで伸びているのはすごいですね。他のクラブはもちろん、YouTubeを活用したい企業にも励みになる結果だと思います。コロナ禍でYouTubeチャンネルを開設するクラブも増えているので。
しかしながら、ここまでチャンネル登録者数を伸ばせたのはなぜなのでしょうか。
藤掛:定期的にコンテンツを更新しながら、成功体験を積み上げられたことですね。一番の成功体験となったのは2019年12月に更新した「【ガチの神回】プロバスケ選手はどれくらい後ろからシュートが決まるのか検証した結果....」です。
藤掛:実は新型コロナウイルスの影響で3月以降撮影が難しくなり、更新頻度が落ちてしまいましたが、2020年3月頃で4万後半のチャンネル登録数に到達しているので、良い結果が出たと捉えています。