アフィリエイト広告のバリューコマース、外部ベンダーと技術連携でアドベリ対応を強化
アフィリエイト広告のリーディングカンパニーであるバリューコマース。累計広告主数6,500社以上、累計登録サイトは85万を超える、日本最大級のアフィリエイトサービスプロバイダーである。
アフィリエイト広告といえば、ECでは鉄板のマーケティング施策のひとつ。コロナ禍の巣ごもり消費やビジネスモデルのDXにより、ECへの新規参入が増加。それに伴い、バリューコマースへの問い合わせや導入も増えていると言う。また、ITPやCookie規制など、プラットフォーマーがよりプライバシーを重んじる方向に向かっていることから、ターゲティング精度や効果測定が従来よりも得られなくなっているという状況もある。アフィリエイト業界では早くからこうした変化に対応し、またコンバージョン課金と広告効果が測定しやすいという特徴から、改めてアフィリエイト広告に本腰を入れようという事業者も少なくないそうだ。
デジタルシフトで活気づくデジタル広告業界において、ホットトピックスのひとつがアドベリフィケーションである。アドフラウドなどの不正によって、本来のマーケティング成果が得られないことやブランド毀損を防ぐための取り組みだ。
バリューコマースでは、掲載先の事前・事後の確認や不正防止の取り組みなど独自のノウハウを駆使することで対策を行ってきたが、今回、アドフラウド・ブランドセーフティ対策それぞれに特化した専門ベンダーと技術連携を実施。バリューコマース アフィリエイトプログラムを利用する広告主は、従来の運用から変化なく、アドフラウド・ブランドセーフティ対策が強化されたサービスを利用できるようになった。
今回の技術連携と取り組み強化の背景を、バリューコマース 田邉浩一郎さんはこう語る。
「モメンタムによる2020年版『アドベリフィケーションに関する意識調査』によれば、アドフラウドやブランドセーフティといったキーワードを認知し、対策をとっているとの回答が過半数となりました。バリューコマースにお問い合わせいただく企業様からも、アドベリへの対応を問われることが増え、関心の高まりを感じていました。バリューコマースではこれまで、信頼のおける大手サイトを中心に掲載メディアとして提携し、広告掲載の際には事前・事後に確認を行うなど独自の対策を行っていました。しかし昨今は、技術の発展に伴い不正手段も複雑化しています。それぞれの分野の専門家と技術連携し、対応を強化するに至りました」
変化を求めているのは広告主だけではない。スマートフォンやSNSにより、デジタル上で消費する時間が増加。それは同時に、消費者がデジタル広告に接する時間が増えたということでもある。
「スマートフォンは自分の手のひらの中で操作するプライベートなものですよね。SNSをはじめ、デジタルメディア内ではコンテンツと広告の距離が近くなっています。自分のプライベートな空間の中で、不快な広告が表示された場合、嫌悪感はいっそう強まるのではないでしょうか。とくにスマートフォンにおいては、ほかのデバイスよりもアドベリフィケーションへの対応は強く求められていると感じます」
複雑化する不正手法 アドフラウド・ブランドセーフティ対策の専門ベンダーとシステム連携で対応
今回、バリューコマースが技術連携によって対策を強化した、アドフラウド、ブランドセーフティとはそもそも何か。バリューコマース 緒方秀寿さんに改めて解説してもらった。
「アドフラウドとは、不正な手段によって広告予算が不当に消化させることを意味します。たとえばクリック課金の広告において、botにクリックさせることで、不当な広告課金を発生させるという手口があります。アフィリエイト広告(成果報酬型課金)の視点では、消費者のブラウザに不正にCookieを付与することで、オーガニック検索経由のものをあたかもアフィリエイト広告経由であるかのように見せかけ、報酬を発生させるという事例もあります。広告主にとっては、不当な広告報酬を支払うことになり、最終的にはROI(投資対効果)の低下につながります。
ブランドセーフティとは、不適切なコンテンツへの広告掲載によって広告主のブランド毀損につながるのを防ぐことです。代表的なブランド毀損の例として、公序良俗に反する不適切なコンテンツにアドネットワークなどを通じて広告が配信されるというものがあります。コンテンツ自体は問題なくとも、たとえば飛行機事故について報道しているページに航空会社様の広告の掲載は控えるといった配慮も求められます。バリューコマースでは、事前・事後に掲載メディアを確認し、提携を判断してきました。しかしながら、提携後に運営方針を変更されたり、コンテンツごとの対応など柔軟性も求められるようになってきました」
技術の発展により不正手段が複雑化、それぞれの分野の専門企業でなければ対応が追いつかなくなってきた。そこで今回バリューコマースは、アドフラウド対策ではSpider Labs (スパイダーラボズ)、ブランドセーフティ対策ではMomentum(モメンタム)と技術連携を行ったのだ。
「企業様に安心してご利用いただくためにも、第三者の視点を入れることが必要だと考え、技術連携を行いました。2社ともに、グローバルで認められる高い技術を持っているのが特徴です」(田邉さん)
Spider Labs は、アドフラウド対策ツール「Spider AF」を開発・提供。米国のデジタル広告の透明化に取り組む認証機関TAG(Trustworthy Accountability Group)の不正防止部門で認証を取得している。モメンタムはアドベリフィケーションソリューションカンパニーで、国内3,000万サイト以上のサイト情報を保有する。TAGのトラステッド・パートナーであり、グローバルで認められる技術力の持ち主だ。
バリューコマースでは、2社とそれぞれデータ連携。バリューコマースから広告配信情報を提供し、自社のデータと突き合わせて不正情報を戻してもらう仕組みを整えた。加えてブランドセーフティ対応で連携したモメンタムは、バリューコマースが提携する掲載先メディアのサイトクローリングも実施する。
今回の取り組みを受け、バリューコマースへの広告主からの問い合わせは急増。既存顧客は「こちらで対応することはないか」と積極的な姿勢を見せ、新規顧客は「こういった取り組みを行っているなら」と導入にさらに前向きになったり、アドベリ対応していない別のアフィリエイトサービスからの乗り換えを検討する場合もあると言う。
「広告は企業にとって投資ですよね。新規開拓など、前向きな活動に投資しようとしているお金が、アドフラウドなどネガティブな手法で費やされてしまう事態を、広告主が避けたいと考えるのは当然だと思います。バリューコマースでは、投資に対して正確な成果をお返しし、さらに前向きなマーケティング活動に取り組んでいただけるようにしたいのです。消費者にとっても、不正な広告を経由しての購入はデメリットです。今回の技術連携で終わりではなく、今後ますます、アフィリエイト広告の透明化に向けて取り組む考えです」(田邉さん)
中長期的な視点で広告主、メディア、消費者にメリットを
不正との戦いは終わりがなく、どちらの技術が先を行くかが問われる一面もあるが、広告主側で対応できる範囲は限られ、バリューコマースのような広告配信事業者の対応が頼みの綱だ。
「アドベリフィケーションは、恒久的な取り組みが必要です。バリューコマースはリーディングカンパニーとして、常に最高水準のアフィリエイト広告をご提供しようと投資を続けています。今回はシステム面での強化でしたが、今後はセミナーやホワイトペーパーなど啓蒙活動も予定しています。広告主にしろメディアにしろ、それが不正だと知らずに、景表法に違反したテキストを書いたり、不正なサイトを作ってしまった結果、メディア審査を通過できなかったといった失敗から、アフィリエイト広告自体をやめてしまうのはもったいないと思います。アフィリエイト広告は費用対効果が高いマーケティング手法ですから、私たちも安心して使い続けていただける環境を整えていきたいと考えています」(田邉さん)
「今回のようなアドべリフィケーションへの対策によって、報酬額が減る、契約不可になるといったご懸念をお持ちのメディアの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、あくまでも不正やブランド毀損につながるメディアが対象であり、真っ当な運営を行っているメディアには影響はありません。中長期で見れば、広告主に安心して使い続けていただける環境を整えることで、メディアの皆様にも還元できるようになります。そのような視点でバリューコマースの取り組みをご支援いただければと思います」(緒方さん)
バリューコマースは、アフィリエイト(成果報酬型広告)によるECサイトへの「集客」と、モール内クリック課金型広告やECサイト運営ツールによる「販売促進」のふたつの強固な軸で、「集客」から「顧客維持」までのトータルソリューションを提供し、コマース事業者の収益最大化を支援するパフォーマンスマーケティングカンパニーです。資料請求・お問い合わせはこちら