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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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現在活躍しているマーケターのターニングポイント

理論と実践の往復で未経験からブランド責任者に フェラーリジャパン遠藤さんに聞く、キャリアの形成術


転職などで修行を続ける理由

MZ:ギャップジャパンでブランド責任者になって、順風満帆と言えるタイミングでフェラーリジャパンに転職されたのはなぜでしょうか。

遠藤:自分自身をアップデートするのが働くことの喜びのひとつだからだと思います。アップデートさせてもらえる機会をいただき、それがその会社、ブランドにとっての課題解決やビジネス成長につながるのであればこんなに素晴らしいことはありません。

 また、私が抜けたポストに入った人がチームを率いることで、その人自身の成長にもつながっていくメリットもあります。そのような循環を生み出すことが、自分にとってはやりがいもあり、達成感もあり、何よりアップデートを続けていないと不安になってしまうのです(笑)。

 その中で、フェラーリジャパンには縁があったのと、フェラーリは間違いなく世界で究極のラグジュアリーブランドですので、その中でオフィシャル・ディーラーの皆様と一緒にリテールマーケティングに携わらせていただき、ブランド活動にも深く貢献できるのは非常に勉強になると思い、今の仕事に力を注いでいます。

直感が行けと告げるなら行くべき

MZ:遠藤さんがキャリア形成の上で大事にしていたことを教えてください。

遠藤:特に大事にしていたのは、先ほどもお話しした理論と実践を行き来することですね。理論というのは道具で、フレームワークや事例、ツール、構造化されたノウハウなど様々なものがあります。それらを駆使すれば仕事の着手も早く、成功確率も高くなり、成功することでチーム内でベストプラクティスとしてシェアすることで、仕組みとして活用することができます。常に様々な理論を実践し、その結果を受けて各社のビジネスにあった形に修正していくことは意識的に行っていました。

 また、自分のできない、やってみたい仕事を積極的に作ることも大事にしていました。専門分野を突き詰めていくこともとても素晴らしいし大事なことだと思うのですが、自分としては自分のできることの幅を広げたいと思っていました。

 そのため、他部署にサポートできることはないかを聞きながら、自分のスキル領域を広げられる形でマーケティング活動に取り組んでいました。

MZ:遠藤さんは新卒から数えると現在が7社目だと思いますが、転職を決めるタイミングやポイントがあれば教えてください。

遠藤:直感が行けと告げるなら行け、ですかね(笑)。研鑽しながらスキルを高めていく中で、転職活動をしたり、求職情報を見たりしているとたまらなくワクワクするオファーに出会う幸運なこともありました。

 もしそんな機会があった際には、自分が求めていること、自分が貢献できること、そして自分に求められていることを考えた上で、最後は自分が決定するべきかとも思います。もちろん家族の意見や、これ始めたらとても忙しくなるだろうな、など考えることはたくさんあるとは思いますが……。

 また、自分の市場価値がどうなっているのか、どういったスキルを手に入れるとパワーアップできるのかという視点を持っておくと転職のタイミングも見えてきやすいと思います。仮に1社の経験でも、様々なスキル会得のチャンスがあるならばそこにいるべきだし、1つの会社に長期間在籍してマネジメントの経験も積んで全方位のマーケターとしてご活躍されているすごい方々はたくさんいらっしゃいますから。

仕事のフロー、業界軸で新しい視点を手に入れる

MZ:今はマーケターキャリア協会のメンターとしても活動していますが、普段はどういった内容の相談を受けているのでしょうか。

遠藤:1番多いのは、自分のしていることとやりたいことのギャップを感じているという相談です。

MZ:それに対し、どのようなアドバイスを?

遠藤:今担当させてもらっている自分の仕事を、戦略や企画、実施という業務フローの縦軸と、同じ職種だけれども違う業界という横軸で見るようにアドバイスしています。その上で、今のやり方で自分のやりたいことができるのか、またはできるようになりそうなのか、もしくは視点を変えて違う場所に移ることで新たなスキルが身に付くのかを見直して行動する、というお話をしたりしています。

 たとえば、広告代理店でデジタル広告のオペレーションをしているなら、戦略や企画部分に携わる方法を考えたり、自分が担当している会社とは違う業界のプロジェクトのお手伝いを率先して行ったりする。時と場合にもちろんよりますが、自ら新しい未知の領域に飛び込むことで得られる視野、経験、そしてスキルが得られることもある、とお話ししています。もちろん移ることが全てではありません。

MZ:最後に、遠藤さんからキャリアに悩むマーケターにアドバイスをお願いします。

遠藤:支援会社から事業会社に行くとき、事業会社側で期待されているのは、支援会社で培ったその専門分野のプロフェッショナルであること、という点です。事業会社ではどうしてもわからない、できないことをどうプロとして解決できるか。そしてそれはキャリアアップの突破口にもなります。

 私自身もギャップジャパン時代はデジタル担当からスタートしながらも、領域を自ら広げながら課題解決に取り組ませていただき、視座を高めるチャンスをいただいて成長させてもらいました。

 様々な部署の課題を教えてもらい、自分ができる解決策を提供しながら自分自身も成長する。そんなやりがいを感じることができれば、マーケターとしてとても幸せなことだと思っています。そんな仕事の見方、というものもぜひ考えてみてはいかがでしょうか。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/12/01 22:12 https://markezine.jp/article/detail/34917

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