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現在活躍しているマーケターのターニングポイント

一般社団法人渋谷未来デザインの長田さんに聞く、マーケターのキャリアに存在する新しい選択肢

 マーケターキャリア協会とのコラボレーション連載「現在活躍しているマーケターのターニングポイント」。第11回となる今回は、渋谷未来デザインの理事、事務局長を務める長田新子さんに取材を行いました。レッドブル・ジャパンでCMOを務めていた経験を持つ長田さんがなぜ渋谷の街づくりに携わっているのかなどを聞き、マーケターのキャリアの新しい選択肢を明らかにします。

新卒では入社せず海外へ

──まず、長田さんの現在の職務について教えてください。

 私は現在、渋谷未来デザインという一般社団法人の理事、事務局長を務めています。渋谷未来デザインは、渋谷という街の様々な可能性をデザインするプロジェクトを構想し実験・実装しています。産官学民と渋谷が持つリソースをつなぎ、これからの渋谷の街づくりを行っています。具体的には、SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYAという都市フェスやストリートスポーツの振興やマナー啓発に関する活動、最近だとバーチャル渋谷を運営する渋谷5Gエンターテイメントといったプロジェクトなどを率いてきました。

一般社団法人渋谷未来デザイン 理事・事務局長 長田 新子氏

 その他にも、個人としてNEW KIDSという会社を立ち上げ、マーケティングやPR関連のアドバイザーを行ったり、メタバース領域を推進する団体(Metaverse Japan)の代表を務めたりしています。

──街づくりから複数企業のマーケティング支援まで、様々なお仕事をしている長田さんですが、ご自身のキャリアを振り返ったときにターニングポイントだったと思う点を教えてください。

 最初のターニングポイントは、新卒での就活をやめて、海外に留学したことですね。元々イギリスの音楽やカルチャーが好きで、長期休みはずっと海外に滞在していました。そんな学生生活を送っていたこともあり、海外と日本をつなぐ仕事がしたいと思ったものの、具体的に何がやりたいのかイメージできておらず、それなら海外で留学しながら考えようと思い立ちました。

 親に相談したところ、喜んで受け入れてくれ、イギリスのカレッジに行き1年半ほど過ごしました。

──当時新卒で会社に入らないというのは、相当イレギュラーなんじゃないですか。

 そうですね、当時は20代前半の留学帰りの私を中途で採用してくれるような日本企業もほとんどなかったです。そのため、外資を中心に就職先を探していたところ、通信会社のAT&Tと縁があり、入社することができました。

狙わず会得したマーケティングのスキル

──ファーストキャリアとなるAT&Tでは、どのような経験が得られましたか。

 AT&Tでは、アシスタントを経て営業を経験し、その後プロダクトマーケティングに携わりました。これが私とマーケティングの出会いでした。当時のAT&Tで私が所属する組織も大きくなかったので、20代ながら様々なことを失敗してもチャレンジさせてもらえました。結果、当時担当していた製品を国内ナンバーワンにすることに貢献できました。

 そして、海外市場から国内市場に製品を投入していく仕事に魅力を感じた私は、次の会社としてノキアを選びました。ノキアのモバイルインターネット技術を国内市場のスタンダードにできるよう、プロダクトマーケティングに取り組みました。

 ただ、そのプロジェクトが撤退することとなり、チームが解体となってしまいました。居場所をなくした私は、AT&T時代の先輩がいる広報部になんとか拾っていただけました。

 当時はPR・広報にそこまで興味はありませんでした。でも、ゼロから学んでPRとブランドコミュニケーションに関するスキルを身に付けられたのは、今後のキャリアにも大きく影響しているので、ターニングポイントだったと思います。

 広報部で身に付けたスキルと実績を評価いただき、レッドブル・ジャパンに転職することができました。当時はエナジードリンクというカテゴリーも存在していない状況でしたが、市場を作るところからマーケティング全般を統括していました。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/04/21 08:30 https://markezine.jp/article/detail/38716

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