CMOから一般社団法人の理事になった理由は?
──レッドブル・ジャパンには10年在籍されたとのことですが、なぜ渋谷未来デザインに転職を決めたのでしょうか。
これまで、ずっと外資企業にいたのですが、もっと日本に根付いた活動を行いたいと思ったのがきっかけです。レッドブル・ジャパン時代も、地方自治体と地方創生を目的としたコラボレーションを行ってきましたが、日本の企業・団体でそういった取り組みをしたいと考えるようになりました。
その中で、「渋谷の街づくりに関する新しい組織を立ち上げる」と相談をいただき、私がやりたいと思っていたことなので、組織の設立準備から手伝うことを決めました。
半年間ボランティアで関わっていた時に、複数の企業のマーケティング・PRからお話をいただいたこともあり、起業する準備も同時に進めました。個として経験を活かしながら稼げるようになることや、様々な相談にも対応できるよう設立した会社がNEW KIDSです。

ポジティブな転職をするために意識していたこと
──転職してきた社名や職種だけ見ると、つながりがなさそうに見えますが、実はすべて地続きになっているんですね。自身のキャリアプランを考えたり、転職したりする中で意識していたことはありますか。
ネガティブな転職はしないことです。そのために、常に「自分のやりたいことが何か」を考えていました。ノキアに転職する前も携帯に携わる仕事をしたい、レッドブル・ジャパンに転職する前も、FMCGのブランドの立ち上げに携わりたいと思っていたので、ポジティブな気持ちで転職できました。
また、仕事のおもしろみや余白を作ることを意識していました。転職先がずっと異なる業種でしたが、そうするとこれまでの経験や知識が半分程度しか活かせません。結果的に、新たな学びが得られます。
NEW KIDSではスタートアップの仕事も受けていますが、まだまだ知らないことも多くて刺激的ですね。
──異業種の転職は、キャリアの選択肢を広げるチャンスがあるのだと感じました。マーケターがスキルやキャリアを鍛えるために、必要なことはなんだと思いますか。
2つあって、1つはミーハー力です。私は元々ミーハー体質のオタクで、マンガやアニメ、スポーツに関する情報は日々キャッチアップしています。このミーハー力は、全方位的に世の中を見る必要があるマーケターの仕事にも活きています。これから出てくる新しいものを知ろう、試そうとできるかは重要です。
もう1つは多様性を受け入れる力です。レッドブル・ジャパンでは社内にDJがいるなど様々な個性を持った人材がいました。そのため、新しい施策を考える際も異なる考えが生まれやすいんですが、考え方が違う人の言葉も受け入れるようになりました。
それ以降、できるだけ同じ考えの人たちだけで固まらず、多様な人材、環境を求めるようにしましたね。