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現在活躍しているマーケターのターニングポイント

Facebook中村さんに聞く、グロース志向でキャリアを広げる方法

 マーケターキャリア協会とのコラボレーション連載「現在活躍しているマーケターのターニングポイント」。第10回となる今回は、Facebook Japanの執行役員を務める中村淳一さんにインタビュー。キャリアを意識的に作るのではなく、自らを成長させるためのスキルを追い求めてきたグロース志向の中村さんから、マーケターとして成長するためのヒントを探りました。

グローバル人材の優秀さに打ちのめされた若手時代

MarkeZine編集部(以下、MZ):今回はFacebook Japanの中村さんのキャリアについて振り返り、キャリア形成のヒントを探ります。まず、中村さんの現在の職務について教えてください。

Facebook Japan株式会社 執行役員 マーケティングサイエンス ノースイーストアジア統括 中村 淳一氏

中村:現在Facebookでマーケティングサイエンスという部署の日本と韓国を統括しています。データサイエンスを駆使して、クライアントや広告代理店のマーケティング費用の投資対効果を高めるお手伝いをしています。また、広告代理店の皆様とは新しいソリューションの開発やデータ連携などの取り組みを進めています。

 直近では、CookieやIDFAをはじめとするユーザープライバシーに起因するアドエコシステムの変化、その対応策についてアジア全域で担当しています。

MZ:グローバル規模でFacebookのデータサイエンスを推進する中村さんですが、ご自身のキャリアを振り返ったとき、どこがターニングポイントだったと思いますか。

中村:大きなターニングポイントとしては3つあります。1つ目は、ファーストキャリアであるP&Gに入社直後での挫折経験です。P&Gに入社してから1年半近くが経ち、いくつかのブランドでマーケティング戦略に携わり、担当ブランドのヒットなどで少し自分の仕事に自信が持てるようになっていました。

 しかし、アジアの各拠点の若手メンバーが集まるカンファレンスがあり、そこで各メンバーと交流すると自分よりも優秀な同期が海外にたくさんいることがわかり、打ちのめされたのです。ここから、グローバルで活躍できる人材になりたいと思うようになりました。これが1つ目のターニングポイントです。

マーケティングスキルでビジネスを伸ばせる人になりたい

MZ:では、続いて2つ目のターニングポイントを教えてください。

 2つ目は、マーケティングコミュニケーションだけではビジネスを伸ばすには足りないと思えるようになった、2つの経験をしたことですね。

 1つは新商品がヒットする確率を上げるプロジェクトへの参加です。P&Gでは衣料用洗剤、住居用洗剤、ヘアケア、ベビーケア、当時はペットケア含め、多種多様のカテゴリーがあるのですけれど、日本の社長の直属で、各カテゴリーが新商品がヒットしない根本原因を見つけ、カテゴリーごとのジェネラルマネージャーと議論してプランを立てていきました。しかし、セールスチームの店頭プランニングの問題から競合を意識しすぎた事による現場のモラルの低下まで、カテゴリーによって原因が多種多様でそれぞれのカテゴリーで施策を変える必要がありました。

 これは私にとって非常に衝撃的な経験でした。データやマーケティングコミュニケーションだけでビジネス課題は解決できるものではなく、ビジネスを動かしているのは社員なので、組織のカルチャーや能力など様々なところに課題が起こるのです。ビジネスを本当に伸ばすためには、そういった様々な経営課題をすべて解決しなければならないということに気付けたのはとてもよかったです。

 実際に2年以内にヒット率は100%になり、利益率の向上にも非常に貢献でき、社内でも表彰を受けました。そのため、マーケティングコミュニケーションの手法も大事ですが、ビジネスを伸ばすのは組織やカルチャー、人々のモラルなども重要だと学べました。

 そしてもう1つの経験は、小売との協働マーケティング時代のことです。目の前の1時間のミーティングの中で大きな金額がどんどん動いていくことに衝撃を受けました。本社にいた時のマーケティングコミュニケーション戦略とはなんだったのかと。マーケティングとは何なのかを真剣に悩みましたね。

 多分社内の組織論にしてもセールスの現場にしても、その重要性を頭だけでなく体感し、肌感ができたから今の私があるんだと思います。

 この2つの経験を経て、マーケティングコミュニケーションスキルはベースとしつつも、他のスキルも総動員してビジネスの成長にコミットするという気持ちが作られました。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/05/31 08:00 https://markezine.jp/article/detail/36396

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