プロ野球ファンの行動から見えてくるインサイトとは?
これまでの連載では、withコロナ時代の消費者やオフィスワーカーの行動変化を分析してきました。行動データを読み解くことは、状況が常に変化し続ける中での消費者インサイトやエリア特性の理解につながる重要なアプローチと言えるでしょう。今回は、北は北海道、南は九州という地域性が豊かなプロ野球というエンターテイメントに注目。公式戦ホームゲームの観戦に足を運んだ人を“ファン”と捉え、コロナ禍前後での行動の変化や地域性の違いを明らかにしていきます。
本記事で扱う内容
- ・新しい生活様式の前後で、球場に足を運ぶ人の属性に変化はあったのか?
- ・ファンたちはどんな嗜好性をもっている?(グルメ、ショッピング、エンタメの傾向)
- ・試合を観戦した日に立ち寄る場所は変わった?
- ・コロナ禍中のオフシーズンの過ごし方は?
【分析概要(1):プロ野球ファン基礎分析】
- ・対象:関東、関西所在球団ファン(※1)
- ・項目:性別、年代、行動DNA(※2)(グルメ、ショッピング、レジャー・エンタメ)
- ・期間:2019年シーズン(コロナ禍前)、2020年シーズン(コロナ禍後)
※1:各球団主催の公式戦ホームゲームの観戦者を、個人を特定できない統計化された行動データから推定。
※2:消費者が外出時に訪れる場所を約200の場所カテゴリに分類。行動情報を個人を特定できない状態で統計化した上で、指定した期間内で消費者が足を運ぶ割合を偏差値化したunerry独自の指標。
コロナ禍前後で観戦者の“年代”に変化が
まずは性別、年代から見ていきましょう。性別に関しては、関東、関西の球団ともに男性ファンの割合が高いものの、関西の球団のほうが女性ファン比率が高い結果となりました。また、コロナ禍後に女性ファンの比率が関東・関西ともに微増の傾向があります。さまざまな要因が考えられますが、スポーツがもつエンターテイメントが幅広い人に親しまれている傾向にあるといえます。
年代構成についてはコロナ禍前後で大きく変化しており、50~60代の構成率が高まりました。スマホネイティブな若年層のライトファンは動画配信サービスなどに移行し、コアファンだけが残った可能性があるといえます。
ここからは、ファンたちの嗜好性をより詳しく探るべく、グルメ、ショッピング、エンタメの傾向について見ていきましょう。