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月間アップセル売上が約4倍に!「顧客絶対主義」のノース・モールが実現した、寄り添うコンタクトセンター

すべての顧客情報を一元管理、「代理ログイン」で細やかに対応

 同社はまず、電話受注、書面受注、WEB受注と、すべての購買情報をCommerce Cloudに、顧客対応の履歴をService Cloudに一元集約する仕組みを構築した。2つのシステムは「代理ログイン」機能でシームレスに情報を確認することができるため、たとえば電話対応を行う際にService Cloud上でこれまでの対応履歴を確認しながら、Commerce Cloud上のユーザーの購入履歴やお気に入り商品を確認するといった対応が可能になる。

連携イメージ
連携イメージ

 これにより、コミュニケーションセンターの受注オペレーションが大きく変化した。これまでは受注電話が鳴ったときに、どのユーザーからのコールかわからなかったため、電話を受けてから情報を検索して慌てることが多かったというが、落ち着いて丁寧に対応できるようになったという。

 「CTI(電話受発信システム)でCloud型のPBX(電話交換機)とService Cloudを連携したことにより、コールが鳴った瞬間から顧客情報がわかるようになりました。ユーザーの情報を理解した上で会話できるようになり、ユーザーに寄り添った対応ができるようになりました」(小山氏)

 特に中西氏は「代理ログイン機能」の使いやすさを実感しているという。同社のユーザーは高年齢層が多く、受電対応は注文のみにとどまらない。ECサイトでの注文後に、不安な気持ちを抱えて電話を掛けるユーザーも多いそうだ。

 「『ECサイトで注文したのだけれど、ちゃんと注文できていますか』とか、『IDとパスワードを忘れてしまったのだけど、どうしたらいいんでしょう』といった問い合わせが多いんです。これまで、こういった問い合わせを受けた際には、お客様の情報を聞いたうえで一度電話を切り、他部門へ問い合わせてから折り返すという流れでした。

 しかし「代理ログイン」機能を使うことで、各コミュニケーターはService Cloudにログインしたまま、Commerce Cloudにアクセスできるため、ユーザーの注文履歴などをすぐに確認できるようになり、お客様の要望にスピーディーかつ的確に応えられるようになりました」(中西氏)

アップセル売上が約4倍に

 コミュニケーター自身で完結できる業務が大幅に増え、担当部署へ対応依頼をするのは、「着用感を知りたい」「再入荷時期が知りたい」といったすぐ回答できない問い合わせだけに減らすことができた。その際も、Service Cloud上で電子申請するだけで、担当部署へ伝えられるのだという。

 「以前は、内線電話をかけたり、問い合わせ票と呼ばれる紙の書類を作成して担当部署に直接持参したりするなどして対応していました。お客様が当然抱くお問い合わせに、最小限の時間と手間で対応できるようになり、そこでできた時間を他の業務に使えるようになりました」(中西氏)

 こうした仕組みを取り入れたことで、コミュニケーター全体の意識が大きく変わり、ユーザーのことを第一に考えて寄り添い、ニーズを深堀りするようになったという大きな変化があった。

 「以前はカタログに掲載された商品の中から注力商品を決め、どのお客様にも同じようにお薦めしていました。しかしお客様との対応履歴を参照したり、Commerce Cloudの『リコメンド機能』を使うことで、お客様の購入商品やお気に入り商品をもとに、一人ひとり異なる商品をお薦めできるようになりました。ユーザーとの会話の量も質も高くなっています」(中西氏)

 リコメンド機能を使ったり、ユーザーとのコミュニケーションの質が高まったことで、直近の3ヵ月では月間平均150~200万円近くのアップセルが実現。Salesforce導入前の半年間の月間平均アップセル金額が50万円ほどだったとのことなので、約3~4倍のアップセルが実現し、お薦めする商品も200種ほどまで増えたという。

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これまでの対応記録を会話の糸口に

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この記事の著者

石川 香苗子(イシカワ カナコ)

ライター。リクルートHRマーケティングで営業を経験したのちライターへ。IT、マーケティング、テレビなどが得意領域。詳細はこちらから(これまでの仕事をまとめてあります)。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/03 10:00 https://markezine.jp/article/detail/35220

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