【2】次世代インフルエンサーの鍵は「聴感上のタレント性」
2つ目のキーワードは、「聴感上のタレント性」です。
コロナ禍以降、芸能人のYouTube進出が目立っていますが、トップランカーである「中田敦彦のYouTube大学」は、チャンネル開設以来、驚異的なスピードで登録者数を伸ばし、現在は340万人を突破しています。中田さん自身のインプット量とまとめる力はさることながら、最大の魅力は、その“話術”なのではないでしょうか。テレビや動画の“ながら視聴”が当たり前になっている現代において、「ずっと画面を見ていなくても、音声だけでおもしろい」というのが、ヒットコンテンツの1つのポイントになっているのです。
このような聴感上のタレント性で影響力を増している例は、他でも見られます。SNSトレンドの研究機関「memedays」が、2021年トレンド予測の芸能人・インフルエンサー部門1位に選出した花江夏樹さんは、アニメ『鬼滅の刃』で主人公・竈門炭治郎役を演じる実力派声優ですが、豊かな表現力を駆使した実況動画が人気を博し、自身のYouTubeチャンネル登録者数は185万人以上を誇ります。その他にも宮野真守さん、杉田智和さんといった人気声優が続々とYouTubeに進出しており、ファン層を拡大中です。

また、いまや若年層のトレンドを続々と生み出しているTikTokでは、「ほのぴす」「ヒヨごん」といった、独特なしゃべり口調やワードセンスが魅力的な新世代スターが注目を集めています。前述した中田さんや花江さんのような、声やしゃべりのプロではありませんが、1フレーズ聞いただけで聴く人をひきつける力があり、SNS上で真似する人も増えていきそうです。
視覚に比べ、聴覚領域のコンテンツは可処分時間に余力があるといわれており、一度気に入れば日々のルーティーンに組み込まれやすくあります。今後、「耳で魅了できるインフルエンサー」の影響力は、ますます強まっていくでしょう。
【3】SNSマーケティングの鍵は「インスタのGoogle化」
3つめのキーワードは、「インスタのGoogle化」です。
2020年11月から英語圏6カ国(アメリカ、イギリス、カナダ、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド)でスタートした、Instagramのキーワード検索機能は、今後のデジタルマーケティングで大きな変革をもたらすかもしれないとマーケターの間で既に話題になっています。

これまでにも若い女性の間で「ググる」に代わる言葉として「タグる」が流行り、既に検索ツールとしてのポジションを確立していたInstagram。アカウント、位置情報、ハッシュタグのみの検索に留まっており、AND検索(#fashion+#springなど)はできませんでしたが、キーワード検索が解禁されることで、タグのありなしに関わらずすべての投稿が対象となり、複数ワードを組み合わせた検索も可能になります。
そこで気になるのは、検索の精度です。以降はアメリカ在住のトレンダーズ社員が実際に使ってみた様子をご紹介します。