順調に育ったアカウントならではの課題
いいたか:コロナ禍で飲食業界が逆風にさらされている中、丸亀製麺さんではテイクアウト参入などにいち早く取り組み、ニューノーマルに対応されてきました。成功の影には、SNSをはじめとしたデジタル施策の力もあったのではないかと思います。現在はTwitterのフォロワー数が94万人以上と非常に多いですが、このような盛り上がりに至るまでには、どのような課題がおありだったのでしょうか?
小西:私が入社した時には、丸亀製麺の公式Twitterアカウントは既に存在していて、フォロワー数は28万人ほどでした。フォロワーの数は今より少ないものの、熱量の高いUGCも出ていて、エンゲージメントもフォロワー数に対してはとても多く、お客様から良い反応をいただいている状態ではありました。
小西:熱量の高いお客様をベースとして、さらにフォロワーを集め、より多くのお客様とコミュニケーションを可能にするアカウントにしたいと考えていたのが2019年の秋頃。エンゲージメント率を保ちつつ、フォロワーを増やし、来店につながることを目指していました。しかし、一般的には、フォロワーが増えていくと、エンゲージメント率は下がってしまいがちです。熱量を保ちつつ、新しいお客様も巻き込んでいくことが当時の大きなチャレンジでした。
また、喫食機会が多い「うどん」という食べ物に対して、自分のおすすめ商品や好きな食べ方を伝えたい方は多いと感じているので、公式としてファンの方々に反応いただけるネタをいかに提供し続けるか、というテーマを持ち続けています。弊社のブランドキャラクターを守りながら、SNS上でお客様が自分事化して楽しんでもいただけるような表現や施策を常に考えていますね。
1日2投稿、毎月60リツイートでUGCの見本を提示
いいたか:エンゲージメントを保ちつつ規模を大きくするために、どのような施策を行われてきたのでしょうか。まずはオーガニックの運用の観点でうかがえますか。
増岡:元々オーガニックでUGCが出続けてはいたのですが、うまく活用できていませんでした。そこで、投稿されたUGCに対してしっかりと丸亀製麺アカウントが反応し、良いUGCをフォロワーに紹介する運用に取り組み、さらにUGC数を増やしました。
秋山:具体的には毎日2投稿、1ヵ月につき60のUGCをリツイートし、「こんな風に丸亀製麺の体験を楽しんでいただきたい」という想いでフォロワーにご紹介していきました。
小西:UGCを活用した運用を行わなければと思っていたものの、実施していくためのノウハウや効果計測の方法が明確に定義できていませんでした。具体的な基準やアクションを取るべきベストタイミングのノウハウを理解し、限られたリソースで効果を発揮することを目指しました。その後の安定した運用と成果から振り返ると、ノウハウに基づいた施策を実行したことで、少数精鋭でも結果を出すことができたと考えています。