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Yahoo!広告活用の今を追う(AD)

ヤフーの検索広告でCPAを3分の1に!freee×アイレップの予測LTVに基づいた自動入札のフル活用

 インハウス運用からアイレップによる代理店運用にシフトしたfreeeのYahoo!広告 検索広告の活用についてインタビュー。freeeでWeb広告を担当する阿南氏とアイレップの青山氏に、Yahoo!広告の効果を最大化する秘訣を聞いた。

freeeがインハウス運用から代理店運用にシフトした理由

MarkeZIne(以下、MZ):freeeは元々インハウスでYahoo!広告を運用していたところを、アイレップによる代理店運用にシフトされましたね。その背景について教えてください。

阿南 佑樹氏
freee株式会社 スモールビジネス事業本部 マーケティング 阿南 佑樹氏

阿南:代理店運用にシフトした背景には、「個別最適化」と「効果改善の頭打ち」がありました。個別最適化に関しては、個人向け経理・申告ソフトや法人向け経理・会計ソフト、人事労務ソフトなど各プロダクトのマーケティング担当がインハウスで広告運用を行っていたことにより、施策が個別最適に陥っていました。

 予算もプロダクトごとに割り振られており、全社で見直したときに予算配分が正しいのかを横串で見られていないことも課題になっていました。

 もう1つの効果改善の頭打ちに関しては、インハウス体制でもある程度の広告効果は得られていたものの、各メンバーが他の業務を並行しながら広告運用を行っていたこともあり、大きくブレイクスルーができないという課題がありました。

freeeがYahoo!広告運用に関して抱えていた3つの課題

MZ:では、続いてアイレップの青山様にうかがいますが、freeeのYahoo!広告運用に関して、どのような課題があったのでしょうか。

青山:大きく3つの課題がありました。1つ目はマッチタイプの完全一致比率が高かった点です。Yahoo!広告では部分一致キーワードを拡大していくことが運用のポイントとして提唱されていますが、freee様のアカウントでは部分一致の活用が上手くできていない状況でした。

 2つ目はアカウント構造が現在のYahoo!広告に最適化できていなかった点です。Yahoo!広告のパフォーマンスを上げるために、アカウント構造をシンプルにすることは欠かせません。freee様は非常に細分化されたアカウント構造だったので、統合していく必要がありました。

 そして、3つ目は、自動入札の導入が進められていなかった点です。自動入札はYahoo!広告の効果を高める上で非常に重要な機能ですが、freee様は手動入札で運用されていました。

Yahoo!広告の効果向上に効く3つの改善策とは

MZ:では、マッチタイプ、アカウント構造、自動入札の未導入という3つの課題に対し、どのような対策を行ってきたのか教えてください。

青山:マッチタイプに関しては、完全一致で絞り込んだキーワードは踏襲しつつ、獲得につながりそうなキーワードを部分一致で1つずつ追加して検証することを繰り返し、段階的にキーワードを拡大しました。また、部分一致を単一ワードで行った場合、関係のないキーワードでの流入も起きやすいので、クエリの除外も細かく行いました。

青山 友樹氏
株式会社アイレップ プランニング&クリエイティブUnit
ストラテジックプランニングDiv Division Manager 青山 友樹氏

 部分一致で拡張すべきキーワードの精査というのは、定期的にモニタリングする必要もあり非常に工数がかかります。インハウス運用ではカバーするのが大変な部分を我々が担うことでバリューを出せたと思います。

 またアカウント構造に関しては、自動入札がワークしやすくなるよう統合を進めました。具体的には、キャンペーン数が多く細分化されたところをまとめて、一部別でモニタリングしたいキーワードに関しては切り出して運用する形をとっていました。

 そして自動入札に関しては、これまで細かく手動で運用していたことと、確定申告が近いなど時期的要因もあり、いきなりすべて自動入札にするのは抵抗があるとfreee様より相談いただきました。そのため、会計領域なら確定申告などの繁忙期が来る前に検証を実施し、パフォーマンスを確認した上で自動入札の導入を進めました。

MZ:ちなみに、部分一致のキーワードは、どのようにして探してきたのでしょうか。

青山:Yahoo! JAPANの持つビッグデータを活用しながら候補を洗い出しました。たとえば、会計領域の最大繁忙期である確定申告の始まる数ヵ月前から、「確定申告」とどのようなキーワードを掛け合わせて検索するユーザーが多いのかを調べ、アプローチしておくべきキーワード候補をfreee様に提案しました。

 コロナ禍の影響もあり、新たなキーワードとして「副業」や「eTax」、「ふるさと納税」の検索ボリュームが伸びていたことから、拡大を検討しました。

登録→課金の自動レポーティングを実現

MZ:3つの改善以外に、工夫した点があれば教えてください。

青山:今回の事例で成果を出すために欠かせない工夫として、KPIの変更が挙げられます。元々freee様はアカウントの登録数と課金数をKPIとしていたのですが、課金数はCookieベースの登録のため、レポートの正確性が低く、正しく登録から課金への移行をモニタリングできていない状況でした。

 そこで、我々がユーザーの登録から課金までの動きをモニタリングできる仕組みを構築し、LTVの可視化を実現しました。KPIを「登録」から「予測LTV」へと変更し自動入札のシグナルとして活用できる環境を整えたことで、自動入札を利用した理想的な運用にスイッチすることができました。

MZ:阿南様はこのKPIの変更に関してどのように感じていますか。

阿南:事業としては売上につながる「課金」を最大化したいです。ただ登録から課金のタイムラグがあることを踏まえると自動入札で課金を最大化するのは難しいと考え、自動入札の導入を避けていました。

 しかし、今回アイレップ様の提案では自動入札で登録数を伸ばしつつ、きちんと登録から課金をシームレスにモニタリングできる仕組みを導入いただいたことで、Yahoo!広告運用が大きく改善できました。

すべての領域で広告成果を大幅改善

MZ:では、両社が施策によって得られた成果を教えてください。

阿南:どの領域も前年比で広告の費用対効果が想定以上に改善しました。市場の成長と比べても非常に良い数字だったと感じています。この成果をインハウスで実現するのは難しかったと思うので、アイレップ様との取り組みの成果だと認識しています。

 冒頭にお伝えした個別最適化という課題に対しても、アイレップ様は全体を見て優先順位を付けながら施策を提案してくださるので、非常に良いパフォーマンスが発揮できていると考えています。

MZ:市場に比べても大きな成果が出ているとのことですが、具体的な数字で改善した部分はありますか。

 登録に関するCPAに関しては、3分の1近くになったこともありました。これは自動入札と評価モデルの変更が大きいですね。

MZ:青山様は今回の成果をどのように捉えていますか。

青山:freee様のようなSaaSを提供する企業の方は、登録から課金のタイムラグに対して課題を感じているケースが多いと思います。その中で今回の事例は非常に大きな成果を出すことができましたし、新しいモニタリングの仕組みを確立することができたと思います。

媒体の推奨機能は積極的に使うべき

MZ:今回の施策を通じて得られた気づき・学びはありますか。

阿南:大きく2つあります。1つは媒体が推奨している機能は積極的に使うべきということ。もちろん、自社に合った形で導入することが重要なので、今回アイレップ様に協力いただいたことで、自社のビジネスを最大化できる運用体制が築けたと思います。

 もう1つは、事業にどれだけ貢献しているかを見える化する仕組みの重要性に気づけたことです。今回のモデルによって、登録したユーザーがどれだけ課金につながっているのを見ることができました。このように、事業貢献につながるKPIを追える、改善できる仕組みを今後もブラッシュアップして作っていきたいです。

青山:課金のタイムラグがあるという課題に対してチャレンジングな仕掛けをできたのは非常に学びになりました。特に登録から課金の評価モデルを作る点に関しては、ヤフー様も巻き込んでできたのが非常に良かったと思っています。また、今後も直近の目標を達成するために運用をサポートできればと考えています。

MZ:では、最後に今後どのようにYahoo!広告を活用していきたいか教えてください。

阿南:マーケティングをする上でYahoo! JAPANが大事な媒体という認識が強まりました。また、今後データの活用はますます重要になってくると思っています。そのため、Yahoo! JAPANの持つデータや提供しているソリューションを上手く活用して、自社のマーケティング課題を解決していきたいです。

青山:直近では、Yahoo! JAPANの行動ビッグデータを分析できるデスクリサーチツールの「DS.INSIGHT」を活用し、プランニングやクリエイティブ制作のヒントを得ています。このように、今後もYahoo! JAPANのビッグデータを検索広告以外のマーケティング領域でも活用していきたいです。また、Yahoo! JAPANの新しい機能などはどんどんキャッチアップしていきたいと考えています。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/06/30 16:40 https://markezine.jp/article/detail/36222