SNSの広告を見て買われている商品は世代・性別ごとに違う
それでは、具体的に消費者はどのようなものをSNSで買っているのでしょうか。
今までに購入したことのある商品やサービスをジャンルごとに調べました。以下はその回答をまとめたグラフです。

この結果から、SNSの広告を見てよく買われているのは「食品・飲料」「ファッション関連」「コスメ・美容関連商品」「家電製品」「スマホ・PC機器」だと分かります。これらの商品がSNS広告と親和性の高いジャンルといえるでしょう。
性世代別に見てみると、Z世代の男性は「スマホ・PC機器(53.8%)」「ゲーム・アニメ・ホビー関連商品(42.3%)」、Z世代の女性は「ファッション関連(71.9%)」「コスメ・美容関連(68.8%)」、X世代の男性は「家電製品(54.7%)」「車・バイク関連商品(35.9%)」、X世代の女性は「コスメ・美容関連(59.6%)」が突出していました。
特にZ世代の女性は、先にあげた「ファッション関連」「コスメ・美容関連」の他にも、「家電製品(46.9%)」「漫画・雑誌・書籍(37.5%)」「文房具(34.4%)」で他の世代よりも割合が高くなっており、幅広いジャンルのものをSNSで購入している傾向が見られます。
Instagramは投稿よりもストーリー、映えから日常のつぶやきへ
あるSNS関連調査で、こんな声を聞きました。
「最近はInstagramで投稿する回数が減った。代わりに、ストーリーの投稿は増えた」
詳しく聞くと、コロナ禍で家にいることが多くなり、投稿する内容やネタがなくなったことや、自粛ムードの中、外出時の投稿がアップしにくくなったことが理由だと言います。その後の調査でも、同じような声を聞く機会が多々あり、これはSNS、特にInstagramにおける変化なのではないかと思いました。
そこで実際に、ストーリーと通常投稿の頻度がどのような状況なのかを確認しました。以下はInstagramの通常の投稿とストーリーの頻度を聞いたグラフです。

ここでは週1回以上投稿している割合を比較して見ていきます。Y世代はそこまでの違いはないものの、Z世代の通常の投稿が33.5%であるのに比べて、ストーリーの投稿は46.1%と、明らかにストーリーの方が多くアップされていることが分かります。
つまり、Z世代においては、ストーリーの利用が増えたことにより、閲覧頻度も上がっているため、広告においてもストーリーの優先度を上げていく必要があると考えられます。なぜなら、広告は人々の目に留まる必要があるからです。
先ほど紹介したデータでは、SNSの広告を見て最もアクションを起こしているのは、Z世代の女性であり、そのZ世代の女性に向けて情報を発信するには、Instagramのストーリーが適しているといえます。
ただし、ストーリーで投稿される内容は、日常のつぶやきがメインです。この中に企業が作り込んだ広告を放り込むと浮いてしまう可能性もあります。企業の投稿は、いかに消費者のつぶやきの中に入り込むかが重要です。
友達の延長のような親しみがある世界観で自然と輪の中に入っていくことが必要になってくるのではないかと思います。