家庭に人体認識技術を搭載した機器を設置し、テレビの視られている量を測るTVISION INSIGHTS(以下、TVISION)は、1人でテレビを見ている番組と2人以上でみている番組には、ジャンルや放送時間等において差があるのかという検証を、2021年7月と8月の番組ランキングを用いて実施した。
7月、複数人視聴は週末とゴールデンタイムに集中
7月に最も複数人で視聴されていたのは、テレビ朝日の「ドラえもん」だった。土曜日の夕方に、家族が一緒に見ていたことが想定される。
複数人視聴・単独視聴の両方にランクインしたのは、テレビ東京の「土曜スペシャル バスVS鉄道乗り継ぎ対決」だった。コロナ禍で外出自粛を求められている視聴者の心を捉え、全体的に注目されたと言える。
複数人が視聴しているジャンルには、アニメ、バラエティー、音楽がランクインした。一方、単独視聴には、スポーツ、バラエティー、ドラマが入った。スポーツは複数人でも見られそうなジャンルだが、今回ランクインしたスポーツは、平日の朝帯であったため単独視聴になったと考えられる。
また時間帯でみると、複数人視聴は週末とゴールデンタイム(19~22時)に集中しており、単独視聴でもゴールデンタイムは多いものの、週末は少ない結果となった。
8月複数人視聴にオリンピックの影響か
8月に最も複数人で視聴されていた番組は、TBSの「クイズ!THE違和感」で、単独視聴でも1位となり、全体的によく見られた結果となった。もう一つ両方にランクインした番組は、テレビ朝日の「ザワつく!路線バスで寄り道の旅」だった。7月と同様、外出自粛生活が続く視聴者に多く支持されたと考えられる。
ジャンル別にみると、7月には複数人視聴のランキングに入っていなかったスポーツジャンルがランクインした。日曜18時という時間と、オリンピック特集ということもあり、家族で見たのではと推測される。
8月のランキングでは、複数人視聴と単独視聴とで見られた時間帯にあまり差はみられなかった。
以上のことから複数人で見られる番組は、通常の「視聴率」とは違った結果になることがわかった。
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