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リサーチ企業の強みを発揮!大塚製薬が80%コスト減を実現した、マクロミルの新広告ソリューション

 マーケティングリサーチ事業を展開するマクロミルが今年8月にローンチした新しい広告ソリューション「Macromill Ads(マクロミルアズ)」。Cookieレス時代への対応に向けて、膨大なパネルデータとマーケティングリサーチの強みを背景に、プロモーションの戦略立案から実行、効果測定まで一気通貫で企業のマーケティングを支援するものだ。長年同社をマーケティングパートナーとし、プロモーション活動を行ってきた大塚製薬を交え、マクロミルの新広告ソリューションの利点と成果について聞いた。

リサーチ企業から「マーケティングパートナー」へ

MarkeZine編集部(以下、MZ):マクロミルといえば、圧倒的な消費者パネルとそれに基づくリサーチを軸に企業のマーケティングを支援されてきました。そして今回、その強みを背景にデジタル広告領域へ事業を拡大し、新しいソリューション「Macromill Ads」を発表されました。このMacromill Adsについてお話しいただくとともに、ユーザーとして大塚製薬さんにも同席いただき、成果について伺っていきたいと思います。まずは自己紹介からお願いします。

(左)大塚製薬株式会社 ニュートラシューティカルズ コスメディクス事業部門 係長 小島涼太朗氏(中央)株式会社マクロミル リサーチ営業本部 第1営業部 2グループ長 岡駿介氏(右)株式会社マクロミル 飯塚氏
(左)大塚製薬株式会社 ニュートラシューティカルズ事業部 コスメディクス事業部門 小島涼太朗氏
(中央)株式会社マクロミル デジタルテクノロジーズ事業本部 Macromill Ads事業 マネジャー 岡駿介氏
(右)株式会社マクロミル デジタルテクノロジーズ事業本部 エムプロモカンパニー 飯塚勇生氏

小島:大塚製薬コスメディクス事業部門で男性化粧品ブランドの「UL・OS(以下、ウル・オス)」を担当している小島です。広告企画からメディアプランニング、売り場でのメッセージ発信まで、マーケティング全般を担当しています。

岡:デジタルテクノロジーズ事業本部の岡です。デジタルマーケティング領域におけるプロダクトソリューションの開発を行っており、8月にローンチしたMacromill Adsの事業マネジャーを務めています。

飯塚:デジタルテクノロジーズ事業本部 エムプロモカンパニーの飯塚です。エムプロモカンパニーは、メーカー様のプロモーション支援を行う部署で、新規クライアント様の開拓と既存クライアント様の売り上げ拡大が私のミッションです。

MZ:Macromill Adsの事業マネジャーをなさっている岡さんにお尋ねします。このプロダクトを開発された経緯をお聞かせ下さい。

岡:マクロミルは、従来から展開していたリサーチを含め、マーケティング戦略立案からプロモーション実行まで、お客様のマーケティング活動を一気通貫で支援するパートナーとなること、言い換えれば「総合マーケティング支援企業」となることを目指した、事業モデルの変革に取り組んでいます。「マーケティング施策支援」の領域にも、その一環として取り組む方針を掲げてきました。

 この取り組みのひとつとして、Macromill Adsという広告事業をスタートした形になりますが、実は「広告・プロモーションまで支援してほしい」という声は以前からいただいており、これまでにもそうした取り組みを行っていたのです。こうした実績も踏まえ、変革のひとつの柱として「マーケティング施策支援」領域のサービスを本格的に提供しようということになり、具体的な運用体制を整え、事業化に踏み出しました。

マクロミルのデータアセット・リサーチノウハウを活用した広告配信が可能

MZ:では、Macromill Adsのソリューション概要を教えて下さい。

岡:現在、いくつかのソリューションを提供しているのですが、まずご紹介したいのが「Macromill Ads Targeting」です。当社が持つ130万人のパネルのリサーチ、購買データ、デジタルログなど独自のデータアセットを基にしたターゲティング広告ソリューションです。リサーチ会社として普段からお客様のターゲットのクラスタリングやプロファイル分析をサポートしており、そのままターゲットセグメントへの広告配信をサポートできる点がユニークなポイントです。

安全なデータを活用し、持続可能なターゲティング広告配信を実現
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 さらにもう1つ、CPCやCPAなどのパフォーマンス指標ではなく、ブランド認知率や広告認知率などのリサーチによって得られるブランディング指標に基づき、デジタル広告の運用最適化を行うソリューション「Macromill Ads Brand Optimizer」も提供しています。

スプレッドシートで設定するだけで、自動で運用を最適化(クリックして拡大)
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MZ:デジタル広告業界ではCookie規制やプライバシー保護が高まる中でいろいろな課題が取り沙汰されています。Macromill Adsは広告主にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。

岡:おっしゃるように、デジタル広告におけるデータプライバシーの問題は年々大きなものになっており、そうした中で精度・再現性の高い広告施策の実行に悩まれている企業の方はたくさんいらっしゃいます。この点に関し、我々のようにファーストパーティデータを保有し、かつデータ分析・利活用に精通した企業を活用することで、データを基に広告配信の精度を高められる点は1つのメリットになると考えています。

MZ:データ規制が進む中でのデジタル広告運用について、大塚製薬の小島さんはどのように考えていらっしゃいますか?

小島:私もデータを活用する側ではありますが、仕事から離れるといち消費者です。自分がいつも使っているスマホからどのような情報が出ているのかやはり気になりますし、購買履歴や閲覧履歴を他人に覗かれているような意識はやはりあります。ですので、消費者のプライバシーを守りつつ、正しいデータを活用して最適な人に配信できる仕組みはやはり大切だと考えています。

マーケティングパートナーとしてのマクロミルの強み

MZ:マーケティングパートナーとしての大塚製薬さんとの関係性について教えて下さい。

飯塚:前任者からの引き継ぎで2年半前からご一緒させていただいており、広告配信だけでなく、さまざまなプロモーション支援の提案を行っています。

 私が所属するエムプロモカンパニーでは、自社サービスだけでなくパートナー企業様のソリューションを掛け合わせた複合的な企画・提案を行っています。たとえば、マクロミルの計測システムを活用して、パートナー企業様の広告配信やサンプリングの効果検証をし、PDCAをしっかりと回転させ、ネクストアクションに繋げていただくなどです。

 大塚製薬様とは今までに、広告配信をはじめSNSを活用したキャンペーンやデジタルサイネージを活用した店頭施策、シネアドと連動したサンプリング施策、オンラインとオフラインを繋ぐO2O領域の施策など、多種多様なプロモーション活動に取り組んできました。

MZ:自社の強みを活かしながら、複合的な提案を行っているんですね。大塚製薬さんにとっては心強い存在ですね。

小島:そうですね。飯塚さんとはかなり密にコミュニケーションをさせてもらっています。実はマクロミルさんと当社はビルが隣同士で、何かあると「いまから行きます!」と言って、すごいスピードで来てくれるんです(笑)。その勢いで積極的に提案もしてくれます。

飯塚:膨大なリサーチデータベースから、男性用化粧品という商材が響きそうなターゲット層や効果的なプロモーション案などを抽出できる点は、当社の強みです。これらのデータを基に積極的にプロモーション案をご提案すると、小島さんもチャレンジ精神旺盛なので、「じゃあやってみよう!」と様々な企画でご一緒下さっています。

検索型ターゲティングの限界にぶつかっていたウル・オス

MZ:ここから大塚製薬さんがMacromill Adsを活用された事例について詳しく伺っていきます。まずは、活用の対象となった「ウル・オス」のターゲット層や特徴について教えてください。

小島:製薬会社である当社は、「人々の健康に貢献する」という理念を掲げています。この理念に基づいて、「肌の健康」をコンセプトに研究開発したのがウル・オスです。発売は12年前で、当時はまだミドルエイジ男性向けのスキンケア製品は珍しかった時代でした。そこで「簡単に本格ケアができる製品」「研究所を持つ製薬会社が肌の健康を考えて開発した製品」という点にフォーカスし、知識がなくて何を使っていいかわからない方、スキンケアに関する意識があまり高くない方などにアピールしてきました。年代で言うと、30~50代、特に40代を中心にしたミドルエイジ層向けのブランドです。

MZ:12年も前から発売されていると、市場もかなり変化していますよね。マーケティングではどのような点に注力されているのでしょうか。

小島:現在、男性化粧品市場は非常に拡大・多様化しています。10年ほど前まではまだ競合商品やブランドも少なく、テレビCMの効果もあってウル・オスの認知度は高かったのですが、いまは相対的に下がってきている感覚があります。こうした変化を受けて、製品の安心感や効果の高さ、強みがターゲット層に伝わるよう、ブランディングと認知拡大を第一にマーケティングを行っています

MZ:続けてデジタル広告運用の面からお伺いしますが、ウル・オスのデジタル広告運用にはどのような課題があり、Macromill Adsの活用につながったのでしょうか?

飯塚:大きく言うと、コストパフォーマンス、ターゲティングの精度の2点で思うような成果が出ていませんでした。それまではプラットフォーム上で設定できる検索型のターゲティングを用い、「消臭スプレー」「制汗剤」「柔軟剤」といったキーワードで広告配信をしていたのですが、オーディエンスのボリュームが少なく、配信単価が高めになってしまっている状況でした

 そうした中で、「Macromill Adsならば、検索の行動ターゲティングだけでなく、リサーチに基づき課題意識を持っているユーザーへのターゲティングが可能なため、課題解決につながるのではないか」と考えたのです。

小島:飯塚さんがお話しされた通り、認知を上げたいからといって、無駄に広告を打つのは得策ではありません。加えて、何より「悩みを抱えている人にウル・オスを試してもらいたい」という思いがあります。「課題意識層ターゲティング」は初めての試みでしたが、従来の検索行動ターゲティングと比較してどのような結果が出るのか、とても興味がありました。

「ニオイ対策」への課題意識を軸にターゲティング

MZ:先に岡さんが説明された「Macromill Ads Targeting」を活用されたということですよね。

飯塚:はい。「Macromill Ads Targeting」では、リサーチを基にターゲットを抽出し、広告配信を行うことができます。これを活用し、アンケート調査の回答から「ニオイ対策をしているビジネスマン」という課題意識を持つターゲットを抽出し、Yahoo! ディスプレイ広告とYouTubeで広告を配信しました。事前にアンケート調査の質問案を作成し、「こういう回答をした人に拡張配信をしよう」と、小島さんとすり合わせをして進めていきました。

MZ:なぜ「ニオイ対策をしているビジネスマン」に絞ったのでしょうか?

小島:近年はスメハラ(スメル・ハラスメント)という言葉も聞かれるように、皆さんニオイに対して敏感になっています。身だしなみに気を遣う男性はニオイ対策への意識もあるため、「ニオイ対策に関心を持つビジネスマン」とウル・オスのターゲットは合致するのではないかと考えました。

岡:今回は、我々のリサーチに基づいた課題意識層ターゲティングでの広告と並行して、従来の検索行動ターゲティングによる広告配信も行い、パフォーマンスにどのような違いが出るかを検証しています。

80%のコスト改善も!課題意識層ターゲティングVS検索行動ターゲティングの結果

MZ:課題意識層ターゲティングvs検索行動ターゲティング、結果はどうだったのでしょうか?

飯塚:Yahoo! ディスプレイ広告とYouTubeの両方で、課題意識層ターゲティングのほうが高い成果を得られました。

 たとえば、YouTubeでは検索行動ターゲティングのCPVが5円だったのに対し、課題意識層ターゲティングでは1円となり、単純比較で80%のコスト改善が実現しました。動画広告の完全視聴率に関しても、検索行動ターゲティングは11.9%でしたが、課題意識層ターゲティングは19.5%まで改善しました。それだけ、ウル・オスというブランドに関心の高い人にリーチできたと考えられます。

 Yahoo!ディスプレイ広告においては、CPCを198円から120円まで下げることができました。

小島:もともと配信していたセグメントではボリュームに限界があったところを、リサーチを活かしたターゲティングを行うことで、必要な人により精度高く広告を配信できることを実感しました。悩みを抱えている人に、しっかりウル・オスの情報を届けられているということなので、ブランドとして非常に良い取り組みであると思っています。

Cookieの代替手段としても。幅広くデジタル広告領域をサポートしていきたい

MZ:これからどのような施策につなげていきたいですか?

小島:今回、ニオイ対策というキーワードの効果が高いことがわかったので、ターゲットに刺さるコンテンツ作りに活かすなど、様々なプロモーション施策に取り入れ、ポテンシャルのあるユーザーに訴求していきたいと考えています。

飯塚:年々Cookieなどのトラッキングデータへの規制が本格化し、代替手段を模索している企業も多いと思います。Macromill Adsが、その代替手段のひとつとしてお役に立てればよいですね。ウル・オスでのお取り組みに関しては、今回は認知の獲得・興味の喚起を重点にした施策でしたが、今後はその後の購入・購買までつなげていくチャレンジをしたいですね。

MZ:最後に岡さんから、今後の展望をお聞かせください。

岡:まだベータ版になりますが、10月に「Macromill Ads Creative」というソリューションを提供開始しました。これは、マクロミル独自のデータアセットと消費者理解に基づく独自のフレームワークを用いて、クリエイティブ制作をサポートするものです。これまで属人的に行われる傾向の強かったクリエイティブ制作領域に対して、独自のアプローチによる支援をしたいと考えています。

 マクロミルはリサーチ事業からスタートし、消費者パネルの方々の協力を得ながら、市場の声、購買データ、デジタルログなど様々なデータを収集・蓄積し、お客様に提供してきました。このアセットをベースに、総合マーケティング支援企業として、独自性のあるマーケティングソリューションを引き続き提供していきたいと考えています。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/09 11:00 https://markezine.jp/article/detail/37474